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2018年、日本・スウェーデン外交関係樹立150周年 イベントの企画 SKÅL1

※この記事は、2018年に開催された文化イベントについて紹介しています。SKÅL/スコールとは、スウェーデン語で「乾杯」と「器」という意味があります。

スカンジナビアン・パターン・コレクションの文化イベントは、これまで1~2年に1度のペースで実施してきました。時期や頻度について厳格なルールを決めているわけではなく、アイディアが生まれたときが企画のスタートとなっています。でも、4回目の企画は少し事情が違いました。2018年は、日本・スウェーデン外交関係樹立150周年という特別な年だったので、いつもよりバージョンアップした企画にしあげねば、というプレッシャーと、タイムリーに仕上げていかねばならない、という焦りで、なかなか良いアイディアが浮かびませんでした。

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150年間の良好な外交関係は、両国が相互に思いやり、受け入れながら、長きにわたり信頼関係を築いてきた結果です。私たちは「自分と相手との関係」を、今回のイベントのキーワードにしたい、と考えました。日本文化の代表である「茶の湯」は、人と人との関係を表す、メンタリティの象徴です。一方で、スウェーデンにおいては、「FIKA(フィーカ)」というお茶の時間が毎日あり、相手とのコミュニケーションを図るうえで非常に重要な時間です。「茶の湯」と「FIKA」は、まったく異質なものですが、私たちは、その根底に流れる「相手との心のつながり」という点において、大きな共通点があると感じました。華美や虚飾を避け、自然をそのまま受け入れた、素朴でシンプルな「わびさび」の世界は、北欧の人々のミニマルな暮らし方にもつながるものがあります。

テーマが奥深いだけに、果たして自分たちでうまく調理できるのか、という議論を重ねて悩み抜いた末、私たちは、北欧デザインの茶道具を作ることに決定しました。スウェーデン語では、抹茶茶碗のことを「MATCHA SKÅL(マッチャスコール)」と言います。「SKÅL」はボウルのことですが、もう一つの意味は「乾杯!」です。毎回苦労する展覧会タイトルですが、第4回目の「 SKÅL!(スコール)」展に関しては、かなり早い段階で決まりました。抹茶茶碗で乾杯ができるかどうかはともかく、外交関係樹立150周年にぴったりの語呂合わせでした。

by S

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