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Good Luck 《詩》
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「Good Luck」
ソファーで猫が眠っている
アメリカンショートヘア
バルコニーから夜の海
その上に琥珀色の月が輝いて
僕はワインの瓶を静かに開ける
そんな風景を信号待ちの
サイドミラーの中に描いて
素敵な夜を想像していた
信号は青に変わり
僕はアクセルを踏み込む
時事的で複雑な
定義に溢れた街を走り抜ける
思想性は何処にあるの
助手席の彼女はそう僕に聞く
多分そんなもの何処にも無いよ
この街には そう笑って答えた
彼女が手に持っていた
ファッション雑誌
表紙にGood Luckの文字
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/142185401/picture_pc_27984c86f1d24a96df1037210c1b05ce.png)
指先に挟んだメンソール
サンルーフを少し開けて
煙草を持つ手を
ルーフから突き出して僕を見る
風に煙草の煙と灰が舞う
あの映画のワンシーンみたいだな
月明かりを待つよ
いいだろう今夜ふたりで
そう言った僕に
Good Luck 彼女はそう言って
小さな微笑みを浮かべた
助手席で組み替える脚
細かなナイロンのデニール
悲哀な輝きを微かに放つ
琥珀色の月は
雲に隠れて見れそうにない
そんな夜もある
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