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休職からの復帰・同じことを繰り返さない

精神的に状態を崩し
数か月間、仕事をずっと休んでいたAさん。

Aさんを支える家族も
心配や不安は尽きなかったし

家族の気持ちは
「Aさんが体調を崩していたのに、
精神的に追い込まれていたのに、
会社は、気づいてくれなかった
気づいていたけど見ないふりをした」

こんな風に思っているので
家族は会社に対しての
不信感や不満もとても大きくなっていた。

そんな風に職場環境に対して
大きな被害者意識を持っていること
家族間でも、様々な意見が出始め、

カウンセリングを続ける中で
仕事を変えたほうがいいかも
と本人も家族も考え始めていた。

そんなとき・・・

唯一、本人のことを理解し
支えてくれていた上司の存在があった。

その上司が頻繁に自宅を訪問してくれて
家族の話も聴いてくれて

家族は、会社に対する不満も話すことができ
上司が「Aさんのことを必ず守ります」と
約束してくれたので

Aさん自身も、
もう一度、あの職場へ戻ってみようと考え始め

戻るためには、
前と同じようにすぐに働くのではなく

リハビリプログラムを作り
できることからスタートしようと
プログラムを作成した。

①午前だけの出勤
②14時までの出勤
③16時までの出勤
④みんなと同じ時間働く
⑤会議などにも出席する

5週間かけて
元の状態に戻す。
段階を決めて進めていくことにした。

プログラム開始から3週目。
②から③の段階へ移行しようとしたら
大きな不安に襲われた。

ここまで順調に進んできているのに
16時まで仕事ができなかったら
期待している家族に申し訳ない。

上司が声をかけてくれているのに
また、心配をかけてしまう。

職場の人にも
できないことが多くて迷惑ばかりかけている

こんなことをぐるぐる考え始めたら
すごく体がだるくなってきて
家でも横になっていたい
と思うように
なってきてしまった。

やっぱり、もう仕事ができない身体かもしれない。
復帰は難しかったかもしれない。

Aさんは、そんなことを想うようになっていた。

初出勤の日、緊張はしていたが
久しぶりの職場のはずなのに
Aさんは、かなりのテンションで仕事をしていた。

うまくいっているときほど
(うまくいっているように見える時ほど)
注意してみなくてはならない。

何か月も休んでいて
家の中から出ていなかった人が
外に出て職場で仕事を始めるときに
大丈夫なわけがない。

何もしないで座っているだけだったとしても
本当は、とても緊張しているはず。

休む前の仕事をしていた
自分と比べるのではなく

休んで家にいて
ほとんどベットで過ごしていた時の
自分と比べたら

今日の自分が、この場所で
立っているだけでもすごいことなのに。

そこを飛ばして、
休職前の働いていた時の自分と比べ
今、できていない自分とを
同じ土俵に並べて
自分に厳しい言葉をかけ始めている。

順調に進み、うまくいけばいくほど
うまくいかなくなる自分を
受け入れられなくて
今の状態が前の状態に戻ったら
どうしようと考え始める。

まだ起きていないことに
不安になっている・・・。

本来はすごく体がだるくなってきて
家でも横になっていたい

と思うことが自然であり
当たり前ではないだろうか?と思う。

これは”無気力状態”ではなく
家に一歩も出ていなかった人が
緊張状態の中、4時間も
緊張する環境の中にいたら

身体もだるくなるし思考も停止するし
何も考えられなくなり

身体を休めたいから
横になりたいと思うことは
当たり前なのではないだろうか?と思う。

休職する前のAさんは
・職場で頑張って働き
精神的に、ぎりぎりの状態まで
追いつめて頑張ってしまった結果
仕事に出れない時間が続いた。

・周りに迷惑をかけたくないと思って
無理して残業を続けた結果
自分の心が壊れそうになった。

今のAさんが
「身体がだるいから身体を休めたい。
横になりたい」って自分の心の声を聴いて、
感じている通りにしてあげなかったら
同じことの繰り返しになる。

休職前、無理をして苦しみ続けたことは
「出勤できない」という結果になった。

同じ結果にならないために
今回は、ステップを少しずつ進めているのに
そのことを自分が疑ってはだめだと思う。

昨日より良くなっている。

2週間前、一日中ベットで寝ていた自分が
今の自分を観たら、すごい!って思うだろう。

そんな風に比べる場所を間違えず、
歩みを進めていかないと
何のためのプログラムかわからなくなる。

本末転倒になってしまう。

だから、②→③に進むのが
難しいなら、今週も②で進めよう。
慌てて③に進む必要はない。

プログラムの目的は
もとの環境に戻ることなんだから。
いつの日か戻れればいいのだから。

長い人生で考えたら

1ヶ月休むことは
そんなに大きなことではないはず。

1ヶ月、通常よりも
短い時間働いても
そんなに大きな問題ではないはず。

焦らないで、あわてないで
自分の歩いている道を信じて
疑わないでほしいと心から想っている。


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