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【読書録】『水の肌』松本清張

先週と先々週に引き続き、松本清張先生の短編集のご紹介。今日は、新潮文庫の『水の肌』。5編の短編小説を収めた珠玉の作品集。

『指』

バーのホステスである弓子が結婚を決めた男性が、ふたりの新居にと用意したマンションは、偶然にも、彼女のよく知っている部屋だった。チワワが物語のカギをにぎる。

『水の肌』

一流企業で研究職についていた笠井平太郎という自信家が、妻のある身でいながら、アメリカ遊学中に知り合った資産家の女性と結婚するため、妻からしばらく身を隠すことにした。その後、妻がかつての同僚と再婚していたことを知る。池の鯉を見ると、この話を思い出す。

『留守宅の事件』

車のセールスマンの出張中に妻が自宅で殺害される。そのトリックを暴く、短編推理小説。短いけれど、盲点を突いた、よくできた話だと思う。

『小説 3億円事件「米国保険会社内調査報告書」』

現実にあった未解決の大事件、いわゆる「3億円事件」を、保険会社の調査報告書の形式で推理するもの。

『凝視』

妻の殺害を自供した夫が、自供を翻した。死んだ妻の目が閉じられていたことが、先入観をもたらした。

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3億円事件の話だけ、作品の性質が異なっているが、いずれも、短い字数にもかかわらず、読者を一気に物語に引き込む、素晴らしい作品たちだった。

ご参考になれば幸いです!

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