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朝の風景

 6時にセットしたアラームが鳴る前に、私は目覚めます。長らく狂っていた体内時計が修理されたかのように、毎朝5:30に覚醒します。就寝時間が早くても遅くても、その時間は殆ど変わりません。

 家族を起こさないようにそっと寝室を抜け出して、ぼんやり身支度を整えます。自分の脈をみて体調に応じた漢方薬を飲み、よほどの悪天候でなければ外を歩きます。走りたいときには走ります。意識と思考と身体が一致してきた頃に帰宅して、プランターの植物に水をやり、水槽の水を換えて金魚に餌を与えます。ミニ薔薇が咲き乱れて綺麗ですね。2匹の土佐錦も元気一杯です。

 洗濯物を干してからコーヒーを淹れます。その日の気分で豆を選びます。今、冷凍庫にはイエメニアのシティ、エチオピアのミディアムはナチュラルとウォッシュドの双方、それからグアテマラのシティがあります。

 朝食を用意します。息子の弁当が必要なときには同時に作ります。朝、娘と妻は米派で息子と私はパンを好みますから、それぞれ食べられるように準備をしつ主菜副菜を用意します。卵料理や果物が簡単で良い感じ。

 6:30になったら家族を起こします。夏だからか、最近は6:30より早く子どもたちが起きて、3人でリビングに来ることが多いように感じます。それぞれ今朝の気分と食べたいものを訊ねて、なんとなく朝食を繰り出します。それぞれの脈をみて、不調があれば治療法を提案します。

 片付けやら子どもたちの身支度など混沌とした時間を経て、概ね7:30前後に家を出発したいと思っていても、なんだかんだ遅くなることが多いのは怪奇現象です。なぜなのか。

 渡邊家は家族皆働きですから、朝の時間は大切です。夫婦?いいえ、子どもたちも働いているという認識です。貨幣を得る「稼ぎ」は大人の役割ですが、子どもたちはそれぞれの場所で他者と交流し社会性を学び、これは彼らの「仕事」といえましょう。

 三歳の息子は幼稚園で「研究」をしているといい、日々新しい発見を嬉しそうに教えてくれます。決まりごとの少ない自由な環境は彼に合っているようで、なんやかんや場所を変えて良かったと感じます。登園すると女児に囲まれ、帰るときには女児たちに見送られ元気にバイバイし合っている息子には女誑しの素質を感じます。

 三歳の娘は保育園に元気いっぱいに登園します。年齢自認が三歳ちゃんちゃいから五歳ご!!にランクアップしたトランスエイジな娘は、どちらかというと保育者目線で働いているようです。
 皆の靴を憶えていて外に出るときに1人ずつ渡し、リトミックなどの活動の際は引っ込み思案な園児に教える側に回り、泣いている子がいたら近寄って背中をトントンしながら元気づけているそうです。


 私は定時までゆるゆると仕事をしてから、ぬるりと帰路につきます。今日何をしたかと問われると何もしていない気がしますが、冷静に考えると午前は外来診療をして昼にweb講演会を視聴して、病棟業務も済みましたから、意外と働いてるのかもしれません。

 さて、もうじき子どもたちを迎えに行く時間になります。家に着いたら夕飯を作りましょう。

 たしか冷凍のほっけがあったはず。
 うん。そうしよう。




 散文に最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました。願わくは、貴方の日常が平穏の中に花開きますように。




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