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人生の最もつらい時、逃げない

先日、サロンカウンセラー育成プログラムを
受講し、勉強を積み上げ

サロンカウンセラーとして充分に
自分自身を高めていった修了生から
連絡があった。

この修了生とディスカッションしたこと
とても大切で忘れたくない出来事なので
noteに記録しておこうと思う。


※サロンカウンセラーとは
美容業界で後輩や部下を持つ方々に

カウンセリング技術や心理学の知識
トレーニングを習得してもらい

サロンで働く人財を支え
美容師になる夢を守り続けるために
スタッフの悩みを聴き、寄り添い
支援できる人のこと

サロンカウンセラーとして
カウンセリングの技術を学べば学ぶほど、
プログラムを受講している受講生たちは

「わからなかったことが、わからない」状態から
「わからないことが、わかる」ようになり

自分に目の前の人のサポートができるのか?

という不安と戦う時期がくる。

相手の問題が難しく悩みが深いと
自分も同じように苦しんでしまったり

サロンカウンセラーといっても
自社のスタッフ・共に働く仲間に対してだから、

目の前のスタッフに
「こうなってほしい」という想いもあるし
感情も芽生えることも当たり前で

でも、カウンセラーなのだから、
自分の感情や会社としての立場や
組織の事情等は、横に置いて

目の前のスタッフにとって
最善の方法を考える・・・そのことは
簡単でないことは、私も重々理解しています。

ただ、私がサロンカウンセラーを育成して
自信を持って言えることは

「人の役に立ちたい」
「仲間のためにカウンセリング技術を習得したい」
「大切な人を守りたい」という気持ちが

本当に強い方ばかりで

その想いは「技術をも勝る」と思っているし
サロンカウンセラープログラムを受講している
受講生たちは、会社や組織では
リーダーである方々で

一人一人が壮絶な苦しい体験や
自分の感じる力が高いがゆえに悩み、
もがいた時期があるから

サロンカウンセラー育成プログラムを
受講しよう!と決意して、学びに来てくださる。

だからこそ人の痛みに共感でき
自分の弱さを認め
自分の弱さと向かい合ってきたからこそ

人の気持ちのわかる方々ばかりだと思っている。


そんな自信をもって
「素晴らしい人材だ!」と言える
修了生の中の一人、”Aさん” から

自社のスタッフ ”Bさん” の
「カウンセリングをしてほしい」と連絡があった。

話の内容を聴いていると
確かに、内容的には難しいケースだった。

ただ、Aさんは、
とてもよく傾聴ができていて
本人の状態もよく把握ができている。

Aさんが、自分の感情が整理ができないのは
自分の大切なスタッフが
家族の力によって苦しめられていて

そのことを客観的に見れないから
どうしても一緒になって家族を批判してしまい
大切なスタッフが本当にどうしたいかを聴ききれず

自分の感情を伝える=意見してしまう

葛藤にぶつかり

もう無理だと思って

私に連絡してきたようだった。

Aさんの話を全部聴いて
「カウンセリングしてもいい」とまず答えた。

私:「でも、今、私がカウンセリングをしたら
Bさんを最終的にサポートし
Bさんの人生の一番苦しい時に寄り添ったのは
Aさんではなく“私”になる可能性があるけれど
それでもいいんですか?」

と質問した。

Aさん:「それでもいいです!!
カウンセリングしてほしい。
自分の力では無理なんです。Bさんを助けてほしい!!」

私:「わかりました」

「Bさんは、私のカウンセリングを受けることを
承諾してみえますか? 私のことをBさんには、
どのように伝えていますか?」

と聴いたら

Aさん:「カウンセリングを受けることを
本人は、承諾しています。

Aさんが信頼して薦めてくれる先生なら
カウンセリング受けますと言ってました」

Bさんは、Aさんをとても信頼しているんだな。

Bさんは、Aさんが言うから
私のカウンセリングを受けようとするほど
信じているんだな・・・。という気持ちが
伝わったとき

私は、Aさんに
「Aさん自身」を信じてほしいと思った。

・・・・・・・・・・・・・・・

私:「Bさんの人生の大事な決断の時を
私に任せちゃだめだ。

私は、Aさんにカウンセリング技術を
充分に伝えてきたし、Aさんは学んできた。
Aさんには、もう充分に
Bさんをサポートする力がある」と伝えた。

Aさんは、自分に自信がないから
私がカウンセリングしたほうがいいし
そのほうが早く良い結果が出ると
思ったかもしれないけれど

私が、Bさんを思う愛情より
Aさんが、Bさんを思う愛情のほうが
強いに決まっている。

逃げちゃだめだ。

ここは逃げるところじゃない。

時間がかかるかもしれないけれど
一番、信じている人に支えてもらうことが
もっとも よい効果をもたらすと私は思う。

Aさんは「サロンカウンセラー」なんだから・・・

ここで、私にバトンを渡すことは
Bさんを育てることを放棄することになる。

Bさんが一番、苦しい時にそばにいてくれた人は
”心理カウンセラーの奥園”ではなく
”サロンカウンセラーのAさん”であってほしい。

そこで支えてくれたことは
Bさんの人生にとって支えになるから。

その役を、私がやってはだめだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・

そんなことをAさんに伝えた。

”説得”に近かったかもしれない。

でも、私はどうしても愛弟子である
Aさんに逃げてほしくなかった。

長い時間、私は、Aさんと話し
Bさんのサポート方法を考え

事実と感情を分けて
徹底的に傾聴をしカウンセリングを
洗いなおすことにした。

その電話から10日間が過ぎ
Aさんから連絡が入った。

自分の感情を抑えて
何度もカウンセリングをしたら
Bさんの中で、何か気持ちの変化というか
整理がつき始めている気がします。
ひたすら話を聴くことに徹した結果だと思います。
時間がかかっていますが
もう一歩だと感じていますので
引き続き頑張ります!!

やっぱり思った通りだった。

この報告を聴いて
Aさんには、もう力がついている。
と、確信した。

私が伝えた技術は
もう充分にAさんの力になっていて
現場で毎日使っていることで磨かれて
支える準備は充分にできていた。

自信は準備から生まれる。

自分が「これだけやったから大丈夫!」って
思える気持ちが自分を安心させ

準備した自分を自分が一番よく知っているから
「これだけやったから大丈夫」の気持ちが
自信につながる。

あとは、自分を信じること
自信を持つことだけだった。

私はAさんが不器用でたくさん苦労して
人の痛みが理解できる力があること
充分にわかっている。

弱さを知っている人ほど強いから。

大丈夫。
想いがあれば、必ずサポートできる。

自分の技術と知識を信じて疑わず
大切な人のために使ってほしい。

必ずサポートできるから。

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