見出し画像

「デザイン思考」「アート思考」をなんとなく使っていませんか?【徒然読書31】

デザイン思考やアート思考が広がっていますが、いきなり導入して上手くいくかというとそうではなくまず個人個人の土台作りが必要だと思います。

最近MFAもよく聞くようになり、実際に芸術(アート)の最前線にいる方々はどう考えているのかなと気になったのでこの本を取りました。

まず率直な感想としては、もっと深くしてほしい!表面的にとどまっている!ただの藝大卒業生の体験談になってる!と珍しく不満もありました。

全力でおすすめできるかというと出来ないのが実情です。
こうした本を紹介すべきかどうか迷ったのですが、数冊はあってもいいかもしれないと思いました。

合わないものを突き詰めていくと、自分の本質も見えてくる可能性もあります。

それでも参考になるところはあったので、ピックアップしていきます。

1.アートを学ぶことは「自分ゴト化」を突き詰めていくこと

とことん考え抜いて形にする。常に手を動かして思考を具現化し、「実行する力」を育む『やり切る意思の強さ』

これが藝大卒業生とそれ以外の大きな違いだそうです。

もちろん、藝大以外の大学でも『やり切る意思の強さ』はあると思いますが、場数と向き合う時間の長さが違うように思いました。

「直観的にデザインをするな。論理的に説明できるまでデザインを突き詰めろ」

このセリフにグサッときました。

ただアイデアを出すのではなくて、実際に論理的根拠・ロジックがあるのか?ストーリーの整合性はあるのか?の数値化思考も必要だと言うことが最近身を以て感じていたからです。

デザイン思考やアート思考は柔軟性をもつためにやる感覚が強いかもしれませんが、ロジックとは切り離せないのです。

「見たいものを見て決めつけている課題認識」を一度壊す

人間誰しも、フィルターバブルに囲まれています。

好きなモノしか見ないバイアスがかかっています。

それを打破するためには、徹底した観察が必要です。

ただ受け入れるだけではなくて、常識を切り離して対象をひたすら観察するのです。

2.人生100年時代でアートがもつ力

藝大卒業生には、非連続キャリアを築いている方も多く、キャリアが多様です。

それは、今の大学全体にも言えることではないでしょうか?

私自身文学部卒業でSEの職についていますし、同期でも文学部からSEはそこまで珍しいものではありません。

大学在学中に副業で、収入をあげている方もいましたし、専門とかけ離れていたことをやっていた方も知っています。

もう枠にとらわれる時代ではありません。

そこで、非連続キャリアの原動力となるコアな力として、以下の3つをあげています。

①実践し、やり切る力
②さまざまな視点から物事を観る力
③絶妙なバランスで論理と感性を融合させる力

マニュアルに書いてあることをそのままやるのではなくて、「自分が信じていることをやる」力が求められます。

それは、努力と葛藤のせめぎ合いの結果です。

そのためには、思考を単調化せず、常に「どう感じるのか?」を意識して、「論理」と「感性」のレイヤーを重ね合わせるという思考の重層化が大事です。

そこで、アートがもつ理力(フォース)として3つあげられています。

①言語と非言語・具象と抽象を網羅する理力
②好奇心を持ち、問う理力
③熱狂的に没頭できる理力

①はすぐには難しいけれど、②と③はできそうですね。

何かに熱狂することが実感できていなくても、無意識に休みの日にやっていること、特に努力しなくても出来ることを突き詰めていくのが近道だと思います。


ここまで読んでくださりありがとうございました!

ロジックばかりだと頭が固まるので、アートにも触れるようにしていますが、両方が上手く重なるように出来たら、新しい価値観を得られるのかなと思います。

まだまだ道のりは遠いですが、日進月歩でも日々意識していきたいです。