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シナリオって、子どもの想像力と表現力を刺激するんです!

小説とシナリオは、似ているようで別物、です。

似ている点は、どちらも人間ドラマを描くという点。そして、文字で書く点。
異なる点は、小説は文章で人間ドラマを表現するのに対して、シナリオは映像で人間ドラマを表現する点です。

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シナリオは映像表現。これが、子どもたちの想像力と表現力をめっちゃ刺激するよね、と考えて2010年くらいから『キッズシナリオ』というプログラムを小学校や中学校に提供しています。

なぜ、シナリオが子どもたちを刺激するのか?

シナリオ・センターは、1970年に優秀なシナリオライター・脚本家、プロデューサー、ディレクターの養成を目的に、新井一が設立。700名以上の脚本家、小説家を輩出する学校です。
あらいは、シナリオ・センターにて、映画やゲーム業界、一般企業から子ども向けまで、シナリオを広めるために、な~んでもしています。

映像表現には、文章力がいらない!

映像表現であるシナリオの一番の特徴は、文字で書くのに、文章力がいらない点です。

シナリオは、『柱』『ト書』『セリフ』の3つでできています。

『柱』には、場所を書きます。カメラを置く位置の指定ともいいます。
『ト書』には、状況や登場人物が何をしているかという動作やしぐさ、表情などを描きます。
『セリフ』には、登場人物の喋ることを書きます。

シナリオは、カメラに何を写すかを念頭に書きます。カメラに映らないものは書かなくていいわけです。例えば、心情とか、心象風景とか、目的とか、人間関係とか、形容詞とか。そう、シナリオには文章で書くとしたら、難しそうなことは一切書く必要がないんです!

小説なら腕の見せ所かもしれないけれど、シナリオの場合は、スマホをカメラ機能にしてみて、映らないなら書かない。文章力はいらないんです。

小学校や中学校で出前授業をすると、「作文苦手な人?」と聞くと、半分以上の手が上がります。先生は苦笑い。ぼくは、おぉ〜同志よ!という気分。そんな子どもたちも、シナリオはめちゃめちゃ描きます。授業後に「あの子があんなに書くとは……」と先生が言うくらいです。

映像表現には、想像力だけあればいい!

小説や作文などの文章表現なら、文章力が重要になります。では、映像表現は?ズバリ、想像力がとても重要な要素になります。

たとえば、高校生が気になっている子と挨拶を交わすシーン。

ドキドキした気持ちを文章で上手に表現しようと思ったら、なかなか大変そうです。

でも、シナリオなら、

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好きな子に「おはよう」と言われたら、「おはよう!」というかな、それとも「お、おう……」とかかな、もしくは「おはよう」っていうけど、照れくさいから目をそらすかな、と想像をめぐらして、ト書とセリフに書けばいいのです。

ポイントは、書こうとしている登場人物の性格や気持ちになりきること

シナリオを書くと『作家の眼』が生まれる

シナリオを書いて、想像を繰り返していくと自然と『『作家の眼』が生まれます。

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一つのセリフ、一行のト書が子どもたちの想像力を刺激する
シナリオを書くということは、心の動く糸口を描くことです。
「こういう時どうするだろう?」と考えることで、他者に思いをはせること、自分を客観的に見つめることができるようになります。
「もしも」から始まる発想が自分や社会を客観的に見つめだす
登場人物のアクション・リアクションは、社会や周囲とのつながりの中でも変わります。「もしも主人公なら?もしも自分なら?」と考えるため、自分や社会を、俯瞰できるようになります。
物語作りは、自分の頭で考え、問いを作る力になる
ドラマとは人間を描くことです。柱、ト書、セリフというたった3つの要素を使って、物語を作るなかで、自分なりの人生観や社会観を見つけ出し、多角的に物事を捉える力が身につきます。

2020年以降は、今まではこうだったからという経験論はあまり役に立ちそうになりません。転換期に必要なのは、自分の頭で考える力ではないでしょうか。
創作を楽しみにながら、子どもたちが自分らしく生きる助けになる、それがシナリオなんじゃないかなぁと思っております。

シナリオ・センターのあらいでした。


▼小学5・6年生・中学生対象『考える部屋』▼
子どもたちが、創作に没頭できる空間を作りました。6/22(火)開講。

▼キッズシナリオの根っこ▼

▼シナリオの書き方を知りたい!方はこちら▼


シナリオ・センターは『日本中の人にシナリオをかいてもらいたい』と1970年にシナリオ講座を開始。子ども向けキッズシナリオも展開中。アシスト、お願いします!! https://www.scenario.co.jp/project/kids_assist/index.html