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PLG(Product-Led Growth)ってなんぞや??セールスが売るからプロダクトで売る時代へ!
#読書感想文 著書:「Product-Led Growth」
PLGとは、エンドユーザーにフォーカスした成長モデルであり、プロダクトを主要ドライバーとして活用して、顧客の獲得、コンバージョンおよびエクスパンションをおこなう
そんな、ユーザー起点で活動を行うことができる素敵なモデルがあるのを知って、著書「Product-Led Growth」を読んでみました📙
■目的
・「SLG」と「PLG」の違いを理解する
・「PLG」で求められるカスタマーサクセスを理解する
■目次
0. はじめに
・著書「Product-Led Growth」の概要
1. 「SLG」と「PLG」ってなにが違うの??(ちがい4つ)
・ACV(Annual Contract Value)のちがい
・生産性/コスパのちがい
・ビジネススケールのスピードのちがい
・プロダクトに対する各部署の向き合い方のちがい
2. 「PLG」で求められるカスタマーサクセスとは??
・取り組むべき課題の特定の仕方&優先順位づけ
・CSは現在地と求められる成果のギャップを埋める役割
3. まとめ
0. はじめに
著書「Product-Led Growth」の概要
・SLGとは、プロダクトにセルフサービス機能はなく、ユーザー獲得までの一連の営業プロセスを、セールスチームが担うGTM戦略のこと。
・PLGとは、ユーザー獲得、アクティベーション、リテンションをプロダクトそのものが担うGTM戦略のこと。
・SaaSビジネスを取り巻く3つの社会変化が起き、その変化に対応するビジネスモデルが「PLG」
∟ 変化①:顧客数獲得に対してコスパ🔺
[↗️ up] CAC(Customer Acquisition Cost)
[↘️ down] ARPU(Average Revenue per User)
∟変化②:近年SaaSが一般的になってきたことで、顧客は自ら実際に使って試してみることを好むようになった
∟変化③:顧客を購入に導く役割はプロダクト内で完結することが重視されるようになった
・SaaSといっても全てのビジネスに一概に適応することはできない。それを理解した上で、自社のビジネスを理解し、適切なGTM戦略(Go-to-market:3つのモデル)を見極める必要がある。
∟ モデル①:フリートライアル
∟ モデル②:フリーミアム
∟ モデル③:デモ
・モデルを見極める際にはMOATフレームワークを用いて最適なGTM戦略を立てていく。
∟ Market Strategy
| ドミナント型成長戦略では、フリーミアム、フリートライアルが◯
→競争優位性は、コストを抑えつつ、コンペティターがマーケットシェアを奪い取るのを防ぐことができる点。
| 差別化型戦略では、フリートライアルやデモが◎
→競争優位性は、顧客の課題解決。
| ディスラプティブ型成長戦略では、フリーミアムが◯
→競争優位性は、低価格な点。
∟ Ocean Condition
| ブルー・オーシャンのビジネスは、SLGのGTMで成功する傾向にある
| レッド・オーシャンのビジネスは、PLGのGTMで成功する傾向にある
*レッド・オーシャンの場合、ファネルを広げ、CACを引き下げ、グローバル展開ために、PLGモデルを取り入れ、迅速かつ効率的に成長する必要がある。
∟ Audience
| トップダウン型販売戦略では、SLGのGTMに適する傾向にある
| ボトムアップ型販売戦略では、PLGのGTMに適する傾向にある
∟ Time-to-value
| 新規ユーザーに、プロダクトの売りとなる価値をできるだけ早く体験してもらうことが重要。ユーザーへ成功を体験してもらうのはコントロール可能な範囲。(←最適化プロセス(=トリプルAスプリント)&オンボーディング戦略)
1. 「SLG」と「PLG」ってなにが違うの??(違い4つ)
※前提
・SLGが適しているのは、ブルー・オーシャン/トップダウン型
・PLGが適しているのは、レッド・オーシャン/ボトムアップ型
ACV(Annual Contract Value)のちがい
・SLG
[pos] LTVが高い顧客を獲得することができる。
[neg] 高いACVのクライアントがチャーンした場合、ARRに大きな影響を及ぼす。
・PLG
[pos] チャーンしたとしてもARRに対するインパクトは小さい。(※CRR(Customer Retention Rate)を5%上げると、売上を25~95%も上げることができるため、チャーン防止策は打つべき)
[neg] ARPUはSLGと比較すると低い可能性があるため、ACVも低い可能性がある。(※プライシングによって左右される)
生産性/コスパのちがい
・SLGは、高いCAC(Customer Acquisition Cost)と低いRPE(Revenue Per Employee)であり、労働集約になりがち。
・PLGは、低いCAC(Customer Acquisition Cost)と高いRPE(Revenue Per Employee)であり、生産性高め。
ビジネススケールのスピードのちがい
・SLGは、新たな領域でプロダクトを立ち上げる際には最適な手段。ただし、ユーザーの問題解決へのアプローチ方法をゼロから変える必要がありい、ユーザーにこれまでと異なる方法を啓蒙する必要もあるため時間がかかる。
・PLGは、セールスサイクルをプロダクト上のデータから分析することが可能なため、短いセールスサイクルを回すことができる。売上予測の精度を高めることが可能。
プロダクトに対する各部署の向き合い方のちがい
・SLGは、プロダクト開発がセールスよりも劣後されてしまうリスクが高くなる。
・PLGは、全ての部署においてプロダクトを軸に組織を率いる。プロダクトチームがビジネス全体に関わることで、各部署が一体となってシームレスなCXを生み出すことが可能になる。
2. 「PLG」で求められるカスタマーサクセスとは??
取り組むべき課題の特定の仕方&優先順位づけ
顧客に喜ばれるプロダクトを開発し、プロダクトを成長させることがビジネスの成長に繋がる。持続的な成長を実現するためにトリプルAスプリント(Analyze/Ask/Act)という、プロセスモデルを用いると効果的。
優先度をつける際にはICEメゾット(Impact/Confidence/Ease)を用いて採点を行う。ICEメゾットでアイディアをフィルターにかけ、もっとも影響が高いアイディアを1,2つ導入する機会を見つける。
ビジネスをアジェストする3つのレバーのマルチプライヤーの公式は下記の通り。
解約率<ARPU<顧客数
正しいインプットを取り入れば、アウトプットもビジネスも成長する。
CSは現在地と求められる成果のギャップを埋める役割
マーケティング費をかけずに業績を伸ばすシステムの一つにボウリングレーン・フレームワークというものがある。オンボーディングを成功させ、無料ユーザーから有料ユーザーへコンバージョンレートを上げることが見込める。自社サービスでユーザー層の拡大を図る際も、用いることができるフレームワーク。
ボウリングレーン・フレームワークは2種類のアプローチ(プロダクトバンパー/コミュニケーションバンパー)がある。
▼設計プロセス
Step1. ストレートラインを開発する
❶現在地と求められる成果までの道のりを描く
❷各ステップにラベルを付ける
*ユーザーが求める成果に着くための最短距離から着手する
∟ 必須ステップ
∟ 後回し可能な拡張機能
∟ 除外可能なステップ
❸ストレートラインを構築する
Step2. プロダクトバンパーを作成する
*ユーザーが自らプロダクトを導入できるサポートする
Step3. コミュニケーションバンパーを作成する
*ユーザーを啓蒙する役割を担い、アプリへの再訪や有料版へのアップグレードを働きかける
3. まとめ
従来のSLGモデルでのカスタマーサクセスは、ロータッチ/ハイタッチを両立させることが、ビジネスグロースに求められていた。一方、PLGモデルでは、プロダクトで完結できることを軸にCSは活動していく。イメージとしてはカスタマーマーケティングに近しい、むしろカスタマーマーケティングと同義な気がした。
とはいえ、手段と軸が異なるものの、初期フェーズではご利用いただくユーザーの声を一番近くで拾い上げ、プロダクトにFBしていくことがCSに求められるんだろうな、と思った。SLGもPLGもどちらもCSの醍醐味はお客様と一番近いところで、生の声を拾い上げ、理想の状態に向けてフォローアップしていくことだと思う。
今後SaaSで成長していくには、今まで以上にお客様のペインの深さに刺さるソリューションを提供していくことが求められると思う。
nice-to-haveのプロダクトは従来通りSLGで労働集約的に活動し、must haveなプロダクトは最初啓蒙活動が必要な場合もあるため、最初はSLGを取り入れつつ、いづれはPLGに移行することができ、コスパ良くビジネスを成長させることができると思う。
(感想)
SaaS事業をPLG戦略で展開している会社の方とお話をさせていただく機会があり、「PLG」について教えていただいた。SlackやZoomが近年急成長した理由の一つだと知り、なんて革新的なんだ!もっとちゃんと理解したい!と思い本を読んでみました🥸
自分が知らないだけで、世の中には今まで常識だと思っていたことを覆すような多様なモデルがあるんだ!と勉強になった。
まだまだ自分は井の中の蛙だと改めて気づくことができてラッキー。カナダで貿易資格を取るために、経営や戦略、アカウンティングなど勉強してた時のとっても面白かった記憶が蘇ってきた!今後もビジネス基幹になることを勉強し直していこ〜🐣
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