見出し画像

早すぎる「子の不登校問題」①保育園の不登園は、働く家族全員の問題

▼この記事は2023年1月にSNSでシェアしたものです。もう解決済みですが、とても反響があったので、まとめの記事とともに残しておこうと思います。


娘が保育園に行けない。

この1月から、これまで通っていた0〜2歳児小規模保育園を出て、5歳児までの大きな保育園に転園(編入)しためいちゃん。

1月に入ってから、計4日しか行けていません。

初日から慣らし保育もせず17時まで通わせてしまったけど、その日は拍子抜けするほどスムーズにニコニコと登園できました。でも次の日の朝、外に集まって体操の準備をしている園児達(別のクラス)の群れにおののいて、教室に入るかなり手前で、足がすくんで動けなくなってしまった。その日は担任の先生に廊下まで迎えに来てもらい、半ば無理矢理抱き上げ大泣きのまま連れていってもらってなんとか行けました。「教室に入ってしまえば、しばらくすると泣き止んで、楽しそうに過ごしてましたよ」と先生には言ってもらえたのですが。その次の日から、保育園に「行けない」日がほとんど続いています。

朝、着替えることも、玄関に辿り着くことすらできない。どんな工夫を使っても、説得しても、親がお仕事できなくて困るんだよということをオロオロ訴えても、イライラして怒ってしまってもだめ。登園のタイムリミットをすぎて、欠席の連絡をし、なんとか仕事をやりくりしつつ、ほとんど家でダラダラ遊んで過ごす日々(天気が悪くて寒いので公園とかに行くこともできず)。

1〜2歳の頃とは違う「恐れで足がすくむ感じ」がある

これまでの小規模園でも、登園拒否をする期間はそれなりに(毎年5月くらい、計2期間かな?)ありました。保育園の入口で嵐のようにギャン泣きするめいちゃんを意を決して置いてきたことも何度もあったし、あまりにもひどい日は「今日はおやすみ」と諦めて好きに過ごす日もあった。

でも、その頃はまだまだ赤ちゃんみたいなものだったから。泣いてても抱っこして連れていくことができたし、行きたくない理由が「おかあさんと離れたくない!おかあさんがいい!」という単純なものだったので、そのぶんの愛を埋めるようにギューして「おかあさんもお仕事がんばるから、めいちゃんもお仕事がんばってね!」と伝えれば、あとは時間が解決してくれてなんとかなった。

でも、今はもう3歳。ただの「かんしゃく」的なものではない、心の動きがよくわかるようになっている。すでに出来上がっている同い年の知らない子のコミュニティを前にして、足がすくんで、おそれおののいて、勇気が出ずに逃げてしまい、そんな自分と葛藤しているのがわかる。行きたくない理由を尋ねると、「だれも大好きなおともだちが来ないから」とハッキリ言っていた。行きたくない時に「ちがうんよ!しまじろう見てから行こうと思ってたんよ」などという高度な(?)言い逃れもできる年齢になっている。めいちゃん本人も、「行かなきゃいけない場所に行けていない」ということは重々わかっていて、ちょっと情緒不安定気味。なぜか「夜が来る」ことを異様に悲しむようになって、薄暗くなった空に気づくと、「夜いやだ!朝がいい、朝になりたい」と突然大泣きしてしまう。

私も私で、ちょっと靄がかかったような鬱気味の毎日。仕事が昼間に全然できないのももちろんだけど、今は夫の方が断然稼げるから夫の仕事時間を圧迫すると文句を言われるとか(笑)、私の仕事ってなんだろうとか、めいちゃんと日中2人きりで過ごすのをしんどいと思っている自分も嫌だし、いっぱいいっぱいでめいちゃんに辛くあたってしまう自分も嫌だし。それに、私自身も幼稚園の頃、幼稚園が大嫌いでうまく馴染めず、オドオドしてよく泣く園児だったので、その頃の記憶(気持ち)が引っ張り出されて、なんか、メンタル的に色々つらくなってきてる。

母は「内なる世間の声」にも苦しめられる

そして、さらにここで聴こえてくるのが、誰に直接言われたわけでもない「内なる世間の声」。

・保育園に「行けない」んじゃなくて、「連れて行かない」親がダメでしょ?!それくらい親が無理にでも連れて行かないと。
・お母様がもっと、毅然とした態度で接せられた方が…。
・今からわがままを許しちゃうと、将来もっと甘えた子になるんじゃないの?!
・せっかく苦労して保活して、激戦区で奇跡的に入れた園なのに、休んでばかりで、もったいないし、世間様(?)に申し訳ない。
・保育園の先生にはなんて思われてるかな?「そんな仕事の融通きくならそもそも保育園に預けるなよ…」とか…?

と、自分を責める声に苦しめられてしまう。

子供が不登校になってしまった時の親の気持ちってこんな感じかな…とかなり切実にイメージできてしまった。不登校問題は、この多様性のご時世、めいちゃんを含め誰もが直面するできごとだと思っていたけど、せめて小・中学校くらいになってからかと…(笑)まさか3歳で直面するとは思わなかった。

不登校問題はそんなに単純じゃない

不登校のニュース等を見るたびに、「もう学校だけが唯一の居場所じゃないから、登校することだけをむやみに目指すんじゃなくて、オンラインで学ぶとか、フリースクールという場所もあるし、学校以外でインプットとアウトプットをする方法もたくさんあるはず」なんて漠然と思っていた。

でも、実際はそんな単純な問題じゃない。どの道を選ぶにせよ、「タイミングと見極め」が難しい。

行くまでの「勇気」が足りないのか、学校に「問題」があってそれを解決しないと行けないのか、本人に「合わない」のか、頑張りすぎで「休養」が必要なのか、立ち向かうことで「達成感」をつけるべきなのか、全力で「逃げた方がいい」案件なのか、「違う道」を探すべきなのか、まだその段階ではないのか、いつまで「待つ」べきなのか…。

親もわからないし、子供本人はきっと余計にわからない。霧の中を歩くような感じに陥ってしまうはず。

今現在、まさに子の不登校問題に直面している方々も沢山いらっしゃると思います。頑張っているよね…子も親も。もちろんあくまで子供の問題であることはわかっているんだけど。それでも、親も、悩んじゃいますよね。

昨日今日が土日だったので、一旦その問題からは離れて穏やかに過ごして、俯瞰してじっくり考えれるようになりました。

書き出してみてわかってきたことは、めいちゃんの場合は「勇気」が出せないのかなと。保育園はとてもいい園だし、行けばそれなりに楽しいこともわかっている。それでも、仲のいい友達がいない寂しさと、新しいコミュニティに飛び込む恐怖に折り合いをつけて、一歩踏み出す勇気が足りないだけ。まだ、たった3年と5ヶ月しか現世で生きていないんだから、当然かも。

そうやって勇気が出ない日があっても、別に死ぬわけじゃない、大問題になるわけじゃない、あなたがダメな子なわけじゃない。勇気を出せない日のシェルターはいつだって家族の中にある。それをこの期間で伝えられただけでも、よしとできるかな…。



▼引き続き悩んでいる後日談の投稿。


続・娘が保育園に行けない。

1週間前の投稿、めちゃくちゃ反響があって、直接メッセージで心配してくれた人もたくさんいたし、皆さんの言葉に励まされてきたのですが、一度は前向きになれたものの、やっぱり辛くなってきたり、夫婦喧嘩する時期があったり(笑)、なかなか複雑な思いで、途中から全然コメントに返信できていません。。ごめんなさい。

先週1週間で、めいちゃんが登園できた日は1日、門の前までだけ行けて引き返した日は2日、家からも出れずに欠席した日は2日でした。

保育園の不登園は働く家族全員の問題でもある

一度は「仕事は一旦おいといて、めいちゃんを尊重して彼女の気持ちにとことんゆっくり向き合おう」と私は決心しましたが、親は私だけではないわけで。それだと夫に不満が溜まってきたようです。私の雇い主は夫なので、私に仕事をしてもらわないと困るのです。そして、彼にも「子供をこんなに甘やかしていいのか?!」という葛藤があったそうで、怒りの矛先が私に向いたりもしました。私も私で、罪悪感を抱えながらめいちゃんと1日中一緒に過ごす×それが何日も続くと、やっぱりしんどいです。孤独感が膨らんできます。いくら大好きな娘と一緒にいるのは楽しくても。

「子供の気持ちが何より1番」だと思っていました。皆さんからも、「保育園に行かなくたって、めいちゃんにできること・学べることはたくさんあるよ」と言っていただきました。でも、それって、親にしっかり「園に行かない子供」を受け入れる余裕(経済的・精神的・人数的・環境的・時間的な余裕)がある場合に限ると思います。保育園行かずに、親戚一同が家の前の広い原っぱで虫取りをして遊ばせられるとか。都会でツーオペ育児している私たちには、それはちょっと、無理なようでした。私の今の家族は3人であり、めいちゃんだけの問題でも、母子だけの問題でもなく、父母子の3人の問題だったのです。3人全員の気持ちを、しっかり話し合ってすり合わせる必要がありました。

父親への「逆偏見」もある時代

また、世間から見られる父・母の役割の違いというのも感じました。私はこうやって悩みを言語化して投稿で相談することができて、みんなに肯定の言葉をかけてもらい励ましてもらいました。でも、夫の元には「さやちゃんをちゃんと支えてあげなきゃダメだよ〜?」などというお咎め(?)のメッセージが届いたそうです(笑)。それも彼のモヤモヤに繋がったようで。。(私が夫への愚痴っぽいものを投稿に交えちゃったのが原因かもしれませんが。)

実際には、困っているのは夫婦一緒なのです。うちは3年間ずっとツーオペ育児なので、家事は2人とも半分くらいずつやるし、前の保育園では送り迎え2人で行ってたし、休みの日に父と娘2人だけで出かけることもあります。夫の方が教育熱心だと感じる分野もあります。ぶっちゃけ今はそういうお父さん、増えてきてると思います。父が残業続きで家のことに無関心で、母だけが保育園&仕事&家事の両立の問題を抱えている、そんな典型的なパターンばかりでもないと思います。父もすでに働き方を改革し家事育児を担い、その上で母と同じ子育ての悩みを抱えている家庭もたくさんあると思います。そんな男性が、「従来の典型的父親」の先入観で見られる差別に苦しんでいる場合もある気がします。時代は変わっています。

今は、再び土日という安全地帯を楽しく穏やかに過ごして、今日からまた気持ちを新たに仕切り直ししようとしたところ。月曜日の今日はなんと、強行突破で無理矢理行かせる作戦に出ました。リビングで着替えたくないと泣き叫ぶめいちゃんを、夫婦で力を合わせ、パジャマのまま玄関→車→駐車場→保育園とギャン泣きのまま抱き抱えて連れて行きました(登園締切時間の30分後だというにも関わらず)。これが良いとは思いません。これが毎日だと家族全員の心が壊れます。信頼関係も壊れます。どうしたらいいんでしょうね。。

とりあえずは毎日無理矢理連れて行くんじゃなく、週に2回以上の登園を目標にして、やっていこうと思います。試行錯誤。学びの日々。日進月歩。


さらに後日談の記事を②③にまとめています!よろしければご一読くださいm(_ _)m