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後遺症 《詩》

「後遺症」

僕の限定された思考が
人生を造り出し

見えない壁を構築していく


周囲の景色は 

ハッキリと認識出来るのに

僕の近くだけは

不鮮明でぼやけていて

細部まで見る事 

読み取る事が出来ない


束の間の妄想と安上がりな夢

破滅的な危機に直面した
創造力の後遺症


僕はまた本を開いた 

誰も幸せに出来ない僕が 

幸せになれるはずは無い

そう文字で記されていた


組織に司られた
仕組みと行動を暗記しろ


スリーピース スーツにワインのしみ

行き場所を持たない純粋だけが 

音も無く 此処にうずくまる


僕は月の裏側で絶望を迎え入れる

もう酒は一滴も残っていない


窓の外に
雨が降っているのが見えた

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