大好きなロシアSF小説『メトロ2033』を「娯楽として冷静に読めない」状況にしやがったのは誰だ!・・・ってロシア政府か
西暦2033年。核戦争後のモスクワ。
生き残った人々は、モスクワの地下鉄を駆使し、なんとか生き延びている。
駅と駅との間の、複雑な同盟関係の駆け引きや、陣地取り合いの醜い戦争。さらには一部の「駅」がソ連時代の共産体制復活に血肉を上げ始め、脅威的な勢力に。そこに、放射能の影響で生まれた巨大ネズミの大群や、ミュータント軍団の乱入も重なって。。。というオハナシ。
めちゃくちゃ面白い、デストピアSF小説。
細部の設定や、モンスターの描写も、いかにもゲーム・アニメ世代らしい緻密さとこだわりで、読んでいてどんどんのめり込んでしまう。
そんなロシア産SF小説『メトロ2033』のファンなのですが、、、
なんてこった。
このまま行くと、この小説をオタク世代向けの娯楽小説として安心して読めない世界になってしまう。紛れもなく、この作品を産んだドミトリー・グルホフスキーさんの出身国、ロシアが、「核兵器を使うぞ!」と世界を脅迫しているのが昨今なのです。
悪い夢ではなかろうか。
本作に限らず、たくさんの世代のロシアのSF作家たちが、核戦争後のデストピアというモチーフでいろんな作品を書いてきた、その作家たちの出身国の政府が、今、本当にデストピアを準備しているとは。まったく笑えない。
やめてほしいから、私は、「やめてください」と微小な声ながら言い続けますよ。まさかロシアのエリートの皆様が、ロシアのサブカルチャーで描かれがちな「デストピアというステロタイプ」そのままを現実にするような阿呆なことはしないよね?と信じて「やめてください」と言い続けますよ。
それにしても、この記事を書くために、メトロ2023のメディア展開を調べていて、初めて知ったんですが、この小説のゲーム版を開発したのはウクライナのゲーム開発会社なんですってね。
もう現代史は、複雑怪奇、めちゃくちゃだ。
オタク向けデストピア小説の想像力のほうに、現実がついてきてしまうのか?まさかね、そんなこと、、、やめてください。本当に。。。
ただただ、習い中のロシア語でもネットのあちこちでこう叫び続けますよ。Я люблю Метро 2033. Но я не хочу, чтобы такое будущее действительно наступило…!(メトロ2033のファンの者ですが、こんな未来を本当にもたらすようなことは絶対に避けましょう!)と。
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