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未来のためにSF文学・SF映画にお願いしたいこと・・・「科学者というのは足を引っ張るクセモノ」というステレオタイプに頼らず「本来あるべき理想像通りの科学者キャラ」に活躍させてほしい!

私はつねづね、SNS上で、SF文学やSF映画の紹介をやっております。それは私が根っからのSF好きだからであり、それゆえ、SFという文化には原則、好意的だから・・・でもあるのですが。

そうは言っても、気になることも、あります。

SFに限らず、どんなジャンルの文学や映画にも起こり得ることですが、「キャラクターのステレオタイプ化」というやつです。

「SF映画に出てくるヒロインというのは、だいたい、こういうもんだ」とか「因習的な田舎の町長やら村長やらは、だいたい、こういう言動をして、事態を悪化させるもんだ」とかね。

もちろん、私もオトナなのでw、よほどシナリオ的に捻りを入れている場合でもないかぎりは、「みんなの頭にあるステレオタイプ」からできるだけ外れていないキャラクターを並べたほうが、説明の時間が省けて、サクサクと物語に入れるので、便利・・・という劇作上の必然は、理解しております。だから、「ステレオタイプはぜったいダメ」と言うのではない。

ただ、あえて今回、

「未来のために」あるいは「子供たちのために」と大上段に構えて考えてみて、

どうしても一度、指摘しておきたいなと思ったのが、

SFにおける「科学者」のステレオタイプです。

特にB級と呼ばれるところの、低予算でお気楽な映画に多いのですが、

どうして科学者というのはしばしば、深刻な事態が起こっているのに、「宇宙人?異次元?タイムスリップしてきた未来人?そんなのバカバカしい!」と一蹴し、事態の悪化を招くキャラとして描かれるのでしょうか。

もちろん、現実の科学者の中にも、そういう頭のかたい人はいるでしょう。

ただ、少なくとも、このステレオタイプの科学者は、

私が教わってきた「科学」と同じものを勉強してきた人の理想像とは、真逆なのです。どちらかといえば、偉大な物理学者も化学者も生物学者も、「同時代の常識からすると突拍子もないこと」であっても、「論理的にデータが示している!」となれば、それを堂々と主張し追いかける人たちのはずなのです

※もちろん、「論理的なデータが集まっているならば」の話です。。。よく、「アメリカ合衆国は墜落したUFOを隠している!」というような主張をする陰謀論者が、「科学者たちは頭が固いから信じてくれない!」と怒っているテレビ番組(まぁ、そういうのは、木曜スペシャル的なゆるーい番組ですがw)がありますが、多くの科学者が「アメリカ合衆国に墜落したUFOを隠している秘密基地がある」とか「霊感の強い人にだけは他人の前世を見る事ができる」とかを信じていないのは、頭がかたいせいではなく、単に「論理的なデータがぜんぜんないから」と思いますよw。本当の科学精神のある科学者なら、もちろん、「アメリカ政府が隠しているUFOの決定的証拠」や「輪廻転生や前世が存在し、かつ、ある特殊能力者にはそれが見えているという、決定的証拠」を提供すれば、むしろ喜んで「それ、すごいネタだ!ぜひ私も研究する!」とノッてきてくれるはずでは(※と、私が言っているのは、もちろん、何十年もこれだけ陰謀論が続いているのに、決定的な証拠を出してきてくれない「陰謀主張者」「前世が見える特殊能力が私にはある・・・と主張する方」のほうに責任がある、と言いたいだけです。裁判と同じで、主張するならば、立証のためのデータを合わせて並べてくれないと。でも、これだけ何十年も待っても、プロの科学者のみならず、私のような一般人すら納得させられない「良い証拠が出せない状況」の継続は、いったいどういうことなのだろう??)

↑少し、ハナシが脱線しましたが、

SFに戻しますと、

SFに出てくる科学者に、こういう二種類のタイプがいませんか?

A:何があっても「そんなことは非科学的だ、バカバカしい」と取り合ってくれず、事態を悪化させてしまう科学者(よく出てくる・・・)

B:突飛な状況の中で、冷静に手がかりを分析し、「これは宇宙人の仕業では?」とか「ここは異次元空間なのでは?」とか、最初に事態の深刻さを見抜き、リーダーシップをとる科学者(あんまり最近出てこない・・・あ、でも、『ウルトラQ』とかのレトロなSFにはこういうタイプ、たまにいたなぁ!)

この点で、すげえな、と思ったのは、テレビ映画『ランゴリアーズ』に出てきた、あるキャラクター。状況を徹底的に分析して、「みなさん・・・信じがたいことですが・・・しかし論理的に考えた結果、こうとしか、考えられません・・・私たちの飛行機は、時間の止まった空間、おそらくは異次元空間に不時着しているのです!!」と見抜いた人。彼の推理のおかげで、『ランゴリアーズ』のみんなは現実世界に生還できたのですから!(ただし、あのキャラクターは科学者ではなくて小説家でしたけどね・・・)

ともかく!

私としては、

本来の科学者というのは、Bタイプの筈だと思っていますし、少なくとも個人的な理想としては、そう信じていますし、

理想像かもしれないが、もし地球が本当に宇宙人に侵略されたり、あるいは我々がいつのまにか異次元空間に落ちていたりしたら、まっさきにそれを見抜いてくれるのは科学者の筈だと信じている・・・

いや、これからでもいい、SF映画やSF文学にはぜひBタイプの科学者キャラクターを増やして、子供達には、「そうかぁ!科学者ってのは、こういう突飛な危機の時には率先して意見を言い、リーダーシップがとれる人であるべきなのだな!」とぜひ信じてほしい!

そして、そんな子供たちの中から、本当にBタイプの科学者に大成してくれる人が多数出てくれば・・・未来、何かとんでもない未曽有の危機が地球を襲ったとき、彼らが人類を救うかもしれません。

というわけで、やや、突飛かもしれませんが、

SF好きな私が、未来の為に、思うこと。

私自身も、「科学者の理想は、Bタイプ」と強くあちこちで主張し続け、かつ、映画や文学でもBタイプの科学者キャラクターが出てきた時はおおいに宣言に協力します!

ので・・・SF映画クリエイターの皆様、SF作家の皆様、

「アタマのかたいイヤな科学者」キャラのステレオタイプを使う誘惑を振り捨てて、ぜひ、Bタイプの、「アタマが柔軟な、リーダータイプの科学者」キャラが大活躍するコンテンツをたくさん、作ってください!特にこれは、子供向けの作品を作られている方々に、ぜひ、お願いしたい!

作ってくれれば・・・

私のような、SNS上でのSFファンも、おおいに気合を入れて、宣伝拡散に協力いたします!


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