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龍の国 《詩》

「龍の国」

金で買えない物なんて
誰も欲しがらない

いつから俺は

そんな世界の中に居るんだろう

神経が少しずつ狂い始める


まだ死ぬには早過ぎる 

理由なんて無い

ただ漠然とそう思っただけだ


尻の軽い女と口数の多い女は苦手だ

買収される奴と買収されない奴

世の中には明日の来ない
今日だってあるんだぜ

教えてやろうか 

それがお前の口癖

新月の闇 

その中に

あるはずの無い月の姿を探した


見世物小屋では

娼婦の足元に平伏して
口付けをせがむ男達を見た 

吐き気がする


暗闇の中 小さな炎が揺れている

意識の中にある
月光が映し出した虎の目 龍の国


あの日 
涙と交換したものは今もこの胸に

時は歪み堕ちても風は止まない

探しているものは何処にある

本物は何処に居る

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