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子育ては犠牲になること?

2年前の結婚式は、夫家族がクリスチャンという家族ということもあり、キリスト教の教会で行った。(教会が綺麗だということが一番の理由だったが。)

他の結婚式場には中々ない「売り」があり、珍しく教会専属の牧師がいるとのことだった。
式準備の段階で、牧師とのカウンセリングがあった。
2人の意思や考えを聞き、オリジナルな誓いの言葉を作ってくれる。

その牧師、私たち夫婦3人の作業中にとても違和感を覚えたことがある。

(実際の会話は英語だったが、ここでは日本語に翻訳する)

それは牧師が一つの質問を私たちにした時だった。

「お二人は愛とは何だとおもいますか?」

夫は、

「一緒にいて楽しいと感じたり、一緒にいたいという気持ちですかね。」

と答えた。

「いいですね。では新婦さんは?」

と私の番がやってきたので、

「犠牲になることを喜びとすることですかね。」

そう言うと、

「うーん。犠牲は愛というのは、西洋の文化ではありません。それはとても日本的な考えですし、私もそれがいいとは思いません。」

と却下された。

え...

新郎新婦の気持ちを尊重してくれるのはではなかったのか..?

なんのためのカウンセリングだ。

と思ったけれど、時間がないのもあって私はそのことについては、もう触れるのをやめてしまった。

後でもやもやしたので、きちんと意見を述べれば良かったと少し後悔した。
しかし、あまり聞いてくれそうもない牧師だったので、式準備で疲労した心身を更に自分で参らせる事を回避したのは正解だったと思う。

犠牲という言葉が良くなかったのかもしれないが、「犠牲が美徳」という概念は欧米にもある。

かの有名な映画、"アルマゲドン"では隕石を破壊する役を、無理やり娘婿から奪い、自ら犠牲になった父親がいたではないか。

あのシーンできっと全米が泣いただろう。

そもそもキリストが説いたことも、他人中心(自己犠牲)だったのではないか?

この牧師の話はさておき、最近SNSなどでも、お母さんも好きなことをして自分の人生を生きよう!

テレビ、スマホ育児の何が悪いんだ!

と、母親に優しくて甘い言葉がよく目につく。

その中で、
 「子育てをする中で自己犠牲的にならなくても良い」

という記事を見つけた。

子育てには犠牲がつきものだけど、それを喜んでする、とまで言わなくても、受け入れるのが親の役目ではないだろうか?

私の意見は時代錯誤かもしれないし、もし真面目に子育てを行いすぎて、自ら命を落としたり、うつ病になるまで自分を追い詰めろとは決して言わない。

お母さんたちの抱えてる幼少期の問題が解決していなかったり、シングルマザーで誰も助けがいないという状況でスマホを絶対見せるな!とも言わない。

しかし、幼少期は非常に大切な時期なので、その時期だけでも子ども最優先にはなれないだろうか?


私がここで述べたいことは、心持ちの問題だ。

要は子どもとどう向き合うか。

出産前、あるいは妊娠前まで遡って欲しい。

赤ちゃんが生まれることを心から楽しみに胸を踊らせていたことを。

妊娠を望んでいた人は、赤ちゃんさえいれば私の人生は幸せになる!と思ってた人も少なくないだろうし、近くにそういう知り合いもいる。

私の知り合いは、幸運な事に不妊治療を乗り越え、子どもを授かったが、お腹の中にもう一度戻ってほしいと嘆くくらい毎日か苦痛みたいだ。

一児の子育てをしてる身としても(1人育てたくらいで偉そうにいうなという声が聞こえてきそうだが)毎日子どもに付きっきりの生活はどれだけ疲労するか理解しているつもりだ。
自分のお昼ご飯なんて、納豆とご飯をぐちゃぐちゃに混ぜた見た目はエサみたいなものしか用意できないくらい。

しかし、私は河合隼雄さんの思想に毎日支えられている。
むしろ河合隼雄さん含め、子育てにおいての学びがなければ、許容量の小さい私はとっくにおかしくなっているだろうと思う。


学者の方ではないが、昔新聞に掲載されていたある農家の方の言葉にも私の子育てにおいてのメンタルとモチベーションは保たれている。

引きこもりの方など、今若い人たちは苦しんでいる。親にこんなにしてもらって、と罪悪感を持つ方が多いのではないか。しかし、稲が水や養分を吸って育つように、子どもも親から全部吸い取っても良い。それが親の喜びだ。

これを読んだのが私が大学生の時。

親に高い学費を払ってもらっているのにちゃんと学校へ行けなかった罪悪感でがんじがらめになっていた心が軽くなった。(罪悪感が決して悪いものだとは思わない。むしろ必要なものだと思う。)

極端な例かもしれないが、この記事にはとても感銘を受けた。
これが森羅万象の基本的な原理で、子育てにも当てはまると感じた。

それが自分の子どもにも惜しみなく愛や私の全てを吸い取ってもらおう。と思える理由の一つだ。

最後に断っておきたいのが、決してこの記事によって日々奮闘されているママたちを、批判したいわけではない事。

不器用ランキング1位で、情緒不安定な私でも、学ぶ事によって日々の精神衛生や、子育ての困難を乗り越えられる底力が、随分支えられているという話だ。

以下はおすすめの書


https://item.rakuten.co.jp/book/Q&Aこころの子育て 誕生から思春期までの48章 (朝日文庫) [ 河合隼雄 ]
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