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(感想)幸せはずっとある

(以下、筆者Xより転記)

映画『SUPER HAPPY FOREVER』鑑賞。なんだなんだと思うタイトルだが、本当にタイトルどおりの作品だった。幸せは、なくなったように見えたり思えたりしても、ずっとある。そういうことの概念を形にしてみせた、赤い帽子が眩しい。

海辺のリゾートホテルを訪れた佐野と宮田。ホテルはまもなく閉館する。佐野は、5年前にこの地でなくした赤い帽子を探す。宮田は怪しいセミナーにはまっている。妻を亡くし自暴自棄になっている佐野の挙動を、緊張しながら観ていた。

後半、5年前の、佐野が妻であった凪と出会うエピソードが挿入される。タイミングや趣味や味の好みが合う二人。幸せだった日々を振り返るような構成になっているが、映画を観ていく上での順番では、先に観た出来事が、また後で返ってくるような作りになっているのだ。

この返ってくるところ、波のように形を変えて戻ってきて、さっき去った波とは同じではないけれども波という現象として同じであるところ、それは幸福というものにも似ているのではないか。全く同一のものはその手に返らないとしても、波のような幸福はずっと浜辺にあるのだ。

赤い帽子も一度失われたけれど、戻ってきてそこにある。その事実に気づかないとしても、あることはあるのだ。

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大場さやか
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