『夏と秋。九月六日。なにもない』
なにもない日だ。ただ、私の生活の昼夜は逆転している。
信じられないくらいの発疹が、私の身体を襲来しているが、まあ、どうということもない。もう、私は私の見た目に関心がない。一応、ステロイド軟膏を医師の指示どおりに塗るだけだ。
新しい抗がん剤治療の1クール目なので、なにが異常なのかもわからない。「発疹がでて当たり前」の可能性がある。この抗がん剤治療の副作用は発疹なのだろうと納得している。来週の火曜日に受診する予定なので、はっきりするだろう。鼻血は数日前に止まった。抗がん剤が身体から抜けたのかも知れない。
腹は下る様子がない。今週も、なにかに憑りつかれているくらいパピコを食べた。それでも、腹は下らない。それはそれで異常かも知れないが。かゆみはある。夏日とステロイド軟膏の相性はとうぜんわるい。季節の変わり目で、複合的に体調の良し悪しが絡み合いほどけない。待つしかないのだ。
手足の先はずっとしびれている。坂本龍一氏がピアノを弾くために、抗がん剤治療を一時的に休薬した理由も解る。鍵盤を弾く繊細なタッチは、望むべくもないからだ。
これからは、季節によって副作用のつらさが変わってゆくだろう。発疹のかゆみが減じて、しびれが増大する。そう、予想している。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?