進行形ＪＲ乗りつぶし日記（少しのオマージュ）#2～北海道５日旅：０日目【大阪→千歳】

　さてそんなこんなでＪＲ全線乗車をささやかに決意した経過の後は、当然完乗率81.520％からの行程を記すべきだが、その前に昨年の北海道５日旅のことを綴っていこうと思う。この旅の記録がないとどうも気分的に繋がらないからである。ということで少々時間が戻ることをお許し願いたい。

　北海道には職場旅行や家族旅行でまずまずの回数来てはいるのだが、飛行機で新千歳に入ってレンタカーというのが定番で、鉄道を使ったのは寝台列車で札幌までと流氷ノロッコ号＋α程度であった。実は十数年前にまとまった休暇を取れる機会があったので北海道一周を企図したにもかかわらず、２カ月前に発生した東日本大震災によりやむなく断念した経緯があり、今回はそれ以来の念願が叶う旅である。
　切符はわざわざＪＲの大人の休日倶楽部クレカを作って手に入れた「大人の休日パス北海道スペシャル」というやつで、道内全線の普通列車と特急自由席が乗り放題、指定席は６回までＯＫで17,400円という中々な価格破壊商品である。そして肝心の行程は半年前からああでもないこうでもないと無限にひねくり回した結果、札幌→稚内→旭川→網走→釧路→根室→釧路→旭川→留萌→札幌、という道北・道東乗りつぶし計画としたが、旭川と富良野を無駄に行ったり来たりしてるし、どうにもこうにも函館本線の岩見沢～苫小牧が入れられなかったりで、お世辞にも素晴らしい出来とは言えない。やはり北の大地の広大さは計り知れないと再認識しつつ、どうせダイヤ乱れて予定は変わるんだからこの程度で良かろうと、得意の自己説得で私は旅に挑むこととした。

　２０２２年９月５日（月）２０時過ぎに神戸空港発のスカイマークで新千歳空港に降り立ち、長い連絡通路を通って新千歳空港駅に辿り着いた。この駅も以前に来たような気になっていたのだが、ウェルカムボード等で賑やかな改札前の風景を見ると、実は未訪問であったことに気付き、今更ながら自分の記憶の曖昧さに卒倒しそうになった。何とか気を取り直してみどりの券売機で乗車券と指定席特急券を発券し、ひととおり写真を撮ったあと、２０時３２分発の快速エアポートで千歳駅に向かった。

　所要７分で着いた千歳駅は新千歳空港の喧騒が嘘のように静かであった。夜９時前という時間のせいか、あるいは駅の反対側が中心地だからなのか、そのあたりの理由は分からないが、とにかく私の向かった駅西方面はビジネスホテルとコンビニだけが目立っている。昼の印象はまた違うのだろうが、全ての活気が空港に吸い取られたような佇まいで、楽しみにしていた旨いラーメン屋での景気づけも近隣の店は悉く閉まっていてなすすべもなく、記念すべき北海道鉄旅初日のディナーは結局コンビニ食材であった。