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善導 《詩》

「善導」

其れは無意味で

硬直した幻想でしか無い

四方を囲む幻の壁 


其の中で僕は

単純で一面的な
発想の微笑みを浮かべる

疑心暗鬼を押し殺して

口に出すべき
事柄で無いものの中に真実はある


非論理的で無意味な心の通わぬ善導 

僕は今日も異論はありません 

そう笑って答える

世界の認識なんて知らない 

社会の秩序だってどうでもいい

お前達の事だって興味は無い

僕は自分の事だけで精一杯なんだ

そう心の中で叫び続けていた


細かな具体的な行動原則が
壁一面に書かれている

其の構文と単語の

丸暗記に何の意味がある

底の浅い言葉の羅列に
どんな善が宿るのか

宿命的アナーキスト アンチテーゼ

ある種の純粋概念が目覚める


そして僕は簡潔であり限り無く
暴力的な文体を持つ
小説を書き続けている 


其処にこそ善がある

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