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早すぎる「子の不登校問題」③ 保育園に行けなくなった時に大事なことまとめ

2023年1月に、3歳の娘が転園した新しい保育園に馴染めず「登園拒否」になってしまい、その悩みをSNSで発信したところ、本当にたくさんの反響をいただきました。

忘備録記事はこちら↓

「うちの子もそういう時期があったよ」という共感とアドバイス、「私自身もかつて登校拒否児でした」という当事者目線の意見。いただいた声の一つ一つがあまりにも濃厚すぎて、それだけで取材記事が書けてしまいそうだと思っていました。なので、その時の私自身の学びをまとめた記事を書いてみようと思います。今まさに悩んでいらっしゃる方に届いて、少しでも参考になれば良いなと思っています。

1. まずは、子供がちゃんと「嫌だ」と声を挙げられている、その状態が素晴らしい

娘をそもそも保育園に「連れて行く」ことができず、平日はほぼ自宅で娘と2人きりで過ごすことが苦痛だった私にとって、まず一番励まされたのは

「娘ちゃん、自分の気持ちを言葉にできててすごい!」
「行きたくないって感じて、それを体現する心と体をもっててすごい!」
「愛いっぱいに安全基地でいてあげられているおかあさんもすごい!」
「ちゃんと色々考えて、娘ちゃんの気持ちを汲み取ろうとしているだけで充分すごい!」

という声でした( ; ; )

一見こういうのはただの励ましで、なんの解決にもなっていないかもしれない。でも、子育てにおいて最も重要な基盤となる考え方であり、それをちゃんと腹落ちさせて認めることが全てのスタート地点なのではないかと思いました。

娘の場合、「だれも好きなおともだちが来ないから」「しらないおともだちがいっぱい来るから」と、理由をはっきり言語化できていました。朝、全力で力の限り訴えて抵抗できていました(笑)。それは本当にすごいことです。自分の感受性を正直に表現できてるということだから。環境に馴染めないのは、ついつい「困った行動」と認定してしまいがちだけど、悪いことじゃないんです。本人の素直な行動なんです。

親は特に「今からこんなに脱線してて、この子将来どうなるんだろう?」とか、「仕事に穴を開けて、どうやって穴埋めしよう?」とか、「私の育て方に問題があった?」とか、未来や過去のことを考えがちですが、親も自分や周りを責めずに「今」を一旦認めること。簡単じゃないからこそ、一番大切なことだなと思いました。

2.その子の特性を認め、それに合った接し方をする。周りの子と比べたり、一般論を意識しない

次に大事だなと思ったのは、しっかり「その子自身」を観察して、個性と特性を見極め、「その子」に合った接し方をする必要があるということ。「周りの子はできているのになんで?」と比べるのは無意味だし、「こういう時にはこうすべき」という一般論もまったく通用しない場合があるというこです。

娘の場合、この件で「繊細さん(HSP)」の気質を持っているということがわかりました。娘の今までの行動も腑に落ちて、とても納得し、楽になりました。そして、ありがたいことに自身がHSPだという方にアドバイスをいただいたり、HSPに対する理解もぼちぼち得られている世の中になっているので、専門家による対処法をネットで見つけることができたり、大変助かりました。

詳しくはひとつ前のこの記事↓

現時点(4月)では、娘は毎日笑顔で登園できるまでになりました。娘は「自分が知らない、相手も自分のことをよく知らない、すでに出来上がっている大勢のコミュニティに1人で飛び込むこと」が恐怖だったようです。その証拠に、毎日少しずつお友達や先生の名前を覚えてきて、ほぼクラス全員の名前が言えるようになった頃に、怖がらずに行けるようになりました。「相手のことを知る、覚える」というプロセスが、彼女にとって重要だったんだと思います。そして、肝心の「教室の場所」が変わる4月のタイミングでは全く問題がなかったことからも、「空間」ではなく「人」の変化に敏感だということがわかってきました。

こういうのは、結局「人それぞれ」としか言いようがないかもしれません。その子自身を観察してわかっていくしかないです。「子育てに正解はない」などとよく言いますが、それは「社会一般の中で“これが正解!”と通用する答えがもはや無い」という意味であって、「その子」に対する唯一無二の「解」は必ずあると私は信じています。

ちなみに、皆さんからいただいた「うちはこうやって乗り切ったよ!」という具体的対処法も、娘にはあまり効果なかったりしました(笑)これらのtipsが効果的な人もいると思うので、参考までに挙げておきます!(みんなありがとう!)
 ↓

・保育園のロッカーに好きなキャラのシールを貼らせてもらい、それを見に行くのを楽しみにさせた
・家で作った工作とかを、「◯◯先生に見せよっか!」と言って自慢げに持たせて登園させた
・いったん保育園から離れて、大自然に触れさせて、とことん遊ばせた
・遅刻してもいいから、「車で寄り道してから行こう♪」と楽しいところに遠回りしてから園に向かった
・夫に協力してもらい、朝の登園を夫婦2人で連れて行くことでご機嫌にさせた
・園(学校)のお友達に頼んで、来てね〜って手紙を書いてもらう

娘の場合、朝の勇気づけに最も効果あったのは「食べ物」でした(笑)。小さい水筒に入れたコーンスープを保育園の門をくぐる前に飲む、車の中でチョコや金平糖などをちょっと食べてから行く…など。「食で自分の心を満たす」タイプのようですね、これも娘の特性と言えるかもしれません。将来ストレスを食で発散するタイプになりそうで不安ではありますが(笑)、まあこれも未来のことを心配しても意味ないので、今だけを見ることにします ^^;

✳︎怖い先生がいるなど、園に問題がある場合…親はとにかく絶対的な味方になってあげる

娘の場合、保育園や先生に特に問題はなく、娘の勇気だけの問題だったのですが、「あの先生が怖い」「あのお友達に意地悪される」など、人間関係で明確な問題を抱えている場合もあると思います。

その場合は、とにかく親が子供の味方になってあげることが大事だと思いました。先生に事情を説明して接し方を工夫してもらうとか、お友達との間を取り持ってもらうとか、具体的な行動も大事だし、何より「あなたが悪いわけじゃないよ」「ママ(パパ)はあなたの気持ちちゃんとわかってるよ」と言ってあげることが、何よりの改善になるのかなと思います。

これは、「自分が子供の頃に幼稚園に意地悪な先生がいて、誰に相談していたわけでもないのにママがある日それをわかってくれて、先生にその場で直談判してくれ、そこから怖いものがなくなった!」という友人の体験談でそう思いました。味方がいると言う自信はものすごく大きいですよね。自信を取り戻せば、保育園でも無敵になります。

逆に、「先生の言うことは聞かないとダメだよ」「それはお前も悪い」「わがまま言っちゃいかん」などと子供を責め立てると、子供は頼れる場所を失ってどんどん自信を無くしていくばかりです。

✳︎園に行かないことで親がしんどくなってる場合…最初の1ヶ月くらいは、無理やり連れて行くのもアリ

子供のペースを見守るのが大事とはいえ、働く夫婦にとって仕事ができないのはとにかく困る!!保育園に行ってもらわないと職場にも迷惑かけるし、罪悪感や焦りを抱えながら1日子供と過ごして、その時間が辛いと思ってしまったり、子供に辛く当たってしまったりしては、本末転倒。親の罪悪感や焦りが子供にも伝わってしまいます。「先生が怖い」などの問題が特にないのであれば、朝子供がちょっとかわいそうでも、ある程度無理やり連れて行って様子を見るのは全然ありだということも学びました(笑)。

私は特に、「娘の意思を尊重したい、勇気が出るまで待ってあげたい」という思いが強すぎて、無理やり連れて行くということがなかなかできずにいました。というか、娘の意思と力が強すぎて、物理的にどうしても無理でした(笑)。ほぼ登園拒否の日々が1ヶ月ほど過ぎたあたりで、鬱々した日々に限界を感じ、夫婦で協力して、「無理やり連れて行く」を決行しました。毎朝壮絶でしたが。。

その時、「○時を過ぎても無理だったら諦める」「○ヶ月まで続けて、それでもだめだったら他の方法を考える」など、完璧を目指さず余白を持っておくことも大事。我々の場合は、週に一回は必ず積極的に休みにする日を設けて、週4の登園を目標にしていました。1ヶ月半ほど続けるうちに徐々に慣れていき、笑顔で行ける日が増えてきました。

子供自身の勇気が出るのを待つと言っても、3歳の子供にとってはけっこう酷な話かも。ある程度無理やりその環境に置かれることで、自分の力で慣れることができる場合もあるのかなと思います。たとえそれで結局合わなかったとしても、「自分の感性と、周りの人々の常識は違う」と自覚できることも、本人にとっての大切な気づきになるんじゃないかな。

3.結局、親は親の人生をしっかり生きた方が、子供も心地よく生きられる

最後に、これもとても本質的で大事な気づき。「子供は、結局子供自身で問題を解決して行く。親ができるのは信じて見守る&待つことのみ。その間に自分の今の人生のことを考えよう」ということです。

これは、占い師の友達とか、スピリチュアルな生業の友達に言われてはっとしたことでした。占い師の友達の元にも、子供が不登校で…という悩みはたくさん寄せられるみたいなんですが、それのほとんどが「動揺しているのは親の方」なのだそうです。子供自身は、学校に行かない方がむしろ幸せ、学校が必要じゃ無いパターンが多いそうです。

そして、もう1人の友達から「私が本当にやりたいことをなかなかやってないから、娘ちゃんが鏡になって体現してくれてるだけ。早くやりたいことやりなよ〜」とも言われました。

めちゃくちゃ思い当たるので、娘がちょっと慣れてきたかなという頃に、自分のやりたいことを少しずつやって行くことにしました。具体的には、クライアントワークとして受けているデザインやイラストの仕事のほかに、アートとして自分が描きたい絵を描く、ということをやりました。日々の暮らしの中で少しずつ描いているうちに、娘は1週間のうち全ての日を泣かずに笑顔でいけるようになっていました。因果関係が果たしてあるのかは謎ですが、私の心も安定していたのは確かです。これから先の仕事の展望も前より具体的にすることができました。

「子の行いに対して悩んだ時こそ、親は自分の人生のことを考えるべき」なのだと思います。子供のことを知ったり、環境を整えてあげるのは大事ですが、それさえ整えたら「あとは必ず大丈夫」と信じて待つだけ。「待つ」って意外と難しいことですが、子供に向き合いすぎてるな〜と感じた時は、自分のことに目を向けて考えてみるといいかもしれません。それが子供にとってもwin-winになるはずです。


長々と読んでいただきありがとうございました!

娘はまだ3歳なので、これからもいろんな問題に直面すると思います。その時、私自身もここに書いたことをもう一度思い出して、ゆっくり向き合っていけるといいな。

私の気づきが誰かの気づきのきっかけになれば、より嬉しいですm(_ _)m