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社会学方法論_読書感想文※サンプル付き

どうも!
セイタです!!
北京大学社修士課程で社会学を学んでいます。

この一連のマガジンでは、自分が北京大学で「どのような授業を受講したのか」、「どのような授業の進め方なのか」、「課題をどのようにクリアしていったのか」について執筆していきたいと思います。


対象としている読者は
・中国の大学に興味がある。
・社会学修士に興味がある。
・海外の大学院に興味がある。
方を想定しています。
もちろん当てはまらない方でも全く問題なく読める内容となっております。

自分は2022年秋学期に
・社会学方法論(2コマ)
・社会学理論(3コマ)
・線形回帰とその応用(4コマ)
・中国概況(3コマ・留学生用)
・中国語基礎高級(4コマ・留学生用)
計15コマ分を履修していました。

この記事ではその中でも《社会学方法論(社会学方法论)》という授業で行われた課題である読書感想文について書いていきたいと思います。授業の概略については下記記事をご覧ください。


この記事では、
・読書感想文の書き方をどう学んだか?
・自分が書いた読書感想文の概略
・読書感想文を書く上でのポイント
・実際に自分が書いた記事(有料)

について書いていきます。



読書感想文の書き方について

読書感想文が課題として出されたのですが、非常に困ってしまいました。なぜなら、自分は日本の大学でも読書感想文を書いたことは一度もなく、何から手を付けていいかわからなかったからです。。。


Teaching Assistantのアドバイス

なので、この授業のTeaching Assistantにどうしたらいいか聞いたところ、丁寧にいろいろ教えてくれました。まず、チャットでやりとりした内容を簡単にまとめると

・読書感想文は先生が用意した参考文献の中から題材を選ぶ。
・特にルールなどはない。
・内容は本を読んで感じた感想やメモで良い。

日本での読書感想文とそこまで変わりませんね!!

また、Teaching Assistantは自分が書いた読書感想文をサンプルとしてくれたり、読書感想文の書き方について語っている記事を紹介してくれたりもしました。結構親切ですね~
※余談ですが、TAさんのコミット具合はまちまちです。この授業のTAさんは丁寧でしたが、最低限の業務もこなしていない人もいました、、


記事の内容について

TAさんから紹介された記事を読んでみたのですがためになった個所も結構あったので紹介させていただきます。
記事の章立ては以下のようになっています。
・1: 参考文献の中から「自身が興味を持てて、読めそうな本を探す」
・2: 「紙の本は現状だとやはり良い選択である」
・3: 本は大から小へ、まず文脈を掴み、仔細を穿つ
・4: 筆をおく前に、「読後感から読書感想文への考え方に転換する」
・5: 「整った構成、規範にのっとった文章、根拠を持った思考」で基本的な要求に達することができる
・6: 18,19歳の君たちへ「読書は自我に関することであり、生活を取り戻すためにある」
・7: 次回予告

となっています。

左から、「TAの博士」、「学部主任の先生」、「修士の学生」、「修士の学生」となっています。
この4名が読書感想文について語った内容が記事になっています。


この記事の中で自分が特に気を付けようと思った部分が以下の内容になります。

・「自分が思うこと」から「著者が思うこと」「著者が思っていること」に思考を切り替える。

・読書感想文は、自分の考えを客観的な部分と主観的な部分に分ける。

・「どの考えがより重要だと思うのか」「それはなぜか」「どの考えが今日にも当てはまるのか」「なぜ後世の人々は著者に対して何らかの批判をするのか」「実際に著者がどのような批判に答えてきたのか」を考える。

・著者が何を言っているのかを理解し、その上で自分の意見や興味を語る。

・著者の経歴の説明から入るのが一般的ではあるが、字数を稼ぐためにWikipedia等の百科事典からコピペするのではなく、本に対する理解を深めるような内容を扱う。

・本の内容や章立てを整理するには、テキストとその全体的な内容の明確かつ簡潔な整理が必要である。例えば、「どの章でどんな重要な点が指摘されているか」「その点はどのように指摘されているか」「本の中の他の部分で
展開されているか否か」などである。

・本のメモを取りながら書き留めた、著者が答えていない、あるいは直接答えていないいくつかの疑問が入り口となることもある。

この記事は読書感想文を書く上でためになりました。
もし中国語で読書感想文を書く方は、ぜひご覧になってください!!



読書感想文をどのように書いていったのか?

この章では自分がどのように課題を進めていったのかに書いていきます。


読書感想文のテーマについて

自分は読書感想文のテーマとして"Designing Social Inquiry: Scientific Inference in Qualitative Research"という1994年にアメリカのベテラン政治学者3人によって書かれた本の中国語版を選択しました!!

Designing Social Inquiry: Scientific Inference in Qualitative Research


この本の内容をざっくり説明すると「定量調査の手法論は定性調査にも応用できる」ということです。

本当はこの本を読んで、社会学の方法論を理解したうえで他の論文について読書感想文を書こうと思ったのですが、めんどくさかったのでこの本を直接題材としました(笑)



読書感想文の構成について

この読書感想文は
・1章:本書の特徴_システマティックな定性調査の研究手法
・2章:章ごとの構成_社会科学の研究における秘訣
・3章:読後感_どのように社会科学の研究を進めていくか?

となっております。


1章では、「この本の紹介」、「この本の特徴である因果推論や定量研究を定性調査に応用する方法」などをメインに書いています。

2章では、それぞれの章のまとめと自分の感想を述べています。

3章では、この本を読んでの感想として「アメリカの社会科学という学問への姿勢」、「社会学研究の日中比較」、「日本の社会科学が世界的に評価されていない点」、「今後どのように研究を進めていきたいか」などをまとめました。


通常のレポートであれば、必ず以下のようなアブストラクトキーワードを読書感想文の最初に挿入するのですが、今回の提出物では読書感想文という形体及び5000字という字数上限から入れていないのですが、基本的には入れるべきかなと思います。



ちょっとした書き方の工夫

ここでは自分が読書感想文やレポートを書くときにしているちょっとした工夫について書いていきたいと思います。

まず前提として、中国では日本と同様、アメリカのようにきっちりとしたレポートや論文のフォーマットはありません
※英語圏に留学した友人の中には、レポートのフォーマットを整えるだけで一日かかったと言っていた人もいました。

そのため良い点として、「フォーマットに自由度がある」、悪い点として「書き方がわからないため、混乱する」ことが挙げられます。

今から自分が紹介する点は自分が北京大生のレポートや中国の論文などを読んできて、「このようにすればわかりやすいな」「こうしたら便利だな」といったものが反映された主観的なものになります。その点だけご了承ください。


第一のこだわりポイントは表紙です。自分は以下のような物を作っています。これだけで見栄えが変わります。



第二のこだわりポイントは目次です。わざわざ目次だけのページを作っています。これがあった方が採点者も話の流れが分かりやすく、理解してもらいやすいです。

ここまでは、自信をもってお勧めできるポイントです。ここから先は人によって意見が分かれるかなと思います。


第三のこだわりポイントがフォントです!!
自分は「SimSun」を使用しています!!このフォントは中国語も日本語もアルファベットも全部いい感じです。

以下マイクロソフトの説明です。

SimSun (新宋体 ) は、簡体字中国語スクリプトを使用して中国語の言語を設定するために設計された書体です。 これは、特に太い垂直ストロークと細い水平ストロークの間、および多くのストロークの端に三角形のマークまたはティックがある、太いストロークと薄いストロークの間のコントラストが高い、Song または Ming スタイル (serif) です。 SimSun は非常に人気が高く、広く使用されています。明るくて読み取り可能な外観で、コンピューター ドキュメントのそのユビキティを Times New Roman 簡体字中国語の一部として説明されています。

フォント情報


第四のこだわりポイントが注釈の仕方です。
自分は以下のようにページの中に注釈を入れるという注釈の仕方を採用しています。こうすることで、ページ内で注釈が確認でき、いちいち最後のページを見るという手間をかけずに済みます。

その反面、以下のように不必要に文字数が増えてしまいます。逆にいえば、文字数稼ぎができます(笑)


第五のこだわりポイントが日本語書籍の注釈の際に中国語訳することです。
ここはかなり評価が分かれるポイントなのですが、自分がこの方法を採用した理由としては、日本語で書いてもどうせ誰もわからないと思ったからです。逆に分かる人相手であれば日本語で書くべきです。


以上の五点が自分が読書感想文を書くときに気を付けているちょっとした工夫になります。


ということで、今回の記事は以上となります。
長い記事ですが最後まで読んでいただきありがとうございます。

今回は読書感想文について書きましたが、同じ授業内で課された別の課題であるグループプレゼンにどのように取り組んだか興味のある人は以下の記事をご覧ください。


このマガジンでは引き続き、北京大学社会学修士の授業について執筆していきます。


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読書感想文のサンプルについて

最後に、自分が書いた読書感想文を読んでみたいという方は有料ではありますが、添付しておりますのでご購入いただけますと非常に幸いです。

中国語もすべてネイティブチェックしてもらっています。

ただ、人生初の読書感想文ということと社会学を専門的に学び始めて2か月目で書いた記事なので過度なご期待はご遠慮ください。

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