![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144067443/rectangle_large_type_2_531b558920b129a7fca671d16d963f7c.png?width=800)
非常階段 《詩》
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144067445/picture_pc_3d0f0180f888408abee47c888f314a33.png?width=800)
「非常階段」
神様がまだ赤ん坊だった頃
僕は誰かの泣き声を聞いていた
其れは
神様の泣き声なのかもしれない
僕自身の
泣き声だったのかもしれない
僕等は まだ出逢っていなかった
軌道を逸し全ての音階が
崩れて行くのを感じていた
一環される事の無い
不協和音に似た奇妙さが其処にある
古より普遍的にある
一種の源泉には
理論的な整合性は無く
抑圧的な風に
崩れ落ちる音だけが響き渡る
其の音は境界を超えた
妄想性の中に息づく
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144067527/picture_pc_a25868375af1f19b94c1265a3d0a87c4.png)
僕がずっと求めて与えられなかった
言葉が此処にあると信じていた
現世的な価値と
力を欲して追求する俗物
全ては契約的に結び付けられた事柄
自我を削り
他者に譲渡し生命を繋ぐ弱者
手にしたものに形は無く
曖昧な空虚でしかない
非常階段の扉は開いている
其処で僕等は出逢った
君の求めていた言葉は
僕の求めていたものと一緒だった
君はゆっくりと其の階段を昇る
僕の前で其の扉は閉ざされ
君の後ろ姿を見送る
君は一度だけ振り返って微笑んだ
僕は
さよならを言いかけて胸にしまった
君の意識の中に入り込み
愛してる 何度もそう叫んだ
非常階段は何処までも
高く空へと続いていた
僕等は決して離れる事はない
ふたりの約束が永遠に変わる時
僕等が此処に居る意味を知る
命の燃える音が聞こえた
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144067663/picture_pc_15e2acd7f36801528ed43c9e19c65b81.png?width=800)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?