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進行形JR乗りつぶし日記(少しのオマージュ)#24~関東圏集中旅(3)【高尾→木更津(都会電車旅)】

 そのむかし高尾駅は酔っぱらいの乗り越しが日本一多いなどと言われていたらしいが、それは所謂国電区間の終点であったことに理由があるのだろう。そもそもそんな統計があるかどうかも分からないので今も日本一なのか判別する術はないが、運転系統としては今も高尾は大きな区切りであり、新宿や立川から甲府方面への直通列車も若干はあるが、大半の列車は高尾止めとなっている。運賃計算上も電車特定区間の終点となっていて、要は「都会の電車」の西の終着駅ということだろう。そして小田原からの大回りの末に西から高尾に入ってきた私にはここが「都会の電車旅」の出発点となる。

 2023年3月7日(火)15時31分発の中央本線快速でまずは立川へ向かう。いきなり10両編成になるのもいかにも都会っぽい。
 さてこの日記は一応はエッセイぽい形式をとっているのだが、ここからしばらくは乗った降りたが続くだけの文章を連ねても退屈なので、備忘録代わりの乗車記録を記すこととする。

 □ 高尾 15:31→(中央本線・快速)→15:48立川
 □ 立川 15:54→(青梅線・快速) →16:26青梅
 □ 青梅 16:39→(青梅線・各停) →17:14奥多摩
 □ 奥多摩17:26→(青梅線・各停) →18:01青梅
 □ 青梅 18:02→(青梅線・各停) →18:31立川
 □ 立川 18:35→(中央本線・快速)→19:02吉祥寺
 □ 吉祥寺19:07→(中央本線・快速)→19:40八王子

 「東京アドベンチャーライン」という愛称が冠されている青梅線は昭和の街のイメージで統一された青梅駅や東京都内JR駅で最も乗降客数の少ない白丸駅など見どころも多いが、戻りの拝島・立川あたりになると通勤客で車内はひどく混雑し、アドベンチャーのかけらもなかった。
 あと最後に吉祥寺まで往復しているのは、中央本線で明確に乗車記録が残っているのは新宿から吉祥寺までなので、マイルールにしたがって改めて吉祥寺以西を乗りつぶさなければならなかったからである。実際車窓からの景色にも既視感があり、やはり前に乗っていたのかしらんと思ったが、このルールを曲げると旅の根底が崩れてしまうので致し方ない。
 
 満員電車で吉祥寺までの立ち乗り往復という修業を終えて、夜8時過ぎに八王子のビジネスホテルに投宿、昼に小淵沢駅で仕入れた天むす弁当で夕食を取り、長い一日は終わった。

 翌日3月8日(水)朝5時前、まだ真っ暗な時間にホテルを出て再び八王子駅に向かう。今日は埼玉・東京・千葉をグルグルと回るまたしても長い長い一日である。昨日後半同様に乗車記録を書き出してみる。

 □ 八王子   5:16→(八高線・各停)    → 5:29拝島
 □ 拝島    5:48→(五日市線・各停)   → 6:05武蔵五日市
 □ 武蔵五日市 6:22→(五日市線・各停)   → 6:45拝島
 □ 拝島    6:55→(八高線川越線・各停) → 7:52川越
 □ 川越    8:37→(川越線・各停)    → 8:59高麗川
 □ 高麗川   9:20→(八高線・各停)    →10:55倉賀野
 □ 倉賀野  11:19→(高崎線・特別快速)  →12:41赤羽
 □ 赤羽   12:48→(京浜東北線・快速)  →12:59田端
 □ 田端   13:04→(山手線・各停)    →13:13池袋
 □ 池袋   13:40→(埼京線・快速)    →13:58武蔵浦和
 □ 武蔵浦和 14:13→(武蔵野線・各停)   →14:43府中本町
 □ 府中本町 14:50→(武蔵野線京葉線・各停)→16:15南船橋
 □ 南船橋  16:16→(京葉線・各停)    →16:30舞浜
 □ 舞浜   16:42→(京葉線・各停)    →16:55西船橋
 □ 西船橋  17:05→(京葉線・各停)    →17:17海浜幕張
 □ 海浜幕張 17:19→(京葉線・快速)    →17:31蘇我
 □ 蘇我   17:37→(京葉線・快速)    →18:08木更津

 昨日は夕刻からの阿呆旅だったが、今日は丸一日の強化阿呆旅に進化していて、地図を見ないと自分でも最早よく分からない始末である。さほど特徴のない平凡な早朝の五日市線から始まって、かき揚げが旨かった駅そばポイントの川越まで往復する。次に乗った東京近辺屈指のローカル区間の高麗川~倉賀野間だけは若干の旅情が感じられ、高崎線と合流する倉賀野駅のだだっ広い構内で何もしない待ち時間を堪能するあたりまではまずまず楽しかったのではあるが、ここから都内に下っていくとひたすら作業モードになる。

 しかも赤羽・田端・池袋あたりの右往左往で全部乗りつぶしたと思ったら、不覚にも埼京線を残してしまったことに後で気付くし、東京をぐるりと周回する武蔵野線ではほぼ寝てしまうし、夕刻の船橋付近のデルタ区間行ったり来たりでは某夢の国を楽しむ方々多数に混じって違和感満載、そして、最後の京葉線は満員電車の連打で心身ともに疲れ果ててしまった。

 その疲労困憊な体を休めようと倒れ込んだおいた木更津のホテルは、コスパ重視で予約したのが裏目に出たらしく何とも形容のし難い昭和クオリティな空間で、私はコンビニで買った安物パスタを食しながら、早く夜が空けますようにと密かに願った。

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