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静かで内向的な人は、外向的になる努力をすべきなのか

こんにちは、Seijiです。


今回はTed Talksから「The Power of Introverts(内向的な人が秘めている力)」というスーザン・ケインさんのスピーチの内容をシェアしていきます。


では始めていきましょう。


(日本語字幕あります。興味のある方は見てみてください)

外向的な人向けの社会

あなたは自分のことを内向的と思いますか?


それとも外向的と思いますか?


また、どちらかの性質を備えていることで、この社会の中で生きづらさもしくは生きやすさを感じたりしたことはあるでしょうか。


読書をしていても、コミュニケーション能力を大事なスキルのひとつとして説明しているビジネス書は多いし、特に日本ではグループの一員として適切なマナーで振舞うことが重視されているので、今の世の中では、外向的である方が望ましいとされる傾向が強いのではないかと思います。


「内向的な人は、外向的になる努力をすべき」


僕たちはこのようなメッセージを学校でも職場でも受けとります。


「そんなの間違ってる!内向的なことに悪いことなんてない!」


心の中のそういう思いを押し殺して生活している。


友達と落ち着いて食事したい気分の時でも賑やかなバーやパーティーによく出かけ、そういう自己否定的な選択をほとんど反射的にしていて、自分でそんな選択をしていると気づいてすらいない内向的な人が多いんです。


それはもちろん本人にとって損なこと。


でもそれは同時に同僚にとっても、コミュニティにとっても損失であり、大げさに聞こえるかもしれないですが、世界にとっても損失になります。


なぜならクリエイティビティやリーダーシップという面で内向的な人に実力を発揮してもらう必要があるからです。


全人口の3分の1から2分の1は内向的と言われています。


たくさんいるんです。


もしあなたが外向的な人でも、同僚や配偶者や子どもたちは内向的かもしれません。


その人たちはみんな社会に深く根ざした現実の偏向によって不利を被っています。


ではこの現実の偏向とはなんなのでしょうか。


これを理解するには、まず内向的なのがどういうことかを理解する必要があります。


内向的と内気は違います。


内気というのは、社会的に判断されることへの恐れです。


内向的であるというのは、社会的なものも含め刺激に対して、どう反応するかということです。


外向的な人は多くの刺激を強く求めますが、内向的な人はもっと静かで目立たない環境にいる方がやる気になり生き生きとして能力を発揮できます。


もちろん、いつもそうとは限りません。


でも多くの場合はそうです。


だからみんなが持てる才能を最大限発揮できるようにする鍵は、その人に合った刺激の中に身を置くということ。


しかしここで偏向の問題が出てきます。


もっとも重要な組織である学校や職場が外交的な人向けに作られており、外向的な人に合った刺激に満ちているんです。


さらに今の世の中に行き渡っているある種の固定概念のようなものがあって、創造性や生産性はもっぱら何か社交的な場から生まれるものだと考えられています。


最近の学校などは、4〜7人のグループになって共同作業を次から次へとこなしていく場面が多く見受けられます。


それは思考を単独飛行させて挑むべき、数学や作文でさえも同じで、いつでも、まるで委員会のように振舞うことを期待されます。


教師のほとんどは理想的な生徒は内向的ではなく、外向的なものだと思っているでしょう。


多くの調査で「内向的な方が実際は成績がよく、知識が多い」という結果が出ているのにも関わらずです。


同じことが職場についても言えます。


多くの人が壁のない開放的なオフィスで仕事します。


絶えず雑音や他人の視線にさらされています。


そして内向的な人はリスクを避けるという長所があるのにリーダーシップが必要な役職からは除外されがちです。


最も近頃では大きなリスクをとることの方が好まれる傾向が強いですが。


でもある研究によると、内向的なリーダーの方が外向的なリーダーよりいい結果を生むことが多いそうです。


それは内向的なリーダーは、積極的なメンバーがアイデアを出して活躍できるようにさせる一方、外交的なリーダーは気づかぬうちになんでも自分で仕切ることに夢中になって他の人のアイデアがなかなか活かされないようにしてしまう傾向があるからです。


ここで勘違いして欲しくないのが、外向的であるのは素晴らしいことであるということです。


私たちは極端な内向型から極端な外向型までの間のどこかに当てはまります。


純粋に内向的、純粋に外向的な人というのはいなくて誰しもが、両方の側面を持っています。


中には内向的、外向的のちょうど中間にいる人もいて、そういった人たちは両向型と呼ばれています。


彼らは両方のいい面を持ち合わせていることが多いです。


ここでのポイントは「社会として両者をもっとうまくバランスさせる必要がある」ということです。


内向的な人も外向的な人も、陰と陽のように両方必要なのです。


これは特に創造性や生産性といった面で重要になります。


極めて創造的な人々の人生を心理学者が研究したところ、彼らはアイデアを交換し、発展させることに優れている一方(外向的)で、非常に強い内向的な面を持つことがわかりました。


ひとりの時間が得てして創造性の重要な要素になっているんです。


もちろん共同作業などを一切やめろというわけではありません。


でも人間には、グループの中にいると他の人の意見を無意識に真似るようになってしまだけではなく、その場の支配的ないしはカリスマ的な人の意見に従いやすくなる傾向があります。


優れた話し手であることとアイデアが優れていることの間に相関関係なんて全くないのに、です。


みんなひとりになって集団の力学による歪みを受けずに自分独自のアイデアを考え出して、それから集まって程よく調整された環境で話し合う方がずっと良いんです。


外向的な人向けの社会になっていった背景

ではもしこれらが本当なら、なぜ私たちの社会は外向的な人向けな仕組みになってしまったのでしょうか?


内向的な人々が、ひとりになりたいと思うことになぜそんなに罪悪感を持たなければならない世の中になってしまったのでしょうか?


一つの答えは文化の歴史的変遷のなかにあります。


西洋社会、特にアメリカでは、常に「考える人」よりも「行動する人」が好まれてきました。


(スピーカーのケインさんは西洋社会と言っていますが、個人的には日本社会でも当てはまると思います)


でも、アメリカでもその初期においては、人の内面や倫理的な清廉さが重んじられていた「品性の文化」があったんです。


当時の自己啓発書などのロールモデルとなっていたのは、リンカーンのように謙虚で高ぶらない人などです。


しかし20世紀になると、「品性の文化」から「個性の文化」へと突入しました。


農業経済から大企業中心の世界へと発展し、人々は急速に小さな町から都市へ移り住むようになり、子供の頃からよく知っている人たちと一緒に働く暮らしを捨てて、知らない人の集団の中で自分の能力を示さなければならなくなったからです。


必然的に魅力やカリスマ性のような資質が重要になったんです。


自己啓発書も新しいニーズに合わせて変わり、ロールモデルとなっているのは多くの場合、優れたセールスマンです。


それが今私たちが住んでいる世界。


社会的スキルが重要でないということではありません。


むしろ必要不可欠なことの方が多いです。


チームワークを捨てろといっているわけでもありません。


チームで成し遂げる成果はえてして個人があげる成果よりもはるかに大きいものです。


何がポイントかというと、直面している問題がどんどん複雑化していく現代社会で、それらを解決するには大勢の人が手を携え協力する必要があるということです。


内向的な人がもっと自分にあったやり方でできるようにすれば、彼らがそういう問題に独自の解決法を考え出してくれる可能性が高くなります。


内向的な人も外向的な人も活躍できる社会

では、このような社会を実現させるために私たちができることはなんでしょうか?


2つありあます。

1. 絶えずグループ作業するなんて狂ったことはやめる
勘違いしてはいけないのが、職場での打ち解けたカフェのようなおしゃべりによる交流は促されるべきということです。

人々とあって思いがけないアイデアの交換をするようなやりとりです。

これは内向的な人にも外向的な人にも素晴らしいもの。

でも職場にはもっとプライバシーが必要です。

もっと自由が、もっと自律性が必要です。

学校も同じで、共同作業をする方法はもちろん教えるべきですが、ひとりで作業する方法も教える必要があります。

これは外交的な子どもにとってもとても重要です。

ひとりで作業する必要があるのは、それが深い思考の生まれる場所だからです。

2. 荒野へ行く
自分の啓示を見つけるために旅に出ましょう。

これは今すぐに出かけて、森の中に小屋を作りもう互いに話すのをやめましょうというわけではありません。

気を散らすものから離れて、自分の思索に耽る時間をもう少し増やしましょうということです。


ぜひ参考にしてくださいね。


個人的に「クリエイティブなアイデアは何か社交的な場から生まれるものだ」という考えは確かに世に広く受け入れられてるよなぁと思いました。


最近は、数人で一見関係なさそうなことでもいいからとにかくアイデアを出していくブレインストーミングが創造的で革新的なアイデアの発想の手助けになるなんて言われたりもしますもんね。


「自分の思索にふけるひとりの時間」もクリエイティブな発想をするには大事なプロセスだというのは知れてとても嬉しかったです。


今後に役立てていきたいなと思います。


今日はここまで。


英語学習者のみなさんへ

本記事で内容を理解したあとに、実際のスピーチを英語字幕つきで見ることで、英語のリスニング練習にもなります。


(内容理解のためだけに数十分のスピーチをまるまる視聴するより、先に日本語で説明されてる記事を数分で読んで内容理解した方が効率いいです)


英語字幕を音読すればスピーキング練習にもなります


スピーチの速度も変えられるのでとても便利ですよ。


英語を学びたいと考えている方はぜひ僕の記事を存分に利用しちゃってください。


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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Seiji

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