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お洋服を作ってもらったら人生が明るくなった話(2/3) お洋服作りの頼み方

既製服を探すのではなく、クチュリエさんに作ってもらったら、いろんな悩みが解決されて、洋服を着るのが娯楽になった話を書きました。今日はその続き。実際の作ってもらい方です。

1.クチュリエさんを探す
自分で縫う場合は別ですが、クチュリエさんを探すところから始めると良いと思います。私も、実は大学生の時にチャイナドレスを自分で縫って、サークルのパーティに着て行ったら、ベストドレッサー賞をもらった…という輝かしい過去はあるのですが(笑)、私の技術だと気分が上がるものは作れないので、クチュリエさんを探しました。私が縫うと表側はある程度きれいに作れるかもしれないけれど、裏がぐちゃぐちゃになります。そういう服って長持ちしないのよね。

欧州在住の方なら、私がお願いしているレイカさん、超おすすめです。HANAE MORIやCOMME des GARÇONSでパタンナーさんたちに混じってお仕事をしたり、パリでウェディングドレスを作ったりしていた方で、とても高い技術をお持ちです。レイカさんは日本在住の方でもお願いできるけれど、人気者でお忙しいし、往復で送料と時間がかかるし、日本在住ならnutte(https://nutte.jp/)というサービスでも探せます。

クチュリエさんごとにできることとできないことがあります。パターンがなければ作らない、という方もいらっしゃれば、洋服からパターンを作ってくださる方、デザインまでやってくださる方、とか。お願いしたいことができる方を見つけます。

2.デザインを決める
クチュリエさんがデザインもできる方なら、実際にお目にかかって採寸してデザインも考えてもらうこともできます。以前に古いレザーコートをリメイクしてレザージャケットを作ってもらったら、体がきれいに見えてとても気に入り、「私の腕は短くなかった! 世の中の服が長いだけだった!」とめちゃくちゃ自己肯定感があがったことがあります。デザインまで作ってもらうのは、特別感があっていいですよね。

でもデザインをしない方ももちろんいます。得意なデザインがあって「それなら作るよ」とおっしゃる方もいます。型紙があれば作るよという方も、洋服から型紙を作れるよという方もいるはずです。または頼む人が「私はこのデザインの服が着たいのだ」と決めている場合もあるでしょう。

私は作ってもらいたい形がありました。昨日書いたけれど、とあるお洋服をもっと買いたいと思ったのにブランドに問い合わせても梨の礫だったのです。そこで、お洋服をクチュリエのレイカさんにお見せして相談しました。レイカさんはお洋服から型紙を作れる方。ちょっと形が気になる部分もあったので、そこも直していただけるかを相談して、デザインを決めました。

たぶん、「これと同じデザインのものを作ってほしいです」とクチュリエさんに頼むのが、一番伝えやすいのかな、なんて思います。作ってもらったものを販売してしまえばコピー品になってしまうけれど、自分で使うものでもう買えないなら、許されるんじゃないかな……。

3.布などの素材を探す
作りたい洋服が決まったら、クチュリエさんに必要な布のサイズや用意した方がいいパーツを聞いて揃えます。

作ってもらうとなれば、布地は選び放題。私は洋服のサステナビリティが気になるので、天然繊維100%にこだわりました。ポリエステルも100%であればリサイクルが可能ですが、混紡は現状、リサイクルできないのです(リメイク、リユースはできるから回収には出してね)。天然繊維、例えば綿、毛などが100%なら、どんなにぼっろぼろでも、リサイクルできるそうです。天然繊維は、水や油をよく吸うので、最悪ウエスとして使えるからです。

いろいろ調べた結果、私は今回はOeko-tex認証をとった綿100%の布と、同じくOeko-tex認証をとったリネン100%の布にしました。本当はオーガニックコットンがよかったけれど、ほしい厚さとデザインのものがなかった。布を考えるのはとても楽しかったので、次の記事で詳しく書きます。

4.素材をクチュリエさんに送って待つ
あとはワクワクしながらできあがりを待ちます。以前に「サスティナブルブランドで洋服を買ったら、受注販売でオーダーしてから2ヶ月待ちだった。2ヶ月も待てない」と言っている声を聞いたのだけれど、ちょっと待って。自分で、クチュリエさんのレベルで作るとしたら、私なら縫い直し縫い直しして、2年以上かかると思う。

クチュリエさんは、布によっては洗った後に服が縮まないように、縫う前に一度洗って乾かしてくれたりします。そして手を縫うんですよね。急いでもらって不本意な出来になるより、ゆっくり待ったほうがいいじゃないの。クチュリエさんに、縫うだけのお仕事に日給3日分とかを払わないのであれば、他のお仕事と同時並行するのだから、スケジュール調整のためにある程度の時間を待つのは当然では、と、思います。私も職人的ライターなので、職人の生活環境は守りたい。待つだけよ。長く待てば待つだけ、楽しみが募るじゃないの。

作り方は感じ。気になるお値段ですが、私の場合は、お洋服から型紙を取ってもらうのに20€。縫製が1着58€でした。2着頼んだから、1着68€計算。それにコットンの布が30€くらい、リネンが50€くらい。元になったお洋服はコットンで120€だったので、平均すれば同じくらいの値段で作ってもらった計算。しかも、れいかさんの技術が高いので、本当に気持ちの良い仕上がりだったんです。

これに、共布のベルトがつきます。
日本には高い技術を持つクチュリエさんがたくさんいるはず。洋服を作ってもらってみるといろんなことがわかって楽しいので、気になる人はぜひ一度試してみることをお勧めします!

(3回連続の投稿の2つめ。明日は私が布を選んだ時のやり方を説明します。)


これに共布のリボンが付きます。


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