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自分を保つ「心のメンテナンス」

先日、とても深い苦しみの中で立ち向かっている
クライエントさんがカウンセリングに
お越しになった。

カウンセラーとして
支えたい気持ちでいても自分にできることは
もう、祈ることしかできないと思うほど
無常に流れていく時間・・・
どうあがいても運命を変えられない苦しさ。

祈ることしかできないのではない
祈ることならできるんだ。

そうやって、セミナー講師でも伝えているのに
「祈ることならできる」と思えないほど
何かやっていないと心が壊れそうになる。

クライエントさんの鏡になる。
カウンセラーの鏡が曇っていては
クライエントさんが自分自身を
クリアに映せなくなる。

頭ではわかっているし
そんなことは全身全霊でやってきた。


でも切り替えられない日もある。

自分の無力さに
押しつぶされそうになることがある。

そんなとき・・・
私は、掃除をしまくる。

先日は、事務所の台所
排水溝の黒い部分を
ピカピカになるまでこすっていた。

この黒い部分を全部、取り除いて
きれいにできたら
あのクライエントさんの闇が晴れないだろうか
この黒い部分が闇なら
この手ですべて取れないだろうか?

そうやって、掃除に全集中をしながら
心を立て直していく。

手を動かしながら、無になって
掃除をし続ける。

もし、この私の姿を
人が見たら殺気立ってると思う。

先日は、それでも気持ちが
モヤモヤしたままだったので
事務所の長い廊下の雑巾がけも始めてみる。

スタッフのみんなは事務所で
パソコンに向かって仕事しているのに
廊下をひたすら雑巾がけしながら走る私。

廊下がピカピカになったら
私の心も少しはキレイにならないか?

そんな想いで、廊下を何往復も走り続けた。


余談だが・・・

事務所にお越しになったお客様が
よく事務所の廊下を歩かれた際に
「いつも廊下がピカピカですね」って言われる。
スタッフは みんな
「ありがとうございます」って笑顔で
お客様に言葉を返しているけれど、心の中で
「奥園の心の状態が不安定だと
廊下は美しくなります
。。。」と思っている。
カウンセリングルームに
がんの患者様がおみえになって
つらい治療の話を聴いた日の私は
たいていは、トイレのタイルの床をこすり続ける


タイルのグレーになっているところを
雑巾でひたすらこすり
少しずつ、タイルが白くなったら

クライエントさんの身体のがん細胞も
消えてくれることを深く深くイメージしてみる。

「このグレーのシミは ”がん細胞”だ。
 私の手で落としてみせる」
 って、必死にこすってみる。

無力だな・・・って本当に想う。

バカみたいだって、いつも思うけれど
掃除の効果はあると思っている。

心が浄化される気がする。
浄化のための掃除には、目に見えて汚れが
落ちていくようなところがいい。


普段は、カウンセリングで受けた
マイナスの「気」を洗い流すために・・・

しっかりと泡立てた泡で手から肘までをこすり
シャワーのザーッという音で洗い流し
「気」を「水で流す」ことをしたり

カウンセリングルームの空気を入れ替えたり
時には、アロマやお香をたいたり

ガンガンに大好きな音楽をかけてみたり

カウンセリングのたびに、スーツを着替えたり


視覚や聴覚(目や耳)嗅覚(におい)
五感に働きかけることによって
心を鎮静化させるように努力している。

次のカウンセリングに響かないように
自分の心を切り替えることと
マイナスの気を心に入れないように
「行動」さえすれば、普段は良くなるのに

どうしてもダメなことがある。

本当に苦しく重い時は
目先の気分転換や浄化ではダメだと思っている。

カウンセラーとして独立してから
お酒は飲まなくなった。
お酒を気分転換の道具にしたり
気持ちの浄化に使ったら
私みたいなタイプは壊れると思った。

掃除にしておいてよかったと
私には”掃除すること”効果があると思っている。

事務所で私が必死に掃除を始めると
スタッフやマネージャーは
「また、苦しいことがあったんだな・・・」
って、何も言わず、掃除に集中させてくれる。

殺気立ったように掃除してる私を見て
「カウンセリング、きつかったんだな・・・」
って、何も聞かずに、私の気が済むまで
誰も話しかけず、ほっといてくれる。

トイレの床がピカピカになっていたり
換気扇が輝いてたり
窓が光っていると
「苦しいことがあったんだな・・・」って
みんな思ってくれている。

私は、トイレ掃除をスタッフにはさせない。

最初は、私が掃除ばかりするから
「自分がやります」と言ってくれた
スタッフもいた。

マネージャーが、
「それはやらなくていいよ。
汚れているところが少しないと
掃除するところなくなると困るから・・・」
最初は???だったと思う。

その意味が今はもう全員わかっていると思う。

苦しいことがあったら
掃除をするのはとても心に良いと思う。
身をもって思う。

心も整うし、部屋もきれいになる
一石二鳥だ。

でも、本当は
トイレの床はずっとグレーのままで
「そろそろ掃除しなくっちゃ!」って
掃除することを忘れてしまうほど
誰の身体にも悪性の細胞なんて生れないでほしい。

心が張り裂けそうなほどの苦しい出来事なんて
私の周りの大切な人には起こらずに、
平穏で幸せな毎日が流れていてほしい。

今、事務所は、掃除するところもないくらい
きれいになってしまったので
心も落ち着きを取り戻してきた。

今は、ただ、祈ることをしたいと思う。

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