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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#コラム

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『4クール目。91日』

穏やかな日日がつづいている。 長い休薬期間を取ったおかげなのか。順調だ。曇天からもたらされる風も気持ちが良い。世間は日曜日だ。今の私には曜日はない。曜日を見失って生きている。 少しの運動と、文章と、音楽と、植物と、散歩と、バイク。充実している。 喧噪から距離を置いた生活だ。大人として、本当はいけない。あまりにも、堂々と『がんかわいがり』を満喫してしまっている。「どうだ。私は病人だ。文句があるのか」、そんな、ふうだ。 どくだみの収穫は早起きした両親が、もう、終えていた。庭に

『4クール目。90日』

抗がん剤治療の副作用により、私の愛がひらたく全世界に等価されて開かれて久しい。たとえば、植物愛だ。二階のベランダのゴーヤカーテンが待ち遠しい。もう、10cmくらいの実がひとつ成っている。日毎に成長が著しい。二階のベランダまでは、蝶も来ない。自分で受粉してみた。一番成りの実は5cmくらいで成長が止まったようだったので、ふきみそをつけて生で食べた。私の『甘加減』は、おかしい。 私の植物愛が開花してから、ローズマリー、ラベンダー、タイム、ペパーミント、ゴーヤ、ワイルドストロベリー

『4クール。88』

88日目だ。スピッツの『8823』を語る良い機会だ。 私はスピッツの8823を名曲だと思っている。歌詞の一節、「くずといわれてもわらう」は、なんだか私にピッタリなのだ。こうありたいと思っていた。そんな曲なのだ。いま、振り返ってアルバムを聴いている。8823というアルバムはスピッツのなかでは、ロックに振ったほうだ。とても良かった。 スピッツの全盛期はいつなのか。音楽の専門家でも悩むのではないか、2024年になっても、このバンドのクオリティーはおちていない。名曲もあふれている。

『4クール。87日目』

がん患者はそれぞれの道なき道をゆく。 大げさに聞こえるかも知れない。けれど、まったく、このとおりだ。 暗やみのなかを、手探りで歩く。そんなものだ。余命や、治癒する可能性。手術をする?しない?。『がんかわいがり』の副作用も様々だ。私は『腹下り』、あの者は『吐き気』、この者は『かゆみ』、『しびれ』。女性にとっては『黒ずみ』『染み』も嫌だろう。私も嫌だ。病院の化学療法センターでは『脱毛』の者は見かけない。大体、私が最年少くらいの患者だった。昨日は私より年少の者もいた。めずらしい。

『ロウガンズ』

私は老眼だ。 それなりに不自由だけれど。なんとかやってこれている。エッセイなどは、何も考えていないので(先の展開とか)さくさくさくっと、とんとんとんと、私の筆(指)がすべるにまかせて書いている。が、だ。また、小説を書き始めてしまった。一度取りかかると、小説は5~8時間くらいかかる。前の章との整合性がとれているのかとか、下調べもしなければならない、何かと時間がかかる。 その間に私の『ロウガンタイマー』が、切れる。もう、書けない。もう、すべてが、ぼんやりだ。私の手持ちの老眼鏡は

腹具合がいいので、お気に入りの公園の木陰で昼食。鳥のさえずりしか聴こえない。わけはない。お年寄りの賑やかな声も聴こえる。元気だ。やはり、バイクで走ると目の前が開けてくる。降りかかる困難な事柄が、後方に散ってゆく。

『一時停止解除』

久しぶりに小説の続きを書いた。 2023年の12月半ば以来の珍事だ。いつまでも、キャラクターたちを『一時停止』状態にしていては申し訳ない。それだけの期間、書かなかったのは、単に寒かったからだ。灯油の移動が面倒だったと、以前に書いた。ほんとにそれだけの理由で小説を中断していた。だらしないったらない。やっと、『一時停止解除』することが出来た。 休薬期間だと言うのに、鼻血は止まらない。前回の点滴後には止まった。きっと点滴の中に白血球を元気にする栄養素が入っていたのだろう。『がんか

『湯治ツーリングがしたい』

「アレクサ。お気に入りの音楽を聴かせて」 そう、言ってからエッセイを書く事が多い。本日の1曲目は『深夜高速」だった。GW中の東北道を深夜、カワサキW650で走っていた数年前を思いだしていた。深夜の東北道は真冬だ。極寒装備で毎年走っていた。なんとか、6時前には仙台を抜けたかった。渋滞を避けるために。その、『深夜高速』で寒さの余り、らーめんを一晩で4杯食べたこともあった。それでも震えが止まらなかった。芯から冷えた。なつかしい。 私はいま、体調の回復をただ待っている。能動的なこと

『38度3分の侵入者』

この3日間の『ファスティングフェス』の概要が決まった。 『カロリーメイト』と『ポカリスエット』と『グミ』と『ビオスリー』でいこう。カフェインもしばらく絶とう。下痢止めは非常時にならないかぎり飲まない予定だ。 それと、少しの筋トレだ。いついかなる時も腹筋と腕立て伏せは50回出来るつもりだったのだけれど、10回くらいで止めた。 これは、『がんかわいがり』の副作用ではない。49歳の私の副作用だ。間違いない。どういうわけか『スクワット』は出来るのに、不思議だ。カワサキW650で走れ

『おならブルー』

『ガンかわいがり』2クール目に入っても、おならはやはり臭い。 私の『なじみおなら』ではない。 1クール目で述べた『おならPerfume』では収まる『おなら濃度』ではないのではないか。そんな疑問がわいた。 そこで『おならPerfume』を超えた濃度のおならを、『新しいおならのリーダーズ』とする事に決めた。 プラズマクラスターで消し去った私の部屋の空気を『おならブルー』とも言おうと思う。そこには、消し去られた私のおならと入れ替わるように生まれた。澄んだ空気との悲哀が感じられる。

『ブロッコリースプラウト』

健康食の乱れ食いは続行中だ。 ブロッコリースプラウトの水耕栽培を家の中ではじめてしまった。 Amazonでスプラウト用の種を買い。朝晩水やりをしている。 そのほうがお得なのでは?という理由から栽培しているのだが、近くのスーパーで1パック百円程度で売っているようだ。 東京あたりではもっと値段が高いのだろうか。正確な費用対効果は計算していないけれど。ここ、群馬ではスーパーで買い求めたほうがいいのかもしれない。 ただ、家の中での水耕栽培は新鮮だ。この、新鮮さの一点だけは負けていな

『アーガ秘水』

1クール目の抗がん剤服用期間が終わった。 初日に抗がん剤の点滴。14日間の抗がん剤服用期間で、計15日だ。 これから、6日間の休薬期間に入る。次の血液検査で問題がなければ、しばらくはそれの繰り返しになる。何クール続けるのかは決まっていない。 1クール目の抗がん剤治療の副作用は大した問題にはならなかった。すこしの便秘とダルさ。血混じりの鼻糞。胸やけ。手足のしびれ。こんなところか。前回、5日目でリタイヤしたのが嘘のような副作用の軽さだった。 心療内科で処方された薬の服用も、副作

『スロウ』

『スクワット300』は、ぬるっとできた。 なんなら、50回を10セットくらいした。むかしもこんな事があったのを、いま、思い出した。スクワットを調子にのってやり過ぎて、膝を痛めたのだ。翌朝の私の膝は無事なのだろうか。つま先より膝が前に出ないような正しい姿勢で行ったつもりなのだが。 私にふさわしい、がんと共に過ごす言葉は見つかっていない。 ダサくないのがいいのだ。いっそ、『がんばるまん』でいいか。頑張るつもりがないので却下だ。私が愛して止まない、サニーデイサービスの『スロウライ