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2023年度PTA連合大会で研究発表を行いました

東北大学 サイエンス・アンバサダー(SA)のまいかです!
昨年8月24日、東北大学片平キャンパスにて第72回全国高等学校PTA連合会大会2023宮城大会が行われました。
当日は東北大学史料館で大学の歴史を学ぶツアーが開催されたとともに、SAによる保護者や教員の方々へ向けた研究発表が行われました。SAは自身の体験に基づいて、研究内容や進路選択について話し、高校生やその保護者・教員の方々へメッセージを伝えました。

自身の進路選択について発表するSA

今回の記事では、当日発表した以下4名のSAにインタビューを行いました!
①生命科学研究科・Rさん
②教育学研究科・Zさん
③農学研究科・Mさん
④医学系研究科・まいか(記事執筆者)

PTA連合会での発表内容のほんの一部ですが、インタビューへの回答として紹介させていただきます。

Q.みなさんはどんな研究をしていますか?

ー 太陽光に含まれるUV-Bと呼ばれる紫外線は、生物のDNAに傷をつけてしまい、様々な病気を引き起こす原因になります。しかし、屋外に生息する植物は常に紫外線にさらされています。植物のDNAが紫外線によって受ける傷を、どのようなメカニズムで修復し、自らを守っているのかを、植物の中でも最初に陸上進出し、進化してきたゼニゴケを用いて研究しています。(生命科学研究科・Rさん)

ー 成人女性が直面している問題に関するインタビュー調査を通じて、女性たちが解決策を見つけるための学びのプロセスを明らかにする研究をしています。現代日本の成人女性を取り巻く諸相と社会構造を解明することに貢献したいと思っています。(教育学研究科・Zさん)

ー 衛星画像を利用して、草地の時空間的な変化について研究しています。牧草地の植生が時間を経てどのように変化するかを把握することで、草地管理のための有用な情報が提供されることが期待されます。(農学研究科・Mさん)

ー 貧血の原因となる遺伝子について研究しています。赤血球は鉄を利用して作られますが、赤血球の成熟に関わる遺伝子に異常があるとうまく鉄を利用できず、正常な赤血球が作られなくなります。そのような遺伝子を人工的に欠損させた赤血球細胞を使い、実験を通してメカニズムを調べることで、治療法の開発につながると期待されます。(医学系研究科・まいか)

普段の実験の様子

Q.高校生の皆さんにメッセージを!

ー 今思うと、高校時代は勉強にも部活にも全力で取り組める、一番楽しい時期だったと思います。忙しくて大変かもしれませんが、全力で楽しんでください!もし自分のやりたいこと、進路や夢に迷っている人がいたら、大学以降でそれらが見つかることもあるので、まずは色々な選択肢を見てみることがおすすめです!(生命科学研究科・Rさん)

ー 自分を分析して、趣味や好きなことを発見しましょう!人生を後悔しないように!(教育学研究科・Zさん)

ー 私も色々なことを経験して、その中でいろんなことを学んだり、新しい能力を身につけたりすることが人生で本当に大切なことだと気づいたんです。もし、将来どうしたらいいか迷っているなら、色々な経験をしてみるといいと思います。(農学研究科・Mさん)

ー 私が研究に出会ったのは大学に進学してからで、それまではやりたいことが分からず悶々としていました。でも今はとても幸せです。今やりたいことが分からなくても、思いがけない出会いがあるかもしれません。焦らなくても大丈夫です!(医学系研究科・まいか)

 今回発表したSAはそれぞれ異なる分野の研究に勤しんでいますが、研究に対するやりがいや熱意は共通しているということが、今回のインタビューを通して感じました。
 また、自分にとっての興味関心や、将来の夢を見つけるためには、学生のうちに沢山の経験をすることが重要だということもSAの意見から読み取れました。経験というのは勉強からだけではなく、学校行事や課外活動、他者との交流などからも得られるので、学生の方々には日常に転がっているチャンスをなるべく掴み、多くの経験を蓄えていってほしいと思います!

研究発表を振り返って
 上記のインタビューでもあったように、私はもとから研究に興味があったのではなく、かといってどこに就職したいのかも見えておらず、悩む時期がありました。そんな中、大学3年の時に参加した課外活動で偶然知り合った方から、現在の研究室を紹介してもらいました。縁あって大学院まで進み、SAの活動にも参加させてもらい、貴重な経験をさせていただいている、と実感しました。今後も「出会い」を大切にする、また「出会い」を増やせるようにアクティブに行動していく、この2つを胸に刻んでおきたい、と改めて感じました。

 日本で初めて女性の学生を迎え入れた東北大学では、今も多くの女子学生が熱心に研究に取り組んでいます。非常に多岐にわたる研究分野があり、性別や国籍などの区別なく打ち込める環境が整っている東北大学に、ぜひ興味を持っていただけたらと思います!


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ここまで読んでいただきありがとうございました!
私たちが持つ進路選択の経験や考えについて、この記事を通して少しでもお伝えできたら嬉しいです。
また、PTA連合会の内容については東北大学DEI推進センターのNEWS&TOPICSにも掲載しておりますので、こちらも是非ご覧ください。

記事へのコメントやSAへの質問は、いつでもこちらのフォームよりお待ちしております。

編集後記
私は生まれも育ちも仙台ですが、就職のため春から県外に出る予定です。残りわずかの仙台での生活を楽しみつつ、仙台を舞台にした作品もたくさんあるので聖地巡礼を済ませておきたいと思っています。皆さんも仙台にいらしたときは、ぜひ様々な聖地を訪れてみてください!

東北大学サイエンス・アンバサダー(旧サイエンス・エンジェル)
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「科学って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。2021年度より、自然科学に加え人文・社会科学も含めた科学分野としての活動がスタート。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。2022年度より、サイエンス・アンバサダーへ名称が変更。

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