大企業サラリーマンが歯学部再受験した場合、総収入はプラスになるのか?
再受験とは転職である
こんにちはラメポタです。
私は大企業サラリーマンを辞めて歯科医師を目指すことにし、現在は歯学部に入学して絶賛勉強中です。肩書上は脱サラして学生をはじめたことになり、一見かなり異色な行動をしているように見えます。
しかし、長い目で見ると歯学業界に転職したようなものです(もちろん歯学部在籍中は定職としての収入はなくなってしまいますが)。そう思うと、転職が活発になりつつある現代においてはそこまで異色な行為に見えないような気もするのではないでしょうか?そう、医学部や歯学部を再受験するという大胆なキャリアチェンジは、実は一種の転職と言えるのです。
では、転職活動をする際に現職と次職で比較すべき要素は何でしょうか?
転職のポイント
着目ポイントや重視するポイントは人それぞれですが、一般的に以下が挙げられるでしょう。
1. 年収・報酬
基本給、ボーナス、各種手当を含めた総年収の比較。
昇給や賞与の見込み。
2. 労働時間・働き方
勤務時間、残業の頻度、フレックスタイム制度の有無。
リモートワークやハイブリッド勤務の選択肢。
3. 業務内容・役割
現職と次職での業務内容の違い。
自分のスキルや経験がどの程度活かせるか。
4. キャリアパス
昇進やキャリアアップの機会。
業界の成長性や将来性。
5. 企業文化・職場環境
組織の文化、価値観、チームの雰囲気。
上司や同僚との関係、コミュニケーションスタイル。
6. 福利厚生
健康保険、年金、休暇制度、育児休暇などの福利厚生の充実度。
社内研修やスキルアップ支援の有無。
7. 勤務地
通勤時間や交通手段。
地理的な条件や生活環境。
8. 仕事の安定性
企業の業績や市場の競争状況。
雇用の安定性やリストラの可能性。
9. 個人の目標・ライフスタイル
自分の価値観やライフスタイルに合った働き方かどうか。
プライベートとのバランスが取れるか。
あとは転勤の有無とかも重要でしょうか。転職の際はこれらの要素を総合的に比較し、自分にとって最適な選択をすることが重要ですね。
まあ色々着目ポイントを挙げましたが、何のかんの言って積極的転職を目指す人が重視するのは年収・報酬ではないでしょうか?
(ここでいう積極的転職とは、今の会社でも大きな不満はないが、キャリア形成や収入アップを意図して転職することを指しています。逆に消極的転職は、ブラック労働がきつい、人間関係がきつい、家族の転勤や介護などの事情で現職での勤務継続が不可能になった、などの消極理由で転職することをイメージしています)
私の場合は積極的転職になるので、当然年収・報酬もある程度意識して歯学部を再受験したわけです。
大企業サラリーマンの総収入と、歯科医師の総収入を比較
さて、ここからが本題です。今回は歯科医師と大企業サラリーマンの収入を比較してみようと思います。歯学部に入学すると6年(編入学を活用すると4~5年くらい?)のロスと学費などの出費がありますが、果たしてこのロスを回収することはできるのでしょうか?また、そのまま大企業サラリーマンを続けていた場合の総収入を上回ることができるのか?という気になる話題を整理してみます。
とはいえ、歯科医師も大企業サラリーマンも収入モデルには様々なパターンがあるので、今回は一般論としての収入をモデルケースとして試算してみようと思います。
歯科医師と大企業のサラリーマンを比較した場合、収入面ではいくつかの要因が影響しますが、一般的に以下のような感じになりそうです。
【歯科医師の収入】
初期の収入: 歯科医師として新卒で働き始める場合、最初の数年間は研修医や勤務医として働くことが多く、収入は比較的低いようです(年収400万〜600万円程度が一般的)。
勤務医としての収入: 勤務医としてキャリアを積んだ場合、経験とスキルによって年収が上がり、700万〜1000万円程度になることもあるようです。
開業医としての収入: 自営業として開業する場合、収入は大きく変動します。成功すれば年収1000万円以上、場合によっては数千万円に達することもありますが、逆に経営がうまくいかなければ収入が不安定になるリスクもあります。
【大企業のサラリーマンの収入】
大企業に勤めるサラリーマンの年収カーブは、以下のようなパターンが典型的でしょうか。
1. 新卒~20代後半:初期成長期
年収水準:300万円~500万円
特徴:新卒採用後の数年間は基本給が低めで、昇給も緩やかです。ただし、ボーナスや手当の割合が高い場合もあります。この時期は経験を積み、スキルや知識を高めることになるでしょう。
2. 30代:中期成長期
年収水準:500万円~800万円
特徴:30代になると役職や責任が増え、昇進によって年収が大幅に上がることが多くなります。また、この時期に課長や係長などの管理職に昇格する人もいます。
3. 40代:成熟期
年収水準:800万円~1,200万円
特徴:多くの人がこの時期に部長や役員などの重要なポジションに就き、年収はさらに上昇します。管理職になると成果に応じた報酬が増えるため、業績や評価によって年収が変動することがあります。
4. 50代:ピーク期
年収水準:1,000万円~1,500万円以上
特徴:50代では年収がピークに達することが多く、役員や高位の管理職であれば非常に高い年収を得ることが可能です。一方で、役職に就かない人の昇給は緩やかになります。
5. 60代以降:定年・再雇用期
年収水準:300万円~800万円(再雇用者はさらに低い場合も)
特徴:60歳を過ぎると定年退職があり、再雇用や契約社員として働くケースが増えます。再雇用の場合、年収は現役時代よりも大幅に減少します。
(この年収カーブはあくまで一般的なもので、外資系企業、IT企業、製造業、金融業などの業界によって大きく異なると思います。基本的に給料相場というのは業界によって変わるものなので。)
あと無視できないのは福利厚生ですね。大企業では社員寮や借り上げ社宅制度、家賃補助、自社株購入補助、ローン優遇、保養施設の利用権、各種休暇制度などなど福利厚生が充実していることが多く、これが(実質的に)収入やQOLの向上に寄与する点も見逃せません。
さて、実際に計算・比較してみましょうか。
例えば、大企業サラリーマンの収入をざっくり
22~30:平均年収 500万
30~40:平均年収 800万
40~50:平均年収 1000万
50~60:平均年収 1200万
60~65:平均年収 600万
とすると、収入総計は37000万円になりますね。
さらに福利厚生分を定量化して仮に1000~2000万円相当とすると、合計で38000~39000万円くらいでしょうか。
一方、歯科医師で、ずっと勤務歯科医をしていた場合の収入をざっくり
24~30:平均年収 600万
30~65:平均年収 1000万
とすると、収入総計は38600万円となり
収入総計はほぼ変わらないということになりました。
しかし、私のように社会人から再受験した場合はどうか。たとえば社会人5年→歯学部生6年→勤務歯科医の順に進めたとしましょう。この場合ざっくり、
22~26:平均年収 400万
27~32:平均年収 0万
33~40:平均年収 700万
40~65:平均年収 1000万
とすると収入総計は31900万円
サラリーマン時代の福利厚生分を仮に100万円相当とすると32000万円です。
残念ながらプラスにはなりません。さらに実際はここから学費などがマイナスに作用します。
したがって、私のようにいったんサラリーマンをしたあとに5年や6年かけて歯科医師になる場合で、かつずっと勤務歯科医としてやっていくのであれば総収入の観点からはむしろ下がってしまう可能性が高いということが分かりました。ずっと勤務歯科医でやっていくのであれば、サラリーマンから歯学部を再受験するのはあまり分のよい選択とは言えなさそうですね。
ゆえに、再受験して歯科医師を目指す場合で総収入を増やそうと思ったら、開業歯科医になることがほぼ必須となります。
(ちなみに日本の歯科医師の中で、勤務歯科医と開業歯科医の比率は、おおむね30~40:60~70と言われているようです。3人に2人くらいは開業してるようですね。)
開業歯科医であれば、やりようによっては年収数千万といった可能性があるほか、経費を使った節税なども可能になるので、総収入が大企業サラリーマンを上回る可能性はおおいにあります。もちろん失敗して大赤字なんて可能性もありますが…ハイリスクハイリターンです。
とはいえ夢があるのは間違いないと思います。サラリーマンは年収に上限がありますからね。
もし大企業サラリーマンから歯学部再受験を検討するのであれば、これらを念頭に考えてみてください。基本的には開業の覚悟が必要になるでしょう。私も現時点では開業する気満々です。
本日はここまでです。読んでいただきありがとうございました。
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