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『ま夏。八月三十日。主食』

退院してタガが外れた。
以前にも書いたが、私の主食が『パピコ』になっている。副作用の腹下りもないことから、日がな一日パピコを食べている。ステロイド軟こうを身体に塗りたくっているせいかも知れない。ギトギトベタベタの現実から逃避する為、私は清涼感を求めている。それが、パピコだ。

パピコを食べた途端、涼やかな風がぬめった肌をすがすがしく通り抜けていく。私は『パぴ感』の虜だ。布団に寝転がりながらでも食べられる。手離しでも食べられる。衛生的でもある。一本でも止められる、けれど、未だかつて一本で止めたことはない。それが『パぴ中毒』

じめりとした空気が、私の肌に異常をきたしている。上半身の発疹は酷いものだ。蕁麻疹発症時に服用する為の愛用の抗ヒスタミン薬を、小一時間調べて飲み合わせに問題ないことを確認してから服用した。抗ヒスタミン薬を、心療内科か総合病院か皮膚科で処方してもらわないと、抗がん剤ライフを続けるのは難渋するだろう。しかも、山ほどある抗ヒスタミン薬から、私の肌の発疹を沈静化してくれる効果があるのはいまのところ一種類しかない。

数年前に数種類ためして、やっと「これだ」という薬を見つけた。他の薬との禁忌はない。少なくとも、ネット上では確認がとれた。みるみる肌の発疹が薄くなってゆく。明日にも皮膚科に行こう、台風次第になるが。マイナカードによる情報の共有化も進みつつある。明日はあえて、マイナカードとおくすり手帳を忘れていこう。それが、大人の知恵だ。

ちなみに、私が蕁麻疹を発症する時期は決まっている。
五月と九月だ。

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