Foveon の旅 (4)
SIGMA DP3 QUATTROは2015年3月発売のカメラですから、今はカタログ落ちのカメラです、それが当時の新品価格よりも中古でさえ高値が付いているのですから、マーケットでの潜在的需要を示しているのかも知れません。
最初にこのカメラを見た時の驚きはその筐体のデザインでした。
それから8年後の今もそのデザインは飽きるどころか、想像よりも遥かに使いやすいこともあって、このカメラには時間の色褪せというものがありません。依然その独創的なスタイルは二重マルです。
DP3 QUATTRO の75ミリf2.8のレンズは、前機種DP3 Merrill からそのまま引き継いだとされていますが、もしそうだとすればQUATTROになってからのフォビオンセンサーは、これまでよりも明らかに使いやすく進歩したと思います。DP3Qでフォビオンは間違いなく一皮剥けたのです。
フォビオンの色味については既に作例も豊富ですからここでは敢えて触れませんが、個人的にはフォビオンはモノクロームにコンバートしても十分魅力的です。
以前DP2 Quattroで撮ったものからネガを作り、暗室で紙焼きをしてその上がりに非常に驚いたことがあります。中判のネガにも匹敵するようなプリントが忘れられません。
その深みのある独特の黒は、シグマ調と言ってもいいと思いますが、桁違いの低コストでライカMモノクロームに肉薄できるデジカメのトップコンテンダーだと思っています。