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“ほめ育てプログラム”に挑戦してみた  ―まずは「いいところ探し」から!―

 元保育系大学専任講師で、今は保育園・学童保育で毎日数十人の子どもたちと一緒に過ごしている大滝世津子です。現在2人の小学生の子育て真っ最中!

 この記事では『子育てが楽しくなる魔法を教えます−はじめてみようほめ育てプログラム』という本に書いてあることを実際にやってみた結果をお伝えします。

 この本には子ども(小さな子から大きな子まで)だけでなく、大人の人間関係を円滑にするためのヒントもたくさん詰まっています。ぜひ毎日の子育てや人間関係にお役立て下さいね。 

『子育てが楽しくなる魔法教えます−はじめてみようほめ育てプログラム』ってどんな本?

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(上野良樹,2015,『子育てが楽しくなる魔法教えます−はじめてみようほめ育てプログラム』(ぶどう社)) 

 この本は東京大学名誉教授の上野千鶴子先生の弟さんである小児科医の上野良樹先生がお書きになったもの。ペアレント・トレーニングの考え方をベースにしたもので障害のあるお子さんにもそうでないお子さんにも役に立つ内容となっています。
 この本には「ほめほめ名人になるための魔法のステップ」として①いいところさがし、②行動を3つに分ける、③ 声かけが大切とされています。

今回取り上げる章はどんな章?

 今回取り上げるのは第1章「ほめほめ名人になろう」のステップ1「まずはわが子の『いいところ』さがし」という部分です。

やってみて変わったこと

 今回やってみて一番変わったのは、「見落としていたわが子のいいところが見えるようになった」こと。実はわが家には思春期に入りたての子どもがいるのですが、 このプログラムに取り組むまではどう対応したらいいのかと迷ってしまい、正直関係性があまり良くない状態でした。
 でもこのプログラムをやり始めてから私の子どもに対する見方が変わったためか、子どもとの関係がみるみる良くなっていきました。 現在はお互いに笑顔で過ごすことができています。
 今回取り上げる部分では子どもの「いいところ」に注目することで当たり前すぎて見えていなかった「いいところ」に気づくことができました。 そうすると自分の子育てにも自信が持てるようになってきます。なぜこんな素敵な変化が起きたのか見ていきたいと思います。

変わった理由は?

 こんな変化があったのは、2つのポイントを意識したから。

①「いいところ」も「悪いところ」も「均等」に見るようにした。

 子育ての中ではついつい子どもの悪いところにばかり目がいってしまいませんか?でも「悪いところ」ばかりではなく「いいところ」にも声をかけなければ不公平というもの。 意識して「いいところ」を見るようにしてみると、思った以上に「いいところ」はたくさんあることに気づきました。

②「いいところがある」と信じるようにした。

 どの子にも必ず「いいところ」がある。 そのことを心から信じて子どもを見ると自然と「いいところ」が見えてきます。同じことでも良い面に目が向くようになると子どもと過ごすのも楽しくなってきます。

 この2つのポイントを意識することで子どもに対する見方がとてもあたたかくなっていくのを感じました。

実際にやってみました

 この2つのポイントを意識することで見えてきたわが子の「いいところ」をリストにしてみました。

・朝自分で起きられる
・「おはよう」と言える
・自分で歯を磨ける
・好き嫌いなくご飯を食べられる
・1人で乗り物に乗れる
・妹と手を繋いで歩ける
・誰にでもフレンドリーに話しかけることができる
・声がよく通り、お店で店員さんに物怖じせずにオーダーできる
・我慢ができるようになってきた
・感受性・創造性が豊か
・ユニークな感性・世界観を持っている
・素直・まっすぐ・真面目
・お稽古に集中して真剣に取り組むことができる
・生きることについて真剣に考えている
・自分を持っている
・自分で考えて動くことができる
・絵を描く、物を作るなど0から1を産み出すことが得意
・ 将来の夢のために努力している
・家族を大切にしている
・生き物が好きで大切にしている
・仏像が好き

 いかがでしたか?「えっ?こんなことでいいの?」と思ったあなた。こんなことでいいんです。こんな当たり前のことだけど、「じゃあこれができなかったら?」と考えるとどうでしょう。困るものもたくさんありますよね。  生まれた直後の何もできなかった頃のことを考えればものすごい成長だと思いませんか?できるようになったことって案外たくさんあるんです。それをできないことと同じように均等に見ることでその子のがんばりを素直に喜び合うことができますね。

まとめ

 いかがでしたでしょうか。 こんな風に「当たり前」にやっていることは実は「いいところ」かもしれません。あなたもぜひわが子の「いいところ」を書き出してみましょう。まずは30個書いてみて!10個を過ぎたあたりから見落としていた「いいところ」がどんどん出てきますよ。
 次回は第1章のステップ2「わが子の行動を3つに分ける」に挑戦した結果をお届けします。お楽しみに♪


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子育てにまつわるあれこれを綴っていきます。専門知識に基づいたことから日々の中で感じたことまで。保育系大学専任講師を経て、現在は、学童保育施設代表、子育て支援施設主宰、教育研究所所長、保育園理事。博士(教育学)。小学生の一男一女の子育て中。