オーストラリアという夢の国に逃亡した後で
私は大学生の時に、オーストラリアに留学した。
そう言うと、「すごいですね」とか「勇気ありますね」とか、いろいろ言われるのだけれど、今となって思えば、その留学は、私にとっての「逃亡」だった。
私は、留学することが決まるまで、誰にも相談しなかった。
試験に受からなければ行けないので、勉強をして、書類や試験のスコアを提出して、面接をして、様々な関門を突破して、留学することが決まってから、初めて周りに報告した。
親にも了承してもらうため、「ハンコを押して下さい」とだけ言いに行った