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「次の塁へ」。飽くなき欲求がつかんだ1勝。「スピードスター」ソフトバンク周東選手の好走が勝利もぎ取る。250号を放った柳田選手も「周東さま、さま」

「次の塁へ」。飽くなき欲求がこの男には強い。「スピードスター」ソフトバンクの周東佑京選手(27)。好走塁で勝利をつかんだ。相手のミスに乗じて、自分のスピードを信じてホームへ突っ込んだ。これが決勝点に。熾烈な首位争いが続くソフトバンクに大きな1勝となった。

28日に福岡であった楽天戦。26日に東京ドームの「鷹の祭典」で敗れたソフトバンク。連敗は何としても避けたかった。

ホームに戻っての一戦。序盤にソフトバンクにメモリアルアーチが生まれた。三回、鷹の主砲柳田悠岐選手が3試合連続のアーチを放った。史上69人目となる250号本塁打。記念の一発で同点に追いついた。

この一発で勢いづいたソフトバンクは四回に勝ち越し。このまま逃げ切りを図る展開に。しかし八回に同点に追いつかれる。

柳田選手の一発で「祝祭ムード」が漂っていただけに、同点にされて流れが一気に変わりかけていた。それを止めたのが周東選手だった。

八回裏に一塁の代走に立つ。盗塁数がリーグトップの15。ソフトバンクの勝ち越す意欲にあふれた起用だ。周東選手は一度牽制球の帰塁をめぐりリクエストに持ち込まれたが、判定は「セーフ」。その後、打者の送りバントで二塁へ進んだ。

今宮健太選手のレフト前ヒットで、周東選手は三塁へ。楽天に大きなプレッシャーをかけた。

そして打席には甲斐拓也選手。初球、相手投手のスプリットを捕手が前へ弾いた。ボールがピッチャーの前へ転がる間に、周東選手がスタートを切った。ホームへ加速。ヘッドスライディングで生還した。

足で奪った貴重な勝ち越し点。このリードをソフトバンクが守り抜いて、3-2で競り勝った。周東選手の好走が奪った勝利だった。

試合後、周東選手は「体が反応して、行っちゃえと思って行きました」と振り返った。メモリアルアーチを放った柳田選手も「すごい走塁をしてくれて、周東さま、さまです」と韋駄天の好走塁をたたえた。

周東選手は侍ジャパンのメンバーで、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)制覇に貢献した。準決勝のメキシコ戦が忘れられない。

1点を追う九回。一塁に代走で送られた周東選手。村上宗隆選手のセンターオーバーの当たりで、二塁走者の大谷翔平選手とともに駆け抜けて、一気に生還。逆転サヨナラ劇を生んだ。一塁からホームまでわずか10秒28という速さだったという。

「世界一」へつながる好走塁を見せた周東選手。このスピードは、ソフトバンクのゲームでも勝利につながった。首位争いを繰り広げるホークスにとって大きな1勝だ。周東選手の好走で、チームの勢いも加速した。

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