マネジメント 企業の言語力.1

僕が今、広告デザイン専門学校で担当しているマーケティング、正式な科目名はマーケティング・コミュニケーションです。
企業にとって、企業の内外、それは働く人や顧客だけでなく、社会とのコミュニケーションが不可欠でさす。それは単に製品やサービスを知ってもらうだけでなく、企業の姿勢や方針を伝えると共に、企業が顧客の望み知り、どのように叶えるかを伝えなければなりません。
つまり企業にとって、適切なマネジメントやマーケティング、例えば組織管理や人的資本戦略、ブランディング、CIなどを行うためにコミュニケーションが欠かせないのです。

実は、企業内での社員教育でも、時々ロジカルシンキングの依頼を頂きます。目的は様々ですが、やはりコミュニケーション不足は多くの企業が抱えている問題の1つのようです。中には国語の授業をしてほしいという依頼もあり、これはさすがにお引き受けするのが難しいです。なぜなら本来、ロジカルシンキングにせよ、国語にせよ、普段からの訓練の積み重ねだからです。

ちなみに、国語の依頼を頂いた経営者の方には、以前の記事で紹介した『日本語練習帳』をお勧めしたところ、車内の定例会議などで、これを使った勉強をしているとのことでした。

・企業の言語力
文部科学省、言語力育成協力者会議(2006年6月-)は、言語力を、「学校教育のすべての科目を通じて個人の自己表現、他者理解、共同生活の能力を助長することを目的として、狭い意味の国語力にとどまらないコミュニケーション能力、思考力を指す用語」としています。 また他にも、様々な言語学者や教育学者の意見がありますが、広義には「言語に関わる能力」「日本語力(国語力)」一般と捉えられ、語彙力・読解力・文章構成能力・使用可能言語数などを指すとされています。(Wikipediaより抜粋)

 こうした考え方も含めて、僕は、企業活動に必要な理解力や論理力、思考力、知識、国語力、コミュニケーション能力などをを総じて、「企業(組織)の言語力」と呼んでいます。
そして僕は、あらゆる人がそうであるように、企業の能力や性質も、言語力に準拠、比例すると考えており、その多くの実例を見てきました。

つまり言語力は、その企業や組織の性格や能力そのものと言っても、過言ではないでしょう。

・言語力の再確認
それでは言語力について、その意味をあらためて確認したいと思います。

さて、「言語力」を考える前に、その前段として「国語力」について考えてみましょう。
文部科学省では国語力を以下のように説明しています。

①考える力,感じる力,想像する力,表す力から成る,言語を中心とした情報を処理・操作する領域② 考える力や,表す力などを支え,その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域

このうち①は、国語の中核をなす能力、②は、①の基盤となる国語の知識等としています。
こうして見ると国語力は、単に読み書きや語彙力だけでなく、かなり広い意味で考えられているように感じます。実際に、僕も当初は「組織の国語力」という言い方をしていました。

国語力を言語力としたのには理由があります。
1つ目に、ご依頼頂いた方よいのですが、大人に向かって「国語力が足りない」と言うとどうしても角が立ってしまいますから。(笑)

冗談はさておき、2つ目の理由、こちらが本来の理由ですが、文部科学省が説明する国語力はとても大切です。しかし今企業が直面している状況においては、ここで示された国語力だけでは不十分です。

以前の記事で、「考え方」と「方法」について記しました。

「成功体験に意味はないが、、、 本当に大切なものは何か」SBElabo #note https://note.com/sbelabo/n/n81a2b28cd665

この記事では、「考え方」を身につけることの重要性について述べたのですが、考え方を身につけるためには、高い論理力や言語化能力などの、文字通り「狭い意味の国語力」では実現できない、考える力やコミュニケーション能力が必要になります。そしてこうした能力によって、これからの社外に必要な考え方や答を導き出すことができるからです。

・言語力は目に見える
考え方は、マインドセットなので、日々の努力や、組織の一人一人の‘姿勢’によって形作られます。そのため、企業(組織)の言語力は目に見えます。

ある時飲食店で、隣の席の会話が聞こえてきました。同じ会社の人達のようでしたが、お世辞にも言葉遣いが良いと言えるものではなく、話の内容も僕には不快なものでした。
僕は企業のCIに関わるとき、「リーダーの便格が組織の品格」と言っています。不思議なもので、リーダー(経営者)の言葉遣いや姿勢は、そのまま企業文化として定着します。このような決して良いとは言えない「企業文化」を、業種や企業規模に関わらず、いくつも見てきましたし、新聞やニュースなとでも見ることができます。また一方で、僕は教育現場や企業など、言語力を高めることで、いくつもの目覚ましい成長を目の当たりにしてきました。

だから学生さんには、「自分がどんな人間になるかは、付き合う人で決まる。、その指針が言語力。」と伝えています。
これからの社会で、選ばれる企業になるためにも、言語力を高める努力をしてはいかがでしょうか。

皆さんが想像するよりも、ずっと早く、大きな効果が得られると思います。

今回のさらに具体的な無いよは、次回のnoteで記したいと思います。

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