半月の夜 《詩》
「半月の夜」
風か吹き始めたのは そう
孤児の様に置き去りにされた
野良猫と出逢った時からだった
その夜
君に眼隠しをしてSEXをした
君の望み通りに
半月の夜は何故か無口になる
空は雲に覆われて雨が降り始めた
鮮明に見た夢が
不鮮明な現実に呑み込まれてゆく
いつか見た半月
雨はまだ降り続いている
窓を打つ雨音
青い海風が
忘れられた
深い森の木々を洗い淘汰する
ただ3月の
止まない雨だけが此処にある
僕は野良猫を強く抱きしめていた
Photo : Seiji Arita
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