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純白 《詩》

「純白」

細い糸を手繰り寄せる様に 

記憶の痕跡を辿る

この世界の基準から外れた

異形の物を

手に取り静かに口づけ

小説や戯曲の中に深く身を沈めた


奇妙な輝きを持つ月と
瞬きを忘れた星

僕を誘うある種の力が漲っていた

序曲に続く第一幕 

その先にある物語

何ひとつとして

生み出せない日々の中

僕は僕自身と対面し
肖像画を描き続けている


其処にあったはずの想いを

言葉に置き換えながら

匿名的な
顔を持たない人達の戯言を聞いた

切れ切れな夢の中 

流される事も無く


処女雪の様な純白を求めている

全ての事柄を あっさりと

無効化してしまう程の激しい純白を


純粋であればある程 

其の白は強く輝く

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