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微風 《詩》

「微風」

手放せないものを抱きかかえたまま

戻れない時の記憶を
胸の奥に閉じ込めた

描いていたのは 未来 君の姿

輪郭を鮮明に指先でなどれば 

不明瞭だった僕の約束が

想い出の場所で泣いているのが見えた


いつしか
許せない事ばかりが増えてゆき

それでも これで良かったんだと 
昇る朝日に言い訳をする

弱音は歪な線を描き 

今日に溶けて消えてゆく

伸ばされた君の手すら掴めずに

痛みを殺し虚像を黒く塗り潰した

微風に揺れる小さな花に
言えないままの言葉を乗せて

残る余韻に僕等の足跡を見る

愛してると言ったのは
確かに僕の方だった


微風に溺れる 心が揺れている

僕はまたひとつ大切な約束を破いた

馬鹿みたいだろう 

今まで本当にありがとう

なんて言うなよ

さよならと言ったのは
確かに僕の方だった

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