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Foveon の旅 (3)

DP3 Merrill が発売になってからちょうど10年、デジタルカメラにとっての10年は目まぐるしく変わるこの世界では長い時間です。旧式モデルのデジカメは3、4年もすればすっかり忘れられてしまうが普通ですが、、、。

ましてやコンパクトカメラの範疇で、内蔵ファインダーもついていないデジカメです、もうすっかり忘れ去られてしまったのではと思うでしょうが? これが結構今でもイケてるんです。

SIGMA DP3 Merrill

もちろん撮りやすいカメラは、他にいくらでもあるでしょうし、誰にも失敗なく撮れるようなカメラもあるでしょうが、でもね、シグマのフォビオンというカメラは、ちょっと違う楽しみがあるんです。

画素数が1億とか、ISOが10万とか言われる時代になっていますが、そんなのどこ吹く風と全然平気に思えるカメラなんです。時々かもしれないし、まぐれなのかもしれない、でも絶対コイツにしか撮れないと思わせる世界なんです。

SIGMA DP3 Merrill

フィルムの時代を知ってる人はコダックのコダクロームを憶えていると思いますが、外式の現像処理ができるのはコダックの現像所だけ、それだけでもハンディーでした。ASA は25、のちに64のタイプも出ましたが、コダクロームといえばそれは25のKRを意味するという、リバーサルフィルムの世界では正にオンリーワンワールド孤高の存在でした。

SIGMA DP3 Merrill

フォビオンというセンサーを、デジタルにおけるコダクロームと言っては言い過ぎでしょうか、低いISOでの撮影という点では共通しています。ベイヤーセンサーなら自由自在のISOもフォビオンではベースISOで撮るのが基本、KRで撮る時の不自由さと覚悟はここでも必要です。

SIGMA DP3 Merrill


その代わりに得られるのはベイヤーの絵とは明らかに違うフォビオンならではの世界。ただこればかりは言葉で伝えようとしても難しいことで、とにかく使ってみてくださいと言うしかありません。


SGMA DP3 Merrill

シグマは最上位機種のSD1 Merrill とおなじセンサーを、小さな筐体のコンデジに押し込んでしまうという、他のメーカーでは考えられないことをやってしまう会社です。その上ワイド系のレンズが普通のこのカテゴリーに、75ミリ相当のレンズをぶつけてくるというのは、滅多にあることではないでしょう。DP3 Merrill は本当にシグマならではのカメラだったと思います。


SIGMA DP3 Merrill

シグマがもう少し頑張って、内蔵ファインダーを用意できれば、今からデビューしてもおかしくないほど個性的で魅力的なカメラなんだがな~と思わずにはいられません。フォビオンの復活を願って。

追記
2003年6月現在、メリルシリーズのシグマにおける修理サーブスは完了していますので、もし中古をお考えの場合はその点もご承知ください。
とはいえ2009年からシグマ機を使っていますが、この間ほとんど修理を要するケースは記憶になく、落下とかぶつけたりしない限りは所有のメリルシリーズは使い続けることができると楽観しています。


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