セクハラからの立ち直り方②(3年経過)

こんにちは。

私の記事の中で、ずっと長くほそぼそと呼んでいただけている記事があって、それが「セクハラからの立ち直り方①」というものです。

というのも、私自身がセクハラに遭い、それがきっかけでうつ病になり、退職したという経験があり、その辛い経験から立ち直りかけているときに書いたものでした。

正直、セクハラによる後遺症で苦しんでいた時、「セクハラとはこういうものです」とか、「セクハラに遭ったらここに相談してください」みたいな情報はあったのですが、そこからどうやって立ち直ったのかという情報がほとんどなくて、途方に暮れていた自分自身の経験がきっかけで書いたものでした。同じような経験をした(あるいはしている)方に読んでもらって、少しでも楽になれたり、未来に向かって希望が持てるような情報になればよいと。

ただ、正直①の記事を書いたときは、私自身もまだ辛い状況で、思いの丈をぶつけるみたいな勢いもあったなと思います。書くことで自分自身も救われる、みたいな。

でも、noteをしばらくお休みしていた期間もずっと読んでくださっていた方がいたのを知って、改めてどれほどセクハラに苦しんでいる人がいるのだろうかと考え始めたことで、続きの記事を書こうと思いました。

前回は、「立ち直り方」と題しながら、しっかりとした対処法とかがあまり書かれていなかったのが気になりましたので、セクハラから3年が経過し、鬱もよくなり、ちゃんと社会復帰もできた今の状態で、当時を振り返りつつ私なりの立ち直りプロセスを書いてみます。

セクハラ環境からは3か月で異動、休職、そして退職までの一番ひどい時期をどう過ごしたか。


私の場合は、転職して3週間でセクハラに遭い、その会社にはその後半年勤めましたが、鬱がひどくなって休職し、その後1年弱の休養期間を経て辞めました。

ちなみに、会社は東京にありましたが、休職したタイミングで実家がある東北地方に戻り、そのまま実家で過ごしていました。

私の場合、正直実家とも折り合いが悪く、実家に帰りたかったわけではありません。でも、自分でまともにモノが食べられなくなり、ベットから起き上がることもできなくなって、初めて本気で生命の危機を感じ、ぎりぎりの判断と最後の力を振り絞って親に連絡し、とりあえず帰ることになった次第です。

「自分には生まれ持った居心地の良い温かい家族なんてないよ…」という方、私も同じ状況でしたが、死ぬよりは一度頼ってみましょう。セクシュアルハラスメントをしてくる最悪な環境から逃れるためなら、何でもしてみていいと思います。人によっては実家を頼ることも究極の選択かもしれませんが、体調の悪さによっては一人では解決できない場合もあると思うので、いろんなものをほっぽり出して逃げてみましょう。

私は休職した当時かなり判断力や体力が弱っていて、東京で住んでいた賃貸の解約等も自分でできず、親がやってくれるわけでもなかったので半年くらいは住んでないのに家賃を払い続けていました。その分確実に貯金は減りましたが、やっぱり死んでしまったらすべてが無くなってしまうので、もうなりふり構わず逃げました。(私は貯金100万円もなかったですが、家賃7万だとしてもそれ以外の経費が掛からなければなんとかなります。)

実家に帰った後は、孤独感と不安感が強くて、家に一人でいると絶え間なく嫌な記憶のフラッシュバックが起こったり、まだ起こっていない起こるかもしれない怖い出来事への不安で吐き気がして眠ることもできず(というか完全なる不眠症でしたが)、そとをふらふら歩き回る日々でした。

そんな時癒されたのが、「自然」です。小さな公園に植えられている木々や花、そして芝生や雑草の育成までが、私にとって嫌なことや不安なことから切り離してくれる興味の対象になりました。

実家があるのが田舎町だったので、歩いていける範囲に河川敷があったり、林っぽい道があったり、とにかく自然に触れられる環境にいることが、一番の安らぎであり逃げ場になりました。

その他、私がハラスメントの記憶から逃れることができた場所やシチュエーションを上げてみますね。

・ネイチャー系のテレビ番組(ほのぼのする系。自然の厳しさを教えるみたいな番組は具合が悪くなることもあったので無理してみなくてよし)

・お洒落な雑貨を見ること(完全に女性性の強い世界で、こころがときめくようなものに触れる)

・動物の写真集(猫でも犬でも小鳥でも。大抵優しい世界に仕上がっているので安心できる)

・高校野球中継(そのほかスポーツ中継もあり。セクシュアルな話題がほとんど出てこないことに気がついた)

・鳥の観察(たぶんすずめくらいなら全国どこにでもいるので、じっと観察してみるとそのほかのことを忘れられた)

・イオンをぶらぶらする(平日の昼間でもほどよく人がいて、お年寄りやファミリー層が多いので安心感がありました)

・100均をぶらぶらする(いろんなものがあって面白く、安いのでお金を使う罪悪感にそれほど悩まずにすみました。私はここで今でも続く趣味に繋がるハンドメイドに出会い、心の回復にぐっと役立ちました)

逆に、一番ひどい時に自分の状況を何とかしようと本を読もうとしたり、ニュースやドラマを観るのはやめたほうがよいです。

鬱状態がひどいときは、脳が疲れ切っているので、情報を処理するのが本当に大変です。私は、自分でお湯を沸かして何かを飲むということも困難でした。(「何かを飲む」ということは、「やかんを取り出す」→「蛇口にもっていく」→「水を入れる」→「コンロにもっていく」→「火をつける」→「火加減を調節する」→「湧いたら火を止める」→「注ぐ」という作業の連続で成り立つ行為なんだと初めて気がつきました。普段何気なくやっていることはすべて、膨大な情報を処理した結果成り立っており、鬱状態のときはそれがもの凄く大変なことに思えてしまったり、うまくできなくて絶望してしまったりしてしまっていました。)

そんな時は本を読むことは大変な重荷になりますし、ニュースはネガティブな情報の宝庫で気持ちが沈んでしまいます。

また、セクハラならではの辛さが、セクシュアルな情報に触れることが負担になることです。でも、世の中がいかにセクシュアルな情報であふれているのということも、その時私が実感したことでした。

テレビドラマもアニメも、恋愛やら性的なコンテンツが必ずと言っていいほど入っています。洋画や海外のドラマはもっとです。

セクハラに遭うまでは気にもしていなかったことでしたが、ハラスメントで苦しんでいるときは本当に気持ち悪いなと思いました。

なので、こういったものに極力触れないように、思い切り引きこもって過ごしました。スマホもやらない、テレビも無理して観ない。

ただ、不眠で仕事もしていないと何もしていない時間があり余り過ぎて、つい何かのコンテンツに手を伸ばしたくなってしまうのですが、ある程度元気になるまでやめておいたほうが良いと思います…。

精神科との付き合い方


また、鬱状態になったときにどうしても必要なのが、精神科です。

やっぱり、症状がひどくなってしまうと、対症療法だけではなかなか回復が難しいこともあると思いますし、不眠などには薬でのアプローチも一定の効果がある場合もあるので、私は今でも通っています。ただ、鬱症状はもうほとんどなくて、薬をやめる方向に少しずつ向かっていますが、転職・引っ越しなど環境の大きな変化があるので自分自身の判断でまだ続けています。

ただ…。

いいお医者さんって、本当になかなかいないです。(逆に精神科医に会うと消耗することが多い…汗)

私は親につれていかれたり自分でも数軒メンタルクリニックを回りましたが、セクハラを本当に理解してくれた医者はいなかったですし、結局今でも「精神科医って嫌いだな」と思います。

なんで精神科に限って心無い医者が多いんでしょうね…。心が弱ってるときに嫌な人に会わなきゃいけないのは大変だと思いますが、薬のためと割り切ってとりあえずマシな医者に落ち着いてしばらく通ってみることをお勧めします…。でも、セクハラへの理解は求めないほうが自分が傷つかなくてよいかもしれません。

私の場合は合う薬が見つかってからは一定の効果があり、まあ薬が絶対ではないのですが、休養と合わせて1年くらいでだいぶ良くなりました。

この回復までの辛い期間の長さも、本当に人によって違ってくると思うのですが、ハラスメント環境から離れられれば徐々に良くなることは間違いないので、希望を持ってくださいね。

ハラスメント環境から簡単に離れられそうにない方や長く休みをとれなさそうな方でも、友人や家族、パートナー、そして当たり前ですが職場にまともな理解者が少しでもいてくれるような状況であれば、乗り越えられると思います。私の場合人脈が少なく、リアルな理解者がほとんどいなかったので、追い詰められてしまいましたが、まあなんとかなりました。

退職後、非正規でまずは再就職し、またやりたいことやろうと思えるまで!


退職した時点で結構よくなってはいたのですが、完全無職の期間が2か月ほどありました。やはり独身でまだ20代だったので、ちゃんとしたところに就職しなおしたいなという気持ちもあったのですが、コロナもあり、まだ引っ越しをしてまで仕事を求められるほど回復はしていなかったので、実家から通える範囲の職場で非正規事務員として働き始めました。

これが本当にリハビリにぴったりの仕事で、一日実働7時間、仕事は簡単な作業が多く誰にも邪魔されず一人で集中して取り組むことができ、それでいてほどよく職場の人とも交流があったので、正常な環境で働く感覚と自分への自信を取り戻すことができました。

セクハラ以外でも体調不良を経験した人には、復帰のタイミングで無理をしないのが本当に大切だと思いました。

でも、普通の会社で時短勤務とかだと気を遣ってしまいかえって消耗してしまう人もいるかもしれないので(たぶん私自身もそうなったかもしれません)、いっそあまり責任を負わず気楽に働ける場所に転職してしまうのもありなのかもしれません。そう思うと、楽になりませんか?

ハラスメントで弱っている人にお伝えしたいのが、あなた自身がまともな人で、そしてありのままの力を発揮でき元気でいられる状況がまたくれば、将来は絶対大丈夫だということです。私はその後、9か月間非正規事務員をしていましたが、毎日を頑張っていたら良いご縁がひょいっと表れて、現在無事に実家や田舎を脱出してほどよい地方都市で会社員をやっています。

「本来の自分を取り戻す」、ハラスメントから立ち直った先のゴールはそこではないでしょうか。

本来の自分を取り戻すことこそが一番の幸せであり、ハラスメントしてきたやつを踏みつけられることであり、良い道へ歩んでいくための標識であるように思います。

「本来の自分だな」って思える瞬間が増えるまで、ゆっくり休んでくださいね。あなたはハラスメントで人を苦しめるような奴よりも絶対によい人生を歩めます。なので安心して逃げてください。頼れるもの、使えるものは何でも使い、自分の陽の感情が揺さぶられるものと付き合ってください。


終わりに


本当につらい状況にいる方は、この記事を読むのも大変だったと思います。

読んでくださって、本当にありがとうございます。

今日この後、少しでも気持ちが軽く過ごせますよう祈っております。

何かのお役に立てたら幸いですし、改めてより多くの人が苦しまなくて済む社会になってほしいなと思います。

でも自分の幸せを最優先に、のんびり生きていきましょう♪

いってらっしゃい、あるいはおやすみなさい。


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