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遅ればせながら馳せ参じました。広島の34歳野村投手が今季初先発。雨が降る中、6回無失点の好投でチームの5連勝に貢献

遅ればせながら馳せ参じました。広島のベテラン野村祐輔投手(34)が今季初先発。強力打線のDeNAを相手に6回無失点の好投を見せてくれた。雨が降り一時中断する厳しい環境だったが、テンポよく74球を投げ、チームの5連勝に貢献した。勝ち星こそつかなかったが「100点満点」のピッチング。貴重な戦力がマウンドに帰ってきた。

6月も終わりの時期。先発投手陣に疲れが出てくるころだ。この時期にベテランが1軍の戦力に加わるのは頼もしく感じる。

29日に本拠広島で行われたDeNA戦。雨が降る厳しいコンディションで、ベテラン右腕の野村投手が躍動した。

今季12年目。プロの世界で酸いも甘いも経験してきた。通算79勝でこの試合が203試合目の先発マウンドだ。デビューからすべての試合を先発で投げてきた。203試合連続の先発はプロ野球記録を更新した。

勝手知ったる先発マウンド。今季初の1軍登板とはいえ、ベテランは初回から落ち着いた投球を披露する。

二回の味方の攻撃中に雨が激しくなり、試合が一時中断した。良い意味の緊張感を持続するのは難しい。それでもプロ12年の経験と、今季初先発の気合で、野村投手は動じない。

三回、四回と三者凡退に斬って取る。五回のマウンドもヒット1本のみ。六回に二塁打を喫して、この試合初めて得点圏に走者を抱えたが、後続をきっちり抑えた。

相手はリーグトップの強力打線。野村投手は無四死球の安定感漂うピッチングを披露し、6回無失点。許したヒットは3本だけだった。味方打線が三回に2点を先制してくれたため、勝利投手の権利をもって、マウンドを下りた。

直球は130キロ台ながらカットボール、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなど多彩に変化球を織り交ぜて、打者に的を絞らせなかった。これぞベテランの妙味。

初回2死から五回1死まで11人連続アウトにとるなど、相手打線を手玉に取った。七回に2番手投手が同点にされたため、322日ぶりの白星とはならなかったが、この試合の影のMVPといえるだろう。新井監督は「100点のピッチング」とベテラン投手をたたえた。

広島はその後に再び勝ち越して、5-3と競り勝った。今季最多タイとなる5連勝をマーク。今回の3連戦でDeNAを3タテ。3位広島と2位DeNAとの差は1.5に縮まった。相手の背中がはっきり見えてきた。

広陵高3年時には夏の甲子園決勝で終盤に逆転満塁本塁打を浴びて準優勝に終わった。野村投手には、この印象が強くこびりついている。明治大時代に日本一を経験したが、プロの世界では未経験だ。

プロで初の日本一は野村投手の悲願だ。今季遅ればせながら戦力に加わった34歳右腕。首位阪神とのゲーム差もわずかに3。野村投手の好投が続けば夢物語ではなくなるはずだ。

プロで初めての日本一へ、野村投手の今後さらなる活躍を見守りたい。

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