【小説】黒く塗れ(6/13)
「あれ、どうしたのその傷?」
1週間の休暇を終えて出勤した日、朝一番で213099が僕のところに来て言った。1週間の無断欠勤の罰としてしばらくの間仕事を与えないと言う。その代わりに何もせずに椅子に座っているようにと。僕は無断ではなくて、規定に従って届けを出したと抗議したがとりあってはくれない。213099は僕の言う事を少しも聞かず、ただ座っていろと強く言い、最後に「いいか、わかったな」と念を押して行ってしまった。
僕は事務室に確認しに行ったけれども休暇届けは出ていな