〜マーサの幸せのレシピ〜 料理をする手
マーサの幸せのレシピは、ハリウッドのリメイク版とオリジナルのドイツ版とあるのだが、
私はこちらのドイツ版の方が好きだ。
腕は超一流、人付き合いは苦手
カウンセリングに通い
料理をしている時が一番落ち着いていられる
そんな女性シェフ
姉が交通事故で亡くなってしまい、ひとり残された姪を父親がひきとりにくるまで預かることになったマーサ。
一人の生活に慣れていたマーサと母親を亡くしたばかりのリサ、お互いに慣れない二人暮らし……。
リサを引き取りに行く間、休んでいたレストランにもどって仕事を再開したマーサ
仕事のルーティンを確認し、仕事をはじめるもいつもの場所にいつものものがない、
なにか確実にいつもとちがっている。
現れたのは、イタリアのカンテを歌いながら出勤してきたイタリア人のシェフ、マリオ。
マーサがやすんでいた間にオーナーが雇ったのだ。
なにもかもがちがう2人。
マーサはルーティンをくずされて苛立ちがつのる。
マリオはまったく気にする素振りもなく、
自分のペースですぐにまわりのスタッフとうちとけてゆく。
マーサが苛立ちをマリオにぶつけても、
まぁまぁ……それよりもこの味はどうだ?と味見をさせて感想をもとめてくる始末。
ある時リサを仕事場につれてこなくてはならなくなった。
なかなか打ち解けず食事もなかなかちゃんと食べようとしてくれないリサにどう向き合っていけばいいかまったくわからなくなっていた。
相変わらずのマリオの態度に辟易としながらも仕事をしていたが、ふと気がつくと食べようとしなかったリサがマリオのつくったパスタを食べている。
それも、なんだかとっても楽しそうに。
だんだんと打ち解けあっていくリサとマーサとマリオの人間模様が素敵だし、
随所にでてくる美しい料理シーンの数々、
そして明るく響くイタリアの音楽がとても良い。
お堅いマーサが良い意味で適当で人生をおおいに楽しんでいるマリオに振りまわされながらも
明るくおおらかに変化していき、
リサとも家族のつながりを見いだしていく姿がなんとも微笑ましい。
私はなせが昔から料理をしている手の動きを見るのが好きだった。
もちろん美味しいものを食べるのも好きだけど、
料理しているのを見てるだけで満足することもある。
包丁をつかいリズミカルに切っていく音や
フライパンで炒めている様や
盛り付けしている繊細な手元などなど。
料理いがいにも
家具のメンテナンスや、
DIYしている作業、
絵を描いている姿
楽器を演奏している姿
ミシンで縫っていく作業など。
とにかく意志をもって動き、なにかをつくりだしていく手を見ているとなんとも満ち足りた幸せな気持ちになれるのだ。
それってなんだか素敵なことだなぁと思う。
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