見出し画像

農学部ってどんなとこ?(1)

みなさんこんにちは!東北大学 サイエンスエンジェルのしほです!
「私の学部・研究科紹介」今回は、農学部・農学研究科です。

前半の本記事では、農学部は何を学ぶことが出来るの?農学部の構造は?
卒業後の進路は?
そんな農学部の基本的な情報について紹介していきたいと思います!

⒈ 農学部は何を学ぶところ?

農学部といえば、皆さんどんなイメージがあるでしょうか?農作物の研究をしている?細菌とかを扱った研究をする?の研究もしてそう?海の魚の研究もしているのでは?

本学の農学部は多岐にわたる様々な生物を研究対象にしている、とてもユニークな学部です。よく、農学部と理学部の違いを聞かれることがあるのですが、理学部は「原理・現象の発見」を目標に研究を行っています。その一方で農学部は「発見された原理・現象をもとに実用化すること」を目標に研究を行っています。

2.どんなコースがあるの?

画像1

上の図は、農学部の構造を示したものです。
東北大学の農学部は、大学入試の段階では、全員「農学部」を選択し、受験します。その後、学部2年次に左図の6つのコースに分かれます。

さて、農学部の学生はどのようにして自分が進みたいコースを決めていくのでしょうか?本学の農学部では、学部1年次に各研究室を巡り、どのような研究を行っているのかを知る講義があります。なので、高校生の皆さんも安心してくださいね。農学部では、どのコースが自分のよりやりたいことにマッチするのか、現時点で分からなくても大丈夫です。大学に入学してから、沢山身近な人々の声を聞いて決めることが出来るのが本学の農学部の良いとこころだと私は思います。

ここからは、私の実体験を少しお話します。私は、高校生の頃は、漠然と農家である祖父の手助けが出来ればと、農学部の「植物生命科学コース」に興味を持っていました。また私は高校生の頃、最強の生物と言われていた「クマムシ」の研究を高校のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の一環で行っており、動物に関する研究にも興味がありました。

ところで、皆さんは「クマムシ」をご存じでしょうか?↓

画像2

画像 クマムシさんのお店より引用

クマムシには、休眠状態といって仮死した状態が存在し、その状態では様々な過酷な環境下でも生きることの出来る最強の生物だと考えられています。

今考えれば中々に夢物語なのですが、当時の私は、農作物もクマムシさんのように休眠が出来れば、台風が来た時や、大きな自然災害が予測される時だけ、一時自宅避難なんてことが出来たりしないかと考えていたものです。

しかし、大学に入学し様々な研究室のお話を聞く中で、「ミルク科学」に関する研究に惹かれ始め、学部2年次のコース決めでは、その研究が出来る「応用動物科学コース」を選択しました。

さて、農学部を卒業する為には、数学や英語といった全学教育科目の他に、専門教育科目を履修します。この専門教育科目には更に、

①学部共通科目(農学部全員が対象)
②学科共通科目(生物生産科学 or 応用生物化学科とで異なる)
③コース共通科目(6つのコースごとで異なる)


が存在し、これらの科目の中から必修単位を含む必要単位数を取得します。

※詳しいことは、入学後配布される「学生便覧」を参照して下さい。

これにより自分が選んだコースによって、より専門的な科目が学べるようになっています。私は、応用動物科学コースで専門科目を受講している時に、「自分はやはり農作物に関連する研究を行いたい!」と考えが変わり、「植物生命科学コース」へ移動することを決めました。

コース変更なんて出来るの?と思った方、出来ます。ただし、色々な制約があるので詳しいことは、入学してから周りの方に相談してください。

私が、高校生の皆さんに何より伝えたいことは、農学部を志望する理由は、「生物に興味がある。」現段階ではその程度で、十分だという事です。本学の農学部には、様々なコースがある上にそれを自分で選択出来るので、これから沢山悩んで自分の興味のある分野を決めっていって欲しいと思います。また、その考えが時に変化しても大丈夫だと私は思います。その都度、自分のやりたいことに向き合い続けることが一番大切ではないかと考えています。

その際に、何か迷うことがあったら、サイエンス・エンジェルにも頼って頂けるとうれしいです。

3.卒業後の進路は?

さて、次は農学部生の卒業後の進路についてお話します。本学の農学部では、4年間の学生生活を終えた多くの学生はそのまま、大学院へと進学します。その割合は、77%です。
※下図参照

そして、博士課程前期2年(いわゆる修士)を終えた学生のうち、11%の学生が、博士課程後期3年(いわゆる博士)へと進学します。その他の多くの学生は修士1年生の春あたりから就活を初め、企業に就職するといった進路になっています。

画像3

東北大学大学院農学研究科・農学部 公式HP掲載データより作成

さて、本稿では就職する学生が最も多い、博士課程前期の学生の就職先について、もう少し詳しく紹介していきたいと思います。就職先で最も多いのは、食料品・飲料関係の会社です。これは、農学部からの進路として想像しやすいのではないでしょうか?

しかし、その他にも、農林水産省や環境庁と言った国家公務員になる人や、地方公務員として農業の発展に貢献する人々も多くいます。また、薬学部に近い研究を行っている研究室もあるので、化粧品メーカーや製薬会社等に就職される方もいます。

画像4

今回紹介出来た職種は、ごく一部なので、より詳細なことは、東北大学 農学部のホームページや自分の興味を持っている研究室のホームページを参照して頂けると良いかと思います。

続きは後編で!

前半部分は以上になります!
後半では、サイエンスエンジェルのうっぴーが、農学部に入学して感じたことなどを実際学生の声を交えながら紹介してくれます。
それでは、後半も是非読んで頂けると嬉しいです!

゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+

東北大学サイエンス・エンジェル
次世代の研究者を目指す中高校生に「こんな女性研究者もいるんだ!」「理系って楽しい!」という思いを伝えるため、2006年に結成。年度毎に学内で公募され、総長に任命された 東北大学の自然科学系10部局に所属する女子大学院生が、中学・高校での出張セミナーや科学イベントで科学の魅力と研究のおもしろさを伝えている。メンバーは宇宙・自然・ロボット・環境・ヒトや動物の身体のしくみなど、それぞれの専門分野で日々研究中。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?