セイケトミオ

写真家

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記事一覧

Apo Summicron-M 50f2 ASPH

このレンズは2012年のフォトキナで発表、2013から発売になった注目のレンズ、当初は流通も少なく入手はしばらく困難と言われていたが、2013年の早い時期に運よ…

セイケトミオ
2週間前
84

M9 シャッター音

ひさしぶりにM9モノクロームを持ち出して路上で撮っていると、 近くにいた女性から「いい音ですね!」と声をかけられた。 滅多にないことである。 想像するに、この人にと…

セイケトミオ
1か月前
90

五月になれば

四月まで雪の残る北国で少年時代を過ごした私は、五月の暖かい陽光をいつも待ち侘びた。 それは冬の日々が寒過ぎるとか、嫌で嫌でたまらないということではなく、毎日スキ…

セイケトミオ
2か月前
85

M9 ccd に心惹かれて

ライカデジタルMがM10になった頃から、すっかり出番の減ったM9Pは友人のところに行ってすでに6年、久しぶりにphotoshopで開いたM9の画像がすこぶる新鮮に見える。 渦中…

セイケトミオ
3か月前
177

REVUENON 55mm f1.2

この富岡光学製の55ミリf1.2にはいくつかのバリエーションがあるらしいが、入手したのはペンタックスのKマウント、フジのX用マウントアダプターを確保してから決めました…

セイケトミオ
4か月前
107

X-Pro3はハネムーンが嫌い!

新しいカメラを購入後暫くのあいだは、何となく落ち着かないソワソワした時間があると思う。机の上に置いて眺めたり、埃を払ったり、クロスで拭き取ったり、他人から見たら…

セイケトミオ
6か月前
118

初夢 M8 monochrom

2006年登場のライカM8今年で18年を迎えます。 生まれては消え、生まれては消えのデジタルカメラですが、2年後の2026年でもM8は十分現役でイケるだろうと思いま…

セイケトミオ
8か月前
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Nokton 50mm f1.2 X mount

23mm, 35mmに続いてNokton f1.2 50mmがコシナの X mount シリーズに追加、9月7日発売になりました。Nokton 35mm f1.2 の 50mm 版登場かと期待していた一人ですが、早速使…

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新井 卓 写真展 日々の鏡

コロナ禍の3年間はモヤモヤの毎日で、写真展を見に行くことも控えるような日が長く続いていましたが、PGIに用事があってそれも珍しく午前中行ったことでこの素敵な新井さ…

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Foveon の旅 (4)

SIGMA DP3 QUATTROは2015年3月発売のカメラですから、今はカタログ落ちのカメラです、それが当時の新品価格よりも中古でさえ高値が付いているのですから、マーケットでの…

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Foveon の旅 (3)

DP3 Merrill が発売になってからちょうど10年、デジタルカメラにとっての10年は目まぐるしく変わるこの世界では長い時間です。旧式モデルのデジカメは3、4年もすれば…

116

Leica Summar

数多くのライカ50ミリレンズの中で、ズマールは今最も安価に入手できるレンズの筆頭ではないかと思うのですが、しかしそれは安かろう悪かろうという類のものではありません…

116

Ultron 75mm f1.9 VM

レンズキャップもフードもなかったプロトタイプ、あれから5ヶ月、意匠も新たに製品版として箱に収まって届きました。 外観の変更はあるかもしれないと、撮影期間が終了し…

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大晦日のカメラ

今年最後の散歩。 さてカメラをどうしようかと、あれやこれや候補を上げてテーブルの上に置いてみる。もちろんライカもそのうちのひとつでレンズはすでに決めていた。しか…

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Foveon の旅 (2)

2009年5月、友人のM君がロンドンに来るというので、発売直後のシグマDP2をなんとか買ってきて欲しいと頼みました。M君は地元大阪を隈なく探し回り、難儀して英国に持…

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Foveon の旅 (1)

🔳🔳🔳禍でなければ、都会にいても秋色の気配漂う今頃はカメラを持って旅に出たい季節のはずなのに、3年目を迎えた今年もまだそういう気分にはなかなかなれません、、、、…

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Apo Summicron-M 50f2 ASPH

Apo Summicron-M 50f2 ASPH

このレンズは2012年のフォトキナで発表、2013から発売になった注目のレンズ、当初は流通も少なく入手はしばらく困難と言われていたが、2013年の早い時期に運よく初期ロットを入手することができました。

私は元々どちらかというとクロンよりはルックスを好んで使ってきたこともあり、それに加えてこのレンズのキャンペーンにマグナムの写真家が起用されたり、レンズ設計者のピーター・カルべ氏自らこのレンズは開放

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M9 シャッター音

M9 シャッター音

ひさしぶりにM9モノクロームを持ち出して路上で撮っていると、
近くにいた女性から「いい音ですね!」と声をかけられた。
滅多にないことである。

想像するに、この人にとってはデジカメからこんな音がするとは思っていなかったのかもしれないし、あるいは並外れに耳の良い人だったのかもしれない。

とはいえ、こんな風に声をかけてもらえると素直に嬉しい。

ありがとうと返す言葉の奥で、「M8は、もっといい音です

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五月になれば

五月になれば

四月まで雪の残る北国で少年時代を過ごした私は、五月の暖かい陽光をいつも待ち侘びた。

それは冬の日々が寒過ぎるとか、嫌で嫌でたまらないということではなく、毎日スキーやスケートで遊びまわる季節が終わり、残雪の消える日を迎えるというのは、季節の移り変わりを知る特別なゴーサインだった。

東京の五月は、時には夏日のような暑い日もあってあの頃の季節感とは全く異なるが、それでも私の体内時計は五月になれば今も

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M9 ccd に心惹かれて

M9 ccd に心惹かれて

ライカデジタルMがM10になった頃から、すっかり出番の減ったM9Pは友人のところに行ってすでに6年、久しぶりにphotoshopで開いたM9の画像がすこぶる新鮮に見える。
渦中にあるときは判断が難しく、つい波に乗り遅れまいという気分に押されて前に進むけれど、少し時間が経ってみれば、私のような凡人は悔い改めることの繰り返しで終わりがない。

M8は1000万画素でスタート、M9で1800万、240か

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REVUENON 55mm f1.2

REVUENON 55mm f1.2

この富岡光学製の55ミリf1.2にはいくつかのバリエーションがあるらしいが、入手したのはペンタックスのKマウント、フジのX用マウントアダプターを確保してから決めました。
手元に届いたレンズは汚れが酷く、絞りバネは張り付いて動かないし、アダプターにもうまく装着できない。半ば諦めかけたが、アダプターとレンズを手で固定ながら数枚撮ってみると、これは諦めるわけにはいかないと思ったのです。

こんな時はこの

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X-Pro3はハネムーンが嫌い!

X-Pro3はハネムーンが嫌い!

新しいカメラを購入後暫くのあいだは、何となく落ち着かないソワソワした時間があると思う。机の上に置いて眺めたり、埃を払ったり、クロスで拭き取ったり、他人から見たら猫可愛がりのようで妙に見えること甚だしいに違いないのだが、、。

つまりピカピカのカメラが自分のものに徐々に変わるまでの一定の時間は、何十台というカメラを買って使ってきた後でも変わらない。ちょっと神経質で、少しウキウキ、あの落ち着きのないふ

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初夢 M8 monochrom

初夢 M8 monochrom

2006年登場のライカM8今年で18年を迎えます。
生まれては消え、生まれては消えのデジタルカメラですが、2年後の2026年でもM8は十分現役でイケるだろうと思います。
この間のライカMデジタルの歩みから、もし18年前にM8がこんな姿で登場していたらと勝手な夢をお正月に託してみました、、、私の夢のカメラ。

M8 monochrom / no LCD
例えば2012年に登場したLeica M Mo

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Nokton 50mm f1.2 X mount

Nokton 50mm f1.2 X mount

23mm, 35mmに続いてNokton f1.2 50mmがコシナの X mount シリーズに追加、9月7日発売になりました。Nokton 35mm f1.2 の 50mm 版登場かと期待していた一人ですが、早速使う機会がありましたので、軽いインプレと思ってご覧いただければと思います。

レンズ意匠

レンズ全長は1センチほど長くなっただけですが、口径が58ミリと大きくなった分35ミリノクトン

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新井 卓 写真展 日々の鏡

新井 卓 写真展 日々の鏡

コロナ禍の3年間はモヤモヤの毎日で、写真展を見に行くことも控えるような日が長く続いていましたが、PGIに用事があってそれも珍しく午前中行ったことでこの素敵な新井さんの展覧会に出会いました。久しぶりに美しい写真にふれることができて、心が洗われたような気持ちになりました。

PGIの展示は少し暗めの照明と相まって、小さなフレームに収まったダゲレオタイプの写真は、まるで光に吸い込まれるように私たちの目を

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Foveon の旅 (4)

Foveon の旅 (4)

SIGMA DP3 QUATTROは2015年3月発売のカメラですから、今はカタログ落ちのカメラです、それが当時の新品価格よりも中古でさえ高値が付いているのですから、マーケットでの潜在的需要を示しているのかも知れません。

最初にこのカメラを見た時の驚きはその筐体のデザインでした。
それから8年後の今もそのデザインは飽きるどころか、想像よりも遥かに使いやすいこともあって、このカメラには時間の色褪せ

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Foveon の旅 (3)

Foveon の旅 (3)

DP3 Merrill が発売になってからちょうど10年、デジタルカメラにとっての10年は目まぐるしく変わるこの世界では長い時間です。旧式モデルのデジカメは3、4年もすればすっかり忘れられてしまうが普通ですが、、、。

ましてやコンパクトカメラの範疇で、内蔵ファインダーもついていないデジカメです、もうすっかり忘れ去られてしまったのではと思うでしょうが? これが結構今でもイケてるんです。

もちろん

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Leica Summar

Leica Summar

数多くのライカ50ミリレンズの中で、ズマールは今最も安価に入手できるレンズの筆頭ではないかと思うのですが、しかしそれは安かろう悪かろうという類のものではありません。一言で言えば良い悪いは使う人次第、使い手も試されるような手強いレンズです。

1930年代初頭に生またレンズですが、あの天才H.C.BとA.Kが共に手を携えてパリの街を闊歩していた時代だったと思えば、それだけでぼくなんかは喉から手が出て

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Ultron 75mm f1.9 VM

Ultron 75mm f1.9 VM

レンズキャップもフードもなかったプロトタイプ、あれから5ヶ月、意匠も新たに製品版として箱に収まって届きました。

外観の変更はあるかもしれないと、撮影期間が終了した時言われていたのでどんな意匠になって登場するのか楽しみでしたが、ネットでの発表の写真を見て期待がぐんと跳ね上がりました。

箱を開けると真っ先に飛び込んできたのは、ねじ込み式フードとセットになったかぶせ式のレンズキャップですが、これがな

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大晦日のカメラ

大晦日のカメラ

今年最後の散歩。
さてカメラをどうしようかと、あれやこれや候補を上げてテーブルの上に置いてみる。もちろんライカもそのうちのひとつでレンズはすでに決めていた。しかし最後の最後、候補の中でも最も重いコンビに決める。

SIGMA sd QUATTRO H と40ミリf1.4、レンズ単体で1kgを超える50ミリクラスでは超弩級のレンズです。日暮れまでに残された時間は僅か、それほど歩くことはないだろうとい

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Foveon の旅 (2)

Foveon の旅 (2)

2009年5月、友人のM君がロンドンに来るというので、発売直後のシグマDP2をなんとか買ってきて欲しいと頼みました。M君は地元大阪を隈なく探し回り、難儀して英国に持って来てくれました。こうしてぼくのフォビオンの旅はいよいよDP2から始めることができたのです。

2009年は初めてチェコを訪れた年ですが、プラハはこの時から目に見えない糸でDPシリーズと繋がっていたのかもしれないと思うエピソードがあり

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Foveon の旅 (1)

Foveon の旅 (1)

🔳🔳🔳禍でなければ、都会にいても秋色の気配漂う今頃はカメラを持って旅に出たい季節のはずなのに、3年目を迎えた今年もまだそういう気分にはなかなかなれません、、、、。

最初にシグマのカメラをそしてフォビオンというセンサーを知ったのは、アートディレクターでありながら自ら写真を撮り鮮烈なイメージをそのカタログで提示した、福井信蔵さんとDP1という存在でした。それがあまりに強烈だったため、今でもぼく

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