ストックホルムのお茶室での茶会 SKÅL6
※この記事は、2018年に開催された文化イベントについて紹介しています。SKÅL/スコールとは、スウェーデン語で「乾杯」と「器」という意味があります。
SKÅLプロジェクトでは、ストックホルムにあるお茶室で北欧デザイナーの茶道具を使った茶会をするという案も含まれていました。お茶室は民俗博物館の管轄であり、個人的な目的で使用することはできません。そこで、裏千家淡交会スウェーデン協会が企画する日本とスウェーデン150周年イベントとして活動させてもらうことにしました。
イベントでは、民俗博物館にて茶道セミナーとお茶室での茶会を行いました。茶道セミナーでは「スウェーデンデザインと日本の工芸品との出会い」をテーマに、茶道についての簡単な歴史、茶道に使われるお茶碗について、そしてSKALプロジェクトについてスウェーデン語と英語で説明しました。着物で参加者してくれた人も多く、会場はとても華やかになりました。
セミナーの後はお茶室に移っての茶会です。北欧デザインのお茶碗と懐紙を使った茶会で現地の人々をおもてなしすることは、このプロジェクトのひとつの目的でした。用意した3回の茶会はすぐに満席になり、それぞれの茶会で20の北欧デザインのお茶碗を使うことができました。今回の茶会は、淡交会スウェーデン協会のメンバーの協力なしには実現しませんでした。メンバーには大変感謝しています。
北欧の人の大きな手に収まるサイズで作られたお茶碗は、私の小さな手にはより頼もしく感じました。点てたばかりのお抹茶をいただくと、お茶碗の縁の部分を薄くして口触りがいいようにという、お茶碗の形を考案して下さった松井利夫先生の言葉が蘇ります。最後に吸いきりをすると、心地のいい充実感が身体全体に行き渡りました。北欧デザインの茶道具を使い、北欧にあるお茶室で現地の人たちと茶会をするという、私たちの希望が実現して感無量でした。
by Y
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