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【やりたいことの見つけ方】27歳の塩職人に学ぶ完全天日塩作りの魅力(田野屋銀象・前編)| SAYULOG meets JAPAN #005 高知編

「SAYULOG meets JAPAN」シリーズ最初のロケ地が高知に決まりかけていた2月初旬の東京で、ひょんなきっかけで、ひとりの塩職人さんとご縁を繋いでいただくこととなった。

完全天日塩職人、田野屋銀象との出逢い

田野屋銀象(たのやぎんぞう Ginzo Tanoya)氏、27歳。
聞けば、完全天日塩のオーダーメイドや、塩の作り分けの第一人者として世界中の一流シェフ達からもリスペクトされている田野屋塩二郎(たのやえんじろう Enjiro Tanoya)氏を師匠にもつ彼は、独立し、高知県土佐市の海岸沿いでいままさに自身の製塩ハウスを建設中であるという。


高知のことを調べているときに、私の大好きなNHKの「世界はほしいモノにあふれてる(通称:せかほし)」の高知特集がされていた。その中で、高知には「天日塩」という塩作りが盛んな地域があることを知っていたので、知人たちに「天日塩作りを取材したい」と片っ端から相談していたものの、実際の職人さんとの繋がりにたどり着けていなかった頃だった。
私、なんてラッキーガール!

銀象さんとのご縁を始め、高知の数々の取材先とのご縁を繋いでくださった土佐和紙のモリサさんには、この場を借りて改めて深く御礼申し上げます。
モリサさんの土佐和紙取材動画も後日公開予定ですので、乞うご期待!


というわけで、今回特別に、施工真っ最中の田野屋銀象製塩ハウスへお邪魔してきました!

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世界初!地下海水で天日塩作り

細かいことは、動画で銀象さんご本人が詳細に語ってくださっているので、ぜひぜひSAYULOGのYouTube動画をご覧いただきたいし、今回の記事ではYouTubeでは表現しきれなかった私の思いや裏話を中心に書きたいと思う。

銀象さんの製塩ハウスの地下水は「地下海水」と呼ばれる、海水が混ざった地下水で、さらにここの地下水は、先日「仁淀ブルーを観に行こう!」と意気込んで行ったにこ淵でもおなじみの、高知を流れる清流「仁淀川(によどがわ)」の伏流水が通っているそう。

◆「仁淀ブルー」が見られるにこ淵へ行ってみた動画はこちら


銀象さんは、車で走ると端から端まで約5〜6時間かかる高知の海岸線を、東西全てひとつひとつ丁寧に周っては、自身の目指す塩作りに最適な土地を時間をかけて探し回ったという。そこでようやく見つけたのがこの場所。

製塩ハウスをドローンで撮影すると、ビニールハウスの目の前には海岸線を走る道路と堤防があり、そのすぐ向こう側には太平洋が広がる。

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何がすごいって、3年間の修業を経て師匠から独立を許された後に、この場に辿り着き今日に至るまでさらに2年の月日がかかったという。この地は、銀象さんがそれだけこだわり抜いて必死に探した場所なのだ。

27歳の私にそんなに根性があっただろうか。この時点で銀象さんの覚悟には頭が上がらない。

塩作りには汽水がピッタリ

銀象さんの師匠である塩二郎さん曰く、塩作りには汽水(海水と淡水が混ざったもの)が適しているという。汽水には山のミネラルが豊富に含まれているといわれ、牡蠣の養殖などでも使われるそうだ。現に師匠・塩二郎さんもご自身の製塩所はあえて仁淀川の河口を選んでいるという。

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「塩はゆっくり育てないとおもしろくない」

撮影中、銀象さんの口からは無駄なエピソードが一切出てこない。どれもこれも本当に興味深く、しかも適切な解説だ。そして時折、「この人には塩の神か何かが降臨してるんじゃないだろうか?」と疑いたくなるような名言が飛び出す。この動画の編集中に何度も何度も素材を観たけれど、「この人はなんて塩が大好きなんだろう」と、言葉のひとつひとつに塩への愛情が溢れていた。

製塩ハウスには、”田野屋スタイル”の塩作りのメインで使用しているビニールハウスの他に、「採鹹ハウス(さいかんハウス)」という、海水をビニールハウスに振らせ、塩分濃度を一気に効率よく上昇させるための施設がある。実はこの施設の建設コストが最も高くつくという。

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そんな高価な「採鹹ハウス(さいかんハウス)」の説明中の銀象さんの言葉は、職人らしさを覗かせた。

「これを使うと、お塩があっという間にできちゃうんで、面白くない」
「お塩はゆっくり育てていきたい」

コストをかけたから率先して使っていこう、というのではない。
銀象さんが目指すのは「おいしいお塩をつくる」。
ただそれだけ。

生産効率は悪いかもしれない。
でも、その思いはとてもシンプルで、物事の核心をついている。
この人に「育ててもらう」塩はどんな気持ちだろう。
この人に育ててもらった塩はどんな味がするんだろう。

完全天日塩「仕事の流儀」 〜やるべきことはたった3つ〜

このタイトルで匂うように、先日観た「プロジェクトX」に若干影響されている私。これを書いている私の脳内で流れるBGMはもちろん言うまでもなく、スガシカオである。

いよいよ塩作りのメイン、製塩ハウスへ。

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銀象さんによると、完全天日塩作りには3つの仕事がある。彼ら職人さんがするのはこの3つの仕事。

①海水を混ぜる

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②海水を注ぎ足す

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③窓の開け閉めで、気温と湿度を調整する

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これら、それぞれの工程にどれだけの時間と愛情を注いでいるかは、ぜひYouTube本編をご覧いただきたい。銀象さんのこだわりの製塩ハウスと塩作りへの思いは、YouTubeとnoteで前後編に渡って発信するので、お塩に対する真摯な愛がみなさんに少しでも届いたら、私も嬉しい。

続きはYouTubeで!

◆前編
【社会科見学】27歳の塩職人!世界初の地下海水で完全天日塩 人生を賭けた田野屋銀象の塩作り -前編-


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最後まで読んでくださってありがとうございます。

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