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『15の手紙』以降の僕 #日記

2024/11/13

今日は珍しく、昼過ぎまで一度も目を覚まさず寝入ってしまった。最近は、何時に寝ても朝6時には一度目を覚ますことが多かったのだが、どうやら風邪による疲れは尾を引いているらしい。

午前中から試験勉強をするつもりで昨日就寝したのもあって、起きたら既に半日が終了しているという小さな絶望をグッと飲み込んで、ベッドから起き上がる。ここ最近は昼間でも身震いするほど寒くなってきた。

バナナとプロテインドリンクとコーヒーを用意して、なんとなく勉強机に腰を下ろす。今日淹れたコーヒーはなんだか変な雑味があっておいしくない。

金曜にひとつ、来週の月曜に2つ大学の試験がある。いづれも範囲はかなり広くて、普段授業だけは真面目に受けているのだが、それだけでは到底太刀打ちできなさそうだ。それに加えて、英語の課題が2つと実験レポートがある。ここ最近休日に予定が埋まっていたので、何のかも後回しになってしまっていたから、そのしわ寄せが来ている感じだ。

とりあえず昨日終わらせきれなかった手書きレポートに取り掛かる。幸いあまりオリジナリティーは求められないものだったので、ひたすら手を動かしているうちに38枚目のレポート書ききった。達成感と共に息を潜めていたらしい空腹感がこちらを覗いてくる。

両親が先週末持ってきてくれたインスタント飯と缶詰を取り繕って、簡単に飯の支度を済ます。食後のコーヒーをまた淹れて、星野源のエッセイ本をパラパラと読み進める。やはりこの人のエッセイは読みやすい。生活の中に常に発見と感動を見出して、それを文章化できる彼の文筆力に今日も感服である。

いくつか読んで、机に積み重なった教科書たちに目をやる。明後日以降の試験範囲と教科書を照らし合わせて、なんとなく頭の中で段取りを立てることにした。段取りを立てているうちに、今置かれている状況がまあまあマズイことにうっすら気づく。ちょっと休憩・・・とベッドに横になってしまった。



起きたら22時。やってしまった。

このサイクルを試験期間に毎回行っている気がする。つくづく学ばない人間だとまた自己嫌悪・・・とりあえず起き上がらなければ、、、。

このまま勉強机に向かう気には到底なれそうになかったので、とりあえずジムに行くことにした。ジムで汗を流している間は、どこかポジティブな気持ちになれる。問題は何も解決していないのだが。

ジムで汗を流し、シャワーを浴びて駐車場に停めてあるバイクに向かう。

腹が減った。家に帰っても冷蔵庫には薬味くらいしか入っていない。そんなときは深夜ひとりですき屋に行く。今日もそうすることにした。マグロたたき丼ならタンパク質も豊富で脂質も抑えられるから、筋トレ中でも罪悪感なく食べれる。

すき屋に着いて椅子に座った途端、店内bgmでアンジェラアキの『手紙~拝啓十五の君へ~』が流れ出した。

小学校高学年のとき、15歳の自分に向けて手紙を書くという授業があった。15歳といえば、高校一年生。小学生の僕からしてみれば、それはずっと未来の話で、無限ともいえる未来への期待を抱いていたように思う。15歳の自分はきっと、大人で賢くて素敵な人間に違いない・・・と思っていた気がする。

しかし、人生は15歳以降も続く。いつのまにか15歳は遠い過去になり、21歳になった僕は今、深夜にひとり牛丼屋で飯を食っている。

当時の僕が、今の僕の姿を見たら泣くだろうか。まあ、間違いなく当時の理想像からはかけ離れているかもしれない。遠い未来だと思っていたことは一瞬で過ぎ去って、待っているのはそのあとに続く現実的な世界。心は微塵も大人になった感覚はなく、覚えたのは適度な諦めと、まわりに過度な期待をしないという自己防衛だけなように思う。

大人になるということは、諦められるようになるということだと悟った大学受験期。

でも最近は、悟ったような気持ちで生きるのは人生から彩りを奪ってしまうような気がしている。年相応に無知に生きるほうが、人生を楽しめるのかもしれない。

なんて考えながら、運ばれてきた飯に食らいつき、ごちそう様でしたと手を合わせる。店を出るときに、店内bgmでBUMP OF CHICKENの『スノースマイル』が流れていた。


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