消費者を考える 消費者は自由でわがままなもの:本当の不満を知る

今回は消費者について考えたいと思います。講義や講演でもよく話す内容です。

・消費者は知らない
これはどんな製品・サービスについても言えることですが、消費者は基本的に何も知らないた考えます。
勿論、製品やサービスについてかなり勉強している方もおられます。しかし製品やサービスを提供する人、特に専門性の高いものであれば、同業者でない限り、知識に偏りがあることが少なくありません。接客の際にはこうしたことを踏まえないと、怒らせてしまうこともありますが、基本的には消費者はプロではありません。
・消費者は安く買いたい
基本的に消費者はどんな時でも安く買いたいと思っています。価格は最も重要な「品質」の一つに他なりません。勿論ブランドエクイティや製品自体の差はあります。とは言え消費者は少しでも安いものを求めます。
・消費者はラクをしたい
消費者はラクに手に入るのなら、それにこしたことはありません。製品やサービスによっては、消費者にせつめあが必要であったり、様々な手順を踏む必要があります。しかし現代ではそうした手間まで、様々なサービスによって簡素化されています。
・消費者は気にしない
消費者は自分が求めるものが適切に手にはいれば、その過程や中身は気にしません。勿論、安全性や自然環境などに影響のある製品・サービスは配慮が必要です。とは言え、例えば目に見える範囲で問題がなければ、それほど気にしません。
・消費者は気まぐれ
時として消費者は、これまでに記した特徴の全てを覆します。価格が高いことや、購入に手間のかかることを、ある種のブランドエクイティとして捉えます。また豊富な知識を持って販売員と話すことが目的になったり、一定の販売員では知り得ない情報を知ることに力を注ぎます。また本当に気にしていなくても世相の風評などにより、必要以上に製品やサービスに関わる環境を重視します。

ここまで消費者はどう考えているのかについて記しました。簡単に言えば価格と品質が釣り合えば、消費者にとって最も都合の良い方法が求められるわけです。最後に挙げた「消費者は気まぐれ」という点については、それまでの内容やブランドエクイティなどか極端に高いレベルで満たされた場合か個人的な価値観が引き起こします。そのため基本的には最後の項目以外で、消費者の希望を満たすことを考えます。

「不」を取り除く
それでは自社の製品やサービスについて、消費者の要望を満たすために何を考えればよいのでしょうか。今回は「不」を取り除くという視点で考えようと思います。
この考え方は多くの場で語られていて、特に新しい内容ではありません。消費者の「不」を取り除くことで顧客満足を達成するというものです。
・5つの「不」
僕はこの話をするとき、5つの「不」と考えます。それは「不安」「不快」「不足」「不利」「不便」です。よく「不満」を含む記述を見かけます。どれが正解というものではありませんが、僕は先に挙げた5つの「不」の総称が「不満」だと考えています。例えば顧客に対して「不満な点を率直に教えて下さい」と言ったら、先に挙げた5つの「不」が入り雑じって出されるのではないでしょうか。
「値段の割にはおトクだけど、どうせ払うならもう少し高くてもいいから、、、」なんてのは、価格や品質の「不足」や「不利」が入り雑じっていますね。
そのため単に「不満」とせずにその中身を考えます。
また示した5つの「不」は、先に挙げたものほど代替性が低いと思われます。「不安」や「不快」な状態を改善することはかなり難しい(製品・サービスとして致命的な問題がある)と思われます。「不足」であれば付け加えられます。「不利」であれば企業努力で価格に反映させればよいし、「不便」であればとりあえず選択してもらうことができないわけではなく、改善も容易です。

これ等の「不」を解消したとき、気まぐれな消費者にも喜んで選択してもらえるものになるでしょう。

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