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『夏と秋。九月五日。嘘つき』

秋の政治の季節が始まろうとしている。
与党と野党の総裁選、代表選がまじかに迫っている。私は、国の運営には、日本でいちばんの『嘘つき』がむいていると思っている。
『噓つき』とは、言い換えれば『夢』だ。つまり、夢を見させてくれる者こそが、国の運営にふさわしいと思っている。

私はいま、『真夏の果実』を聴きながら、そんなふうにかんがえている。
桑田佳祐氏は、日本音楽界、最大の嘘つきだ。何度も何度も、嘘をついて、私を夢見心地にしてくれる。嘘と夢は離れ離れには決してならない。

そんな、嘘の上手い総理大臣候補がいないだろうか。私は気分よく騙されたい。嘘のつけない政治家は恐ろしい。すべからず独裁者は嘘が下手くそなのだ。独裁者は創作ができない。独裁者は神がかるように喋り、行動し、感極まり、嘘がつけない。

私は桑田佳祐氏が、神がかるように喋り、行動し、感極まったところを見た事がない。桑田佳祐氏の涙は偽物なのだ。だから、尊い。
一方で、ウラジミール・プーチンの涙は本物だ。だから、恐ろしい。

私は、世界中の政治家が全員嘘つきならいいのにと思っている。

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